●9月14日(水)10-00 半蔵門<東宝東和映画試写室>
M-114『ブリジット・ジョーンズの日記*ダメな私の最後のモテ期』" Bridget Jones 's Baby " (2016) Universal International / Miramax / Studiocanal / Working Title
監督・シャロン・マグワイア 主演・レニー・ゼルウィガー、コリン・ファース <123分・シネマスコープ> 配給・東宝東和
数年前の新聞で、あまりにも落ちぶれて変わり果てたレニーの写真が載っているのを見たときに、あああ、もうオスカー女優も哀れな最後になったなーー、と思っていた。
むかし「コールド・マウンテン」の来日記者会見で会ったときも、とても陽気で面白いキャラの女優だと思っていたので、その後の活躍を期待していたので、大いに失望していた。
ところがどうだ。またしても、<ブリジット・ジョーンズ>、・・3度目の復活で、見てみるとレニーも、さすがに<アラフォー>の小じわは目立つものの、あのバカ陽気は健在。
2001年に最初の「ブリジット・ジョーンズの日記」がヒットして、2005年にも好評のパート2が公開されたが、それでプッツンして、何とデビューから15年ぶりの復活となる。
同じユニヴァーサルでは「ジェイソン・ボーン」のシリーズが同様に今回リターンを果たしたが、ジェイソンは途中で代打要員の作品もあって、周知期待のカムバックだが、こちらは意外だった。
相変わらずにロンドンの出版社に勤務するブリジットは、まだシングルのままに失恋を重ねて、ここでは43歳独身の<アラフォー最後のモテ期>なのである。
たしかに43歳の独身で、まだ若いふりをしているという設定は悲壮だが、彼女なりにラスト・チャンスの年齢であることは充分に自覚しているが、それでも相変わらずのドジ。
なぜか、昔からいろいろと絡むコリン・ファースもまた離婚問題係争中の煮え切らない中年ダメ男で登場し、最初のカレだったヒュー・グラントは旅客機事故で行方不明。
そこに若いIT企業のハンサム社長のパトリック・デンプシーが新たにブリジットのラスト・チャンスに割り込んでくるという、相変わらずドジな恋模様が展開する仕掛けだ。
見ていて、どうやらユニヴァーサル社としては、1960年代の、あのドリス・デイのニューヨーク・コメディのヒット・シリーズを再現しようとしている気配は感じられる。
レニーも、あの時代のドリス・デイの表情を真似たようなオーバーなコメディ・パフォーマンスを見せるのだが、どうも空回りするのは、相手役もロック・ハドソンのようにおかしくない。
おまけに二人のボーイフレンドとスワッピングしたために、柄もなく初めてのプレグナントとなり、さて、どちらの男の精子が体内に乱入したのかが、後半のドタバタな展開となる。
ま、いいトシをして、誰の子供が生まれてくるのかがワカラナイ設定は、これがブリジット・ジョーンズの晩年の悪あがきのようだが、それにしても決断の悪い長編ドジ喜劇。
■右中間に抜けるヒットだが、3ベースヒットを狙いタッチアウト。 ★★☆☆
●10月29日より、東宝洋画系ロードショー