●12月3日(火)10-00 内幸町<ワーナーブラザース試写室>
M-151『なんちゃって家族』We're the Millers (2013) warner brothers / new line cinemas
監督・ローソン・マーシャル・サーバー 主演・ジェニファー・アニストン <109分>配給・ワーナー・ブラザース映画 ★★★
「ハングオーバー」シリーズのプロデューサー、クリス・ベンダーが「ハリー・ポッター」のメンバーと組んで作ったヒット・コメディ。
ケチなドラッグ・ディーラーのジェイソン・サダイキスが、借金に困り命を代償に引き受けた仕事が、メキシコの麻薬カルテルからの密輸搬送。
絶対に入国困難な使命なので、彼はとっさに偽装家族を装って、このミッションに挑む事にした。どうせ殺される運命。やぶれかぶれの決死行だ。
売れない中年ストリッパーのジェニファーを妻に、ホームレスの少女とプータローの青年を、即席の、にわか家族に見立ててキャンピング車で観光旅行風に越境。
フランク・シナトラの「サウス・オブ・ザ・ボーダー」のナイスな選曲で、一路、メキシコの麻薬カルテルに到着。
ところが用意されていたのはバスのように大きな重量車両いっぱいの麻薬。これで強固なアメリカン・ボーダーを通過出来る筈はない。
あとは「ハングオーバー」同様のナンセンスなギャグの連発で、この必死の使命は順次遂行されていく。このリディキュラスな発想には、呆れるばかりだ。
必死のトラッシュ・ムービーと悪口を言われようが、「M:I:3」や「ダイハード4.0」を抜く興行ヒットというのだから、文句あっか!、である。
たしかにアホらしい作品だが、その映画的シナリオはよく練られていて、予想をどんどん裏返しして行くゲーム感覚は、大ヒットも頷ける。
あのデ・ニーロの「マラヴィータ」は、殺し屋家族の大反撃が凄かったが、こちらの即席家族は痛烈なドジの連続で、見事に難関を突破して行く。
そして、ちゃんとラストでは、カルテルは殲滅して、法の裁きは受けるという、意外に律儀なエンディングとなるのは、さすがメジャーな作品。
とにかく、一応はショーバイになる作品なので、余計な批評などはナンセンス。バカを承知で楽しむのが礼儀であろう。
■きわどい判定ながら、故意のデッドボールでとりあえず出塁。
●2014年1月25日より、シネマート新宿などでロードショー