昨日、お知らせしていた通り、今日から参議院厚生労働委員会の視察で、茨城と福島を訪問。初日の今日は、茨城での行動でした。
朝9時半に永田町の議員会館を出発し、バスで一路、茨城へ。最初に、児童養護施設「道心園西ホーム」にお邪魔し、東日本大震災で被災した施設の状況を見せていただきながら、震災当日の様子や、その後の対応状況についてお話を伺いました。私自身、児童養護施設の現場をお邪魔したのは初めての経験。さまざまな理由で保護が必要な子どもたちが生活している現場ということで、視察にもことさら気持ちが入りました。
続いて、茨城県庁へ。
まずは、茨城県庁の庁舎や議会棟がとっても立派なことにびっくり。都庁を始め、道府県庁の中には大変立派な庁舎をお持ちのところが少なくありませんが、この茨城県庁舎はひときわ立派です。県民の皆さんの憩いの場としておこの上ない環境ですね。
(橋本県知事より要望書を受け取る小林正夫厚生労働委員長)
この県庁で、茨城県労働局(厚生労働省の出先機関)と県の商工労働部より、茨城県の雇用・労働情勢についてお話を伺いました。震災後、大きく落ち込んだ雇用情勢も、その後、着実に回復してきているという印象です。しかし、まだまだ厳しい環境にあることは間違いなく、今後、産業の復興とともに長期安定的な雇用を復活させていくことが課題とのことです。
続いて、バスの中から「常陸那珂工業団地」を視察した後、大震災で大きく被災した北茨城市の「大津港」へ。津波で甚大な被害を受けた大津港とその周辺ですが、市長の英断によって翌日から市単独でガレキの撤去を開始し、他の市町村でガレキの撤去が進まなかった中、いち早くガレキの撤去を終えたとのこと。おかげで、今は震災での破壊が嘘のようにキレイになっています。
しかし、大津港の漁港としての機能は、まだまだ復旧もままならない状態。これから段階的に復旧を進めて行って、完了するのは平成26年度末になるとか。さらに、多くの家々を津波から守ってくれたメインの堤防を完全に復活させるには、平成28年度末までかかる、とのこと。まだまだ復興に向けた道のりは長いことを思い知らされました。
そして、最後に「北茨城市立総合病院」へ。こちらでも、大震災で被災した施設を見せていただいたのですが、もともと昭和47年に完成したメインの病院等は、昭和50年の耐震基準を満たしていない建物。それだけに、至る所に亀裂が入ったりして100床が使用不能になっています。また、後年に継ぎ足して作った部分との接続箇所が軒並み陥没して破断。今は何とか応急手当して繋いでいますが、大変なご苦労をされています。
(北茨城市立総合病院の会議室で。挨拶する小林正夫委員長)
ただ、2年後に新しい高台の場所へ新設移転することが決定しているそうで、今の病院では何とか2年間、できる限りの医療を提供し、その後は新しい病院でさらに充実した医療を提供する予定というお話でした。
しかし、課題は医師不足の解消。これは震災前からの課題で、震災によって(さらに原発事故によって)状況はさらに厳しくなっているそうです。他の病院からの支援もいただきながら、「とにかく出来る医療を確実に提供していくこと。それによって、必ずここで働きたいという医師が出てきてくれるはず」との院長先生のお言葉でしたが、これはとにかく、国の方でもしっかりと対応を図って行かなくてはなりません。
ということで、今日は茨城の各地で貴重なお話を聞かせていただくことが出来ました。何と言っても、茨城はその被害の大きさに比べて支援の総量が圧倒的に小さいのが現実です。その中で現場が一生懸命にがんばっていただいている状況も目の当たりにしました。私たちも、今後、茨城への腹腔支援もしっかり対応していくことを確認して今日の行動を終えました。
明日は、福島県での活動です。