ひきた小児科クリニック(群馬県桐生市 疋田小児科医院)

小児科専門医が群馬県桐生市やみどり市で流行している病気や,予防接種,アレルギーなどこどもの健康に関する情報を提供します.

何となくインフルエンザに関する記事が続きますが

2009-08-23 10:43:51 | 新聞記事など
何となくインフルエンザに関する記事が続きますが

何となくインフルエンザに関する記事が続きますが、不安をあおるばかりではいけないので、別の見方をしてみます。

(新型インフル、5月当時と警戒態勢変わり 「どうしたら」戸惑い http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090823-00000040-san-soci)

 新型インフルエンザは当初は、強毒性を前提にしており、厳戒態勢を引いていましたが、この頃の恐ろしいという印象が未だ浸透し居てるようです。もちろん、強毒型でなくても恐ろしいのですが、恐れすぎても行けないという記事です。

 上記の記事によると「国は流行初期段階だった5~6月当時、感染が疑われる人に「病院に直接行くのではなく、発熱相談センター(保健所)に連絡を」と呼びかけていた。しかし、ウイルスの弱毒性を前提にした新対応方針が出された6月末以降は、「必ず受診しなければならないわけではない」「かかりつけ医がいる人は直接の問い合わせや受診も可能」とした。だが、一般への浸透はまだまだのようだ。」とのことです。

この弱毒と言うことを受けて「学級閉鎖基準も緩和されています。
学級閉鎖に関しては当初「1人でも感染者が出たら、地域全体の学校を閉鎖する」という対応策がとられたが、現在では大幅に緩和されている。追加の緩和指針を出した所もある。従来は感染者が2人以上いれば7日間の閉鎖としていたものを、症状がある人が10~15%に達した場合、当該クラスを4日間程度閉鎖することにした。」とのことです。あまり強力に制限しすぎると生活だ成り立たなくなってしまうのと、強力に制限するほど危険性が高くないと判断されたと言えます。

 ここに、様々な情報を書いていますが、恐れすぎずに、できる予防をして冷静に普通の生活を送るのがよいと思います。

ひきた小児科クリニック (群馬県桐生市 疋田小児科医院)
http://www014.upp.so-net.ne.jp/hikita/

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インフルエンザ脳症の後遺症に関する新聞記事がありました。

2009-08-23 09:50:47 | 新聞記事など
インフルエンザ脳症の後遺症に関する新聞記事がありました。

インフルエンザ脳症の後遺症に関する新聞記事がありました。(記事はコチラ <新型インフル>脳症対策を強化…小児科学会「早期受診を」http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090822-00000060-mai-soci)

記事によると「日本小児科学会は、新型インフルエンザで急性脳症の小児患者発生が続いているとして、「意識障害」などの疑わしい症状があれば医療機関で速やかに受診するよう国民に呼びかけを始めた。」そうです。

 記事によると「厚生労働省研究班代表によると、例年の患者は年間約100人で、約25%に脳性まひなどの後遺症が残る。死亡率は、10%弱だという。」とのことです。

 厚生労働省研究班代表の先生が間違えるわけはないので、記事にするときに新聞社の方が間違えたのだと思いますが、後遺症として「脳性まひ」をあげるのは、上げ足取りのような気もしますが絶対に間違えです。インフルエンザによる急性脳症で「脳性まひ」が無いとは言いませんが、この書き方では「脳性まひ」になる方が多いように思えてしまいます。
 この研究がどのような方法で行われたか分かりませんが、全国規模で行われているので結果自体は正しいと思います。ただ、急性脳症に関して死亡例は必ず数字に上がりますし、後遺症が残った症例数も数字に上がりますが、軽症例は数字に挙がらないため年間100例というのが正確かどうかわかりません。もし不正確だと死亡率10%弱というのも正確ではなくなってしまいます。
 ちなみに、100名で死亡率10%とすると、年間の死亡人数は10名と言うことになります。この数値を見ると交通事故よりまれであると考えられます。車に乗ったり道路を歩いていたりする方が危険であると言うことになります。少なくともインフルエンザより、チャイルドシートをしないことの方が余程危険です。

 この記事によれば「日本小児科学会が保護者らに注意を呼びかけているのは、発熱やせきなどのインフルエンザ症状に加え、脳症を疑う症状があれば医療機関で早く受診してほしいという点だ。」「 具体的には、呼びかけに答えないなどの意識レベルの低下(意識障害)▽けいれんが続いたり、けいれん後の意識障害▽意味不明の言動--などに気をつけてほしいとしている。」まあ、このようなことになれば大抵のお母様は救急車を呼ぶと思います。
また「一部の強い解熱剤は脳症を重症化させる要因になるとして、自宅の置き薬を勝手に服用したりせず、必ずかかりつけの医師に相談するよう求めた。」とのことです。実際に私は数年前に、小児に本来使うべきではない解熱剤がかかりつけで処方されていて、このために重症なインフルエンザ脳症となり死亡した症例を経験しています。当時は、「何でこんな危険な薬使うんだろうな」と驚きました。まあ、最近は処方されることはないと思いますが、注意は必要でしょう。

 厚生労働省研究班代表は「新型インフルエンザによる脳症患者の割合が季節性に比べ大きいかどうかは分からないが、流行規模によっては患者が数倍に増える可能性がある。」と話している。」そうです。

 あまり恐れすぎずに、できる防御と準備はするべきと言うことでしょうね。

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