山形のホリデイマタギ日記

山菜とキノコと魚を採って遊ぶ年寄りの冷や水日記

『拾う神』に感謝!

2023年10月13日 | キノコ採り

 気が気ではないマイタケの生育状況。と言うか、前回見置きしてきたマイタケが、誰からも採られずに残っているのか、そして、新たな発生はあるのか。やきもきしながら、ここ数日を過ごしてきた。

 そしてですね、ようやくマタギの休日がやってきました。

 仕事も休み。ボランティアもない。家の内外に懸案事項は多々あるものの、当面対応できることは全て済ませた。

 さあ、心置きなく山遊びですよ! と言いたいんだけど、ちょっと心配なのが、昨日いっぱい降り続いた雨。

 本日の降水確率は、日の出時刻まで20%という低い数字だから、心配ないのだが、昨夜までの雨が、川を増水させて、渡渉点を塞いでいたら、諦めるしかない。ここは、運を天に任せるしかない。その辺は、腹をくくって出発。本日もA氏が一緒だ。

 夜明け前に車止めに到着。身支度を整えて、歩き始めたのが5時半。まだ薄暗いが、見えないわけでもないから出発。派手に熊鈴を鳴らしながら暫く登山道を歩いていくうちに明るくなってきた。

 思っていた以上に明るく感じるのは、雨雲が切れて空が出てきたことと、木の葉の色が変わってきたせいだと思う。

       少しずつ色づき出しました

 約30分ほど歩いて渡渉点に到着。前々回、先行者がいたときは、心が逸って25分だったけど、やっぱり、このぐらいのペースだと、くたびれなくて丁度いい。

 問題の水量は、前回よりもちょっと多い程度。全く問題なしですね。

       神々が住む森の中へ

 さあ、いよいよです。マイタケ君、出てるかな?

 1本目の木は出ていません。今年はお休みなのかもしれません。

 2本目の木は、前回、前々回と収穫させていただいた木なので今シーズンは、もう終わりだと思っていたんですけど、

       あらら、出ていた

 前回は全く気付かなかった場所から出ていました。しかも、十分に成長した『サカリ』の状態です。

「この前、見逃していたのかな。」

「うん。ちょっと見つけづらい場所だからね。」

それにしても、思いがけない収獲でした。やっぱり、出ているかどうかは、実際に見てみないことには分からないんですね。

 さあ、さらに奥に進みます。

       ここは、野生動物の世界

 「ピストル鳴らさなくていいの?」

「ん。まあいいんじゃないかな。」

A氏は、クマを寄せ付けないために、百均でおもちゃのピストルを買ったらしいのだが、まだ使用したところを見ていない。それもそのはず。この3回のマイタケ採りで熊の気配が一度も感じられないのだ。普通だったら、ウンチが落ちていたり、藪をブルドーザーが通り抜けたような跡が残っていたりするのだが、今年は全然ない。

「クマは、みんな人里に降りてしまったのかなあ。」

「そうかもしれないね。」

なんて言ってるが、これは、お互いにとって、よくない話だ。要するに、クマが安定して暮らせる環境がなくなってきて、人とクマの生活環境が重なってしまい、お互いのリスクが高まってきているということ。つまり、本来であれば、ここにクマのウンチが落ちていることが健全な証拠なのだ。

 それはそれとして、次が本命の木だ。前回、『マメ』を見置きしてきた木。

       少しだけ出ていました

 残念ながら、前回見置きしてきた株は、3つとも、きれいになくなっていました。けれど、木の反対側の藪を中心に新たな株が3つ4つ出ています。株は小さいんだけど、傘の開き具合は、ほぼ『サカリ』なので戴くことにします。捨てる神あれば拾う神あり。神様は、我々のためにちゃんとお土産を準備してくれていました。

 さて、ここからA氏は、

「今年、出番の木があるから、それを見てくる。」

と言って尾根を登っていくことに。

 軟弱マタギは、そんなに登らなくてよい古木を調査することにしました。

       去年折れてしまったご神木

 残念ながら、マイタケはなし。でも、その周辺の倒木が凄い。これは、あと2~3年したら、キノコの名産地が出現しそうです。

 A氏と合流して帰路につきました。

       危険地帯を全て通過して

 のんびり歩いていると、

       おおっ、これは!

ナラタケではありませんか。このところの気温低下で、ようやく顔を出し始めたようです。

 そして、

       マイタケ見つけた!

これは、今まで何度も見てきたけれど、一度も発生が確認できなかった木。そのため、ここ2・3年は、全く点検もせずに通り過ぎていた木なんです。

 やっぱり、どの世界でも、思い込みだけで行動せずに、まっさらな気持ちで事に当たるべきなのでしょう。

 そうすると、自分の希望が叶わず見捨てられたと思っても、代わりに拾ってくれる神様に出会えるのかもしれないんですね。

 ということで、本日も楽しい山遊びをありがとうございました。

 山の神様、次回は、どんな顔で微笑んでくれるか、楽しみにしてますね。