昨晩のテレビ東京「 美の巨人たち 」は、ゴッホでした。 もう、ド・ド・ドストライク!! ゴッホファンにとって願ったり叶ったりの内容でした。テーマの絵画は「糸杉」、彼の中ではどちらかというとメジャーな方ではありませんが、輪郭線がなく、色彩だけをベタベタ塗り被せていく、彼独特の手法、ゴッホタッチが明確に表されている作品ですから、あえて、選ばれたのでしょう。番組内で、その手法にある美大出身の俳優さんがチャレンジしておりました。 自分も含めて、全ての芸術家の中でゴッホほど人間を魅了する画家はいないと感じます。何故なのでしょうかね~~ ゴッホは天才画家などではありません。ルノアールやピカソのように、天賦の才に恵まれ若くして才能を認められ、順調に画家として成功した人たちとは違います。社会に適応できなく、全ての職にそっぽを向かれ、万策尽きて絵を描き始めたどうしょうもない苦労人です。 はた目から見ると、普通の生活をわざと破り捨て、彼自ら苦労の渦中に身を投じているようにさえ思えます。 苦労とは~~ 精神病、彼が死ぬまで抱える狂気です。ゴッホは、その狂気から目をそらさず、直視し、(弟のテオに宛てた手紙から実によくうかがえます)向き合い、それを絵画という芸術表現に置き換えようと、最後までもがき苦しみました。その純粋な葛藤が、我々の心を感動させ、勇気づける絵画に仕立て上げたのだと思います。パリ郊外に、オベール・シュール・オワーズという小さな村があります。 ゴッホ終焉の地、静かできれいな村です。 パリに行かれたら、絶対に足を運んでいただきたい場所であります。