寺泊出身店主、渾身の「追い煮干し中華」
JR長岡駅から西に3キロ、歩いて45分ほど。市のシンボルである長生橋を渡って大島通りを行き、大島交差点を越えた先にある「らぁ麺や 一晃亭」へ。ご主人の阿部公昭は海沿いの町・寺泊のご出身。ご両親が営む「どさん子 寺泊店」を2009年に引き継ぎ、その2年後、独立する形で「麺や 一晃亭」を開業した。
メニューも刷新し寺泊で人気を博していたが、2018年11月に屋号を「らぁ麺や 一晃亭」に改め、長岡市街に移転してきたのだ。店内はカウンターとテーブルが混在。コロナ対策でカウンターは座席ごとにプラスチック板で仕切られている。また、店舗横には数台分だが駐車場もあるので、車でのアプローチも楽である。
麺メニューは一晃亭を人気店に押し上げた看板メニュー「追い煮干し中華」と、背脂の浮いた燕系の醤油・味噌、挽肉が乗り太麺で啜る味噌ラーメンなどを提供。また、魅力的な限定麺も用意されている。今回は人気の「追い煮干し中華(720円)」に、こちらも寺泊時代から提供する「半わさびチャーシュー丼(160円)」を追加し注文した。
到着したのは茶色で薄濁りのスープに、麺と具材が美しく盛られた一杯だ。スープはウルメ煮干やイリコなどを主軸にした魚介出汁に、鶏や豚などの動物系を重ね、更に煮干油や煮干粉を加えて仕上げているようだ。煮干しの風味は鮮烈ながら、エグミは全くなくスッキリと奥深い味わいだ。醤油のカエシのコクも合わさり旨い。
そこに合わせるのは自家製の中太縮れ麺。麺肌はツルツルでコシもあり、スープとの相性も抜群だ。チャーシューは低温調理の豚肩ロースが1枚と、豚バラ肉が2枚。どちらもしっとりした仕上がりで良いお味。ほか、香り立つ海苔、歯触り良いメンマ、白髪ネギ、カイワレが乗り、丼淵には味変用の柚子胡椒も塗られている。
一方の「半わさびチャーシュー丼」は、香ばしく炙った甘めのチャーシューと香りの良いワサビ、胡麻、ネギ、ノリが乗ったもの。そのままでも十分に旨いが、ラーメンのスープを足しても美味である。さすが寺泊で育ったご主人。鰯を生かした一杯で、あっという間に完食した。次は珍しい魚介を使った限定麺も啜ってみたい。
<店舗データ>
【店名】 らぁ麺や 一晃亭(いっこうてい)
【住所】 新潟県長岡市大島本町5-113-27
【最寄】 上越新幹線「長岡駅」徒歩45分(3km)