銚子・まちの駅で名物「鯖ラーメン」を
JR銚子駅から河岸公園へと延びるシンボルロード沿いにある「銚子セレクト市場」へ。ぬれ煎や醤油、地元の海産物に野菜、弁当惣菜から土産物まで揃う「まちの駅」である。施設は銚子港周辺の網元倉庫を模した切妻造の平屋5棟。その一角に入居する飲食店「紀銚(きちょう)」では名産の鯖を使ったラーメンを啜ることが出来る。
店名の「紀銚」の由来だが、銚子には紀州=和歌山からの移民が定着し、港町の形成を担ってきた歴史がある。銚子に蔵の多い醤油も、その原形は鎌倉時代に紀州で生まれたという。17世紀には濱口儀兵衛が紀州から銚子に渡り「ヤマサ醤油」を創業。そんな縁深い紀州と銚子から一文字ずつ取り店名を「紀銚」としたそうだ。
店内はテーブル席のみで、先にキャッシャーで注文と会計を済ませ、番号札を持って待つシステムになっている。「鯖ラーメン」推しではあるが、ラーメン専門店ではないので、銚子港で水揚げされた鯖の味噌煮や昆布塩焼き、マグロを使った海鮮丼、銚子の醤油麹に一晩漬けて揚げたカツといった定食メニューも充実している。
鯖ラーメンは「あっさり醤油」と「ほんのり辛味噌」の2種あるが、今回は醤油でオーダー。プラス120円でドリンクバーが付くとのことでお願いした。5分ほどで札の番号が呼ばれ着丼。てっきりラーメンは単品と思っていたが、ライスと小鉢などが付いた定食だったのは嬉しい不意打ち。コイツは食べ出がありそうだ。
ラーメンのスープは、鯖節をベースに鰯や昆布の旨味と、生姜と鯖油の香りを加えたもの。醤油のカエシは甘めで、円い味に仕上げている。少し甘すぎる感もあるが、しっかり鯖の旨味を感じられる飲み口だ。そこに自家製の高加水中細麺を合わせている。柔らかすぎて引っ張り上げるのに難するが、スープとの相性は悪くない。
そして肉の代わりに、柔らかな鯖チャーシューが2つ。こちらも甘めのタレで味付けしてある。ラーメンのトッピングとしてだけでなく、白飯のお供としても旨い。長ネギは白い部分は笹切り、青い部分は輪切りと使い分けるこだわりよう。ほか、鯖の削り節、おでんのような味玉、メンマ、海苔、輪切りのレモンが乗る。
また、ラーメンの他に定食メニューとして千葉県産の白飯、焼き鯖と野菜の和物、マカロニサラダ、ヨーグルトが付いてくる。白飯、うまいなぁ。これにドリンクバーが付いて1000円なら、観光地でなくともお得な方だろう。個人的には、醤油味のラーメンは少し甘味が強かったので、次は辛味噌と鯖の相性も試してみたいところだ。
<店舗データ>
【店名】 お食事処 紀銚(きちょう)
【住所】 千葉県銚子市双葉町3-6
【最寄】 JR総武本線「銚子駅」徒歩4分