ミシュラン掲載!新潟の鶏清湯の代表格
長岡駅から約3キロ、歩いて45分ほど。ショッピングモール「リバーサイド千秋」そばにある「麺の風 祥気」へ。長岡市内では宮内の「いち井」と人気を二分する実力店だ。両店ともミシュランガイド新潟2020で「ビブグルマン」、つまりミシュランの基準をクリアし、特にコストパフォーマンスの良い店というお墨付きを得ている。
長岡の町は信濃川を境に東西に分かれ、東には駅を中心に役所・銀行やアーケード街が、西には長岡インター中心に車中心の新市街が広がる。「麺の風 祥気」は西側の大型店舗や住宅が建ち並ぶエリアに建つ。車での訪問が楽だが、公共交通機関なら長岡駅前から越後交通バスに乗りセンタープラザ前で下車すると良い。
ご主人の横山元気氏は地元・長岡のご出身。押切駅近くにある燕背脂系の人気店「らーめん三昇」で修業し、2012年に「祥気」を創業した。修業元とは全く違う鶏清湯での勝負を選んだのは、当時、長岡界隈に鶏系の店が無かったからだそうだ。今回は日曜の昼前の訪問。11時のオープンを前に、既に店の前には20人ほどの列が。
ラーメンは「しおそば」を主軸に、正油味の中華そば、鶏塩担々そばを提供している。一方の「つけそば」は濃厚鶏絞り、濃厚魚介鶏骨、あっさり鶏、鶏担々と、コチラもバリエーション豊富だ。ご飯モノにはライスのほか肉めし、鶏めし、肉マヨ丼、鶏マヨ丼と4種の小丼も用意。また、自家製手作りジャンボ餃子も人気だそうだ。
今回は一番人気「しおそば」の特製(1100円)と、ジャンボ餃子3個入り(330円)を注文した。全席のオーダーが一気に集中するオープン直後の1回転目とあって、不慣れなフロアスタッフに厨房から発破がかかる。柔らかな雰囲気の「いち井」とは違い、緊張感と圧のある戦場の様な厨房。こちらまで肩の力が抜けない空気感だ。
まず到着したのは「自家製手作りジャンボ餃子」。確かに、一般的な餃子より2周りほどのサイズだ。餡に味がしっかり付いているので、店内のPOPには「まずは何もつけず、次に酢とコショウで食べ、辛さが欲しい方はラー油を」との説明が。豚肉と野菜の餡はジューシーで肉汁が溢れる。厚めの皮で底面をカリっと焼き上げていて旨い。
そしてお楽しみの「特製しお」の到着だ。スープは丸鶏にネックやモミジを使っているようで、70度程の低温でじっくり煮出した後、冷やして一晩寝かせているという。そこに、昆布や帆立の旨味が溶け込んだ塩ダレを重ね、香りの良い鶏油を浮かべた、黄金色に光る鶏清湯である。そこに加水率低めでコシのある中細麺が泳ぐ。
スープと麺だけでも十分に旨いが、丼には鶏モモ肉のチャーシューが3枚と柔らかな穂先メンマ、青菜、白髪ネギ、柚子皮が盛り付けされている。そして「特製」だと更に味玉と豚バラ肉、鶏モモ肉、日替りの特製肉の3種のチャーシューが別皿で提供される。この日の特製肉はレアな仕上がりのローストポーク。当然いずれも絶品だ。
鶏のコクと旨味が凝縮された一杯、最後は柚子皮の香りでサッパリと完食した。ラーメンも餃子も、味には全く文句はないが、スタッフのイラつきと後輩への強い言葉がカウンター席に漏れて来ていたのが唯一残念だった所。休日は昼過ぎでも30分待ちは当たり前の人気店だ。時間に余裕を持って訪れるのが良いだろう。
<店舗データ>
【店名】 麺の風 祥気
【住所】 新潟県長岡市寺島町729
【最寄】 上越新幹線「長岡駅」徒歩45分(3km)