小暑 (新暦7月7日 1時41分“七夕”は、もともと中国では盆の中の一行事。日本にあった棚機津女 (たなばたつめ)の行事と重なり、“たなばた”。ー中国の七夕伝説ー天の川をはさんだ織女星・牽牛星物語は、奈良時代には伝わっており、恋多き万葉人に格好の材料を提供したようです。ー「万葉巻-10」には秋雑歌・七夕(しちせき)、97首の“特集”が組まれております。(注*中国伝説風ではなく、歌の殆んどが、牽牛が、天の川を渡って、逢う瀬を楽しむ設定、この我田引水なところがいかにも{万葉人}らしい。)
(例) 赤らひく色ぐはし子をしば見れば人妻ゆえに我れ恋ひぬべし (巻-10-1999)ー(訳 ほんのりと紅い頬をした目にも霊妙な女(ひと)、その人を見ていると、人妻だというのに私は恋してしまいそうですョ~) 一応、「人妻=織姫」のことを歌にしているのですが、神話にかこつけて、現実の自分の体験だったりして~
ー噺が、いっこうに“紫陽花”(←掲載写真)にたどり着きませんが・・・ー
要は、新暦梅雨の時期に (←見えないに決まってる!)7月7日・天の川の物語 に無理があるわけで・・、それではと、雨模様で見えない“天の川”に見立てて、“紫陽花”の登場といたしました。(←旧暦だと8月24日、初秋で、【天の川】はよく見える確率大。)
ー♪ ささの葉 さらさら 軒端にゆれる お星さまきらきら 金銀砂子~#(←かくなるイメージの紫陽花の写真である)
▲ あじさい 【紫陽花】 ガクアジサイは、日本の山野に自生する。観賞用のアジサイは、ガクアジサイを改良。学名 Hydorangea (ハイドロランジア=水の容器の意)。シーボルト先生 は愛した日本女性「おたかさん」にちなみ、“Otaksan” と種名としたと伝えられるが、図鑑いは残らなかった。(←蛇足ですが、男女のからみは、話題性あり・・閑話休題)
「彦星は 織女と 天地の別れし時ゆ・・・かくのみや 恋いつつあらむ さ丹塗りの 小舟もがも・・・ 玉手さし交え あまた夜も 寐ねてしかも 秋にあらずとも 」 (巻-8-1520) (意訳・恋する二人は、遠く天の川をへだてて、心のうちは苦しい・・、赤く塗った小舟でもあればナア~・・、川を渡って、腕を交わして、幾夜も寝ていたい・・ものだ。秋を待たなくても・・)
風雲は二つの岸に通えども我が愛し妻の言(こと)ぞ通わぬ(巻・8-1521)(訳・・風や雲は、川の両岸を自由に行き来するけども、我が愛する妻の便りは何一つ通ってこないョ~)
上記は、山上憶良の「長歌」および「返歌」であります。 憶良はこの時、大宰府に単身赴任中であります。天の川伝説を素材に、自己のなげきを詠じてみせる・・、憶良ならでは、であります。
ーー噺がまとまらず、万葉人お得意のそれぞれの恋歌がらみと言うことで・・天の川、了ーーー