個人資産百万ドル(今の為替レートなら8,100万円ほど)以上の人がどこに、どれくらいいるのか・・・こうした調査を行ったのは当然金融機関で、クレディ・スイス。その調査研究所(l’Institut de recherche de Crédit Suisse)が「世界の富レポート2010」(le Rapport 2010 sur la richesse mondiale)を発表しました。それによると、フランスは世界で3番目に百万長者が多い国だ! と喜んでいたのは、10月11日の『ル・モンド』(電子版)です。
フランスには220万人の百万長者がいる。ということは、国民30人に一人が百万ドル長者! この220万人という人数は世界中の百万長者の9%に当たるそうで、逆算すると世界中でおよそ2,440万人の百万ドル長者がいることになります。最も多い国は、当然アメリカで、994万人。世界中の百万長者の41%がアメリカ人ということだそうです。そして、2位は、日本! 10%と言っていますから、244万人もいることになります。国民50人に一人が、100万ドル以上の資産家! 世帯収入が下がっている、失業率が5%を超えている、非正規雇用が多いなどと言われながらも、あるところには、あるものですね。
2,440万人の百万ドル長者の国籍、他の主要国では、イタリアに6%、イギリスに5%、ドイツに5%、カナダには4%、そして中国に3%。世界の成人が保有する個人資産は、2000年からの10年間で、72%も増え、今後もさらに増え続けることが予想されています。2015年には2010年比で61%もアップするという予想になっています。
しかし、問題はやはり富の偏在。2,440万人という百万ドル長者は、世界人口の0.5%に満たない。しかしこの人たちが、世界の富の35.6%を保有している。逆に個人資産1万ドル(約81万円)以下しか持たない層は、30億3,000万人にのぼり、世界人口の68.4%。この人たち全てを合わせても世界の富の4.2%にしかならない・・・
国民一人当たりの平均資産で見ると、最も多いのはスイス、続いてノルウェー、オーストラリア、シンガポール、そして5位にフランス。アメリカは7位だそうです。やはり、スイス、北欧、オセアニア、シンガポールといった国々が、国力としてではなく、国民一人一人の豊かを充実させているようです。多くの国民が豊かに暮らせる場所なのでしょうね。「豊かさ」を示すいろいろな調査、データで、これらの国々が必ずと言っていいほど上位を占めています。それだけ、国民と政治がしっかりとした国づくりをしているのでしょう。その中で5位のフランスも、評価されてしかるべきですね。
一方、国ごとに個人資産の総計を出して見ると、最も多いのは言うまでもなくアメリカで、続いて日本、中国の順だそうです。中国はなにしろ人口が多いですから、国全体にすれば、大きな数字になりますね。GDPにしても日本を抜くと言われていますが、一人当たりにすれば、まだ日本の10分の1。しかし、国力を示す数字となると、統計上もやはり「数は力」なのでしょう。しかも、毎年二桁の経済成長を続ければ、国民所得も増え続ける。従って、2015年までに中国の個人資産の総計は日本を超えると予想されています。ますます驕りが出てくるのでしょうか。『世界の日本人ジョーク集』に次のような一節があります。
「世界最弱の軍隊とは?
中国人の将軍
日本人の参謀
イタリア人の兵」
たぶん、理由は・・・ふんぞり返り、威張り散らすだけの中国人将軍、額に汗することと上司へのごますりはうまいが、戦略の立てられない日本人参謀、額に汗することが大嫌いで、戦う前にすぐ逃げ出すイタリア人兵士・・・これでは弱いはず。世界はよく見ているものですね。
因みに、「世界最強の軍隊とは?
アメリカ人の将軍
ドイツ人の参謀
日本人の兵」
適材適所ということなのでしょうが、額に汗して、自らの任務を100%こなす。いや、それどころか創意工夫で120%、150%の達成度にすることができる日本人の特長、自ら喪失しては残念ですよね。良いところは残し、直すべきと自ら思うところは修正していきたいものですね。きれい事と言われるかもしれませんが、そう思います。
さて、個人資産合計の多い国ランキングでは、中国の次、4位がフランス、続いてイギリス、ドイツで、ヨーロッパではフランスが最も豊かだと、『ル・モンド』は最後にもう一度、小さく自慢しています。
一方、百万ドル長者なんて、小さい、小さい。調べるなら、億万ドル長者を調べよ。というわけで、翌12日の『ル・モンド』(電子版)は、女性の億万ドル長者について報じています。
世界の女性資産家トップ20の半分以上、11人が中国人女性だ! しかもトップ3はすべて中国人! 最も裕福な女性資産家は、紙のリサイクルで財をなしたZhang Yinさん、53歳。56億ドル(約4,500億円)の個人資産を持っているそうです。2位は不動産業を営むWu Yajunさんで、41億ドル(約3,300億円)。3位が港湾・エネルギーなどのコングロマリットを統率する69歳のChen Lihuaさんで、40億ドル(約3,240億円)。そして、4位に初めて中国人以外の女性が登場します。おなじみのファッション・ブランド“Zara”の経営者、スペイン人のRosalia Meraさんです。
では、どうして中国に裕福な女性資産家が多いのでしょうか。『ル・モンド』曰くは、一つには、中国では昔から女性が働くのが当たり前だったこと。早くから女性の社会進出がなされていたということなのでしょうね。もう一つの理由は、祖父母が孫の世話をよくすることが多く、一人っ子政策も相俟って、女性の自由になる時間、自分の仕事に集中できる時間が多いこと、だそうです。
中国駐在時、確かに女性がよく働いていました。残業も厭わず、しかも優秀な女性社員も多くいました。ただ、男性の協力もあるようです。例えば、中国で女性が一番強いと言われる上海では、結婚前に「男性」が料理学校に通う。花嫁修業ならぬ、花婿修業。夫婦共働きは当たり前で、早く帰宅したほうが料理をするそうです。
女性が働くという伝統、子育てへの親の協力、家事では夫の協力・・・こうした環境があるからでしょう、トップ20に入っている中国人女性資産家、親からの遺産相続ではなく、自らの才覚と努力で、一代で財をなしたそうです。日本も見習いたいですね。夫の協力、まずは料理学校にでも通いますか・・・でも、今からでは、老後、先立たれた場合に備えてだろう、と言われてしまいそうです。
フランスには220万人の百万長者がいる。ということは、国民30人に一人が百万ドル長者! この220万人という人数は世界中の百万長者の9%に当たるそうで、逆算すると世界中でおよそ2,440万人の百万ドル長者がいることになります。最も多い国は、当然アメリカで、994万人。世界中の百万長者の41%がアメリカ人ということだそうです。そして、2位は、日本! 10%と言っていますから、244万人もいることになります。国民50人に一人が、100万ドル以上の資産家! 世帯収入が下がっている、失業率が5%を超えている、非正規雇用が多いなどと言われながらも、あるところには、あるものですね。
2,440万人の百万ドル長者の国籍、他の主要国では、イタリアに6%、イギリスに5%、ドイツに5%、カナダには4%、そして中国に3%。世界の成人が保有する個人資産は、2000年からの10年間で、72%も増え、今後もさらに増え続けることが予想されています。2015年には2010年比で61%もアップするという予想になっています。
しかし、問題はやはり富の偏在。2,440万人という百万ドル長者は、世界人口の0.5%に満たない。しかしこの人たちが、世界の富の35.6%を保有している。逆に個人資産1万ドル(約81万円)以下しか持たない層は、30億3,000万人にのぼり、世界人口の68.4%。この人たち全てを合わせても世界の富の4.2%にしかならない・・・
国民一人当たりの平均資産で見ると、最も多いのはスイス、続いてノルウェー、オーストラリア、シンガポール、そして5位にフランス。アメリカは7位だそうです。やはり、スイス、北欧、オセアニア、シンガポールといった国々が、国力としてではなく、国民一人一人の豊かを充実させているようです。多くの国民が豊かに暮らせる場所なのでしょうね。「豊かさ」を示すいろいろな調査、データで、これらの国々が必ずと言っていいほど上位を占めています。それだけ、国民と政治がしっかりとした国づくりをしているのでしょう。その中で5位のフランスも、評価されてしかるべきですね。
一方、国ごとに個人資産の総計を出して見ると、最も多いのは言うまでもなくアメリカで、続いて日本、中国の順だそうです。中国はなにしろ人口が多いですから、国全体にすれば、大きな数字になりますね。GDPにしても日本を抜くと言われていますが、一人当たりにすれば、まだ日本の10分の1。しかし、国力を示す数字となると、統計上もやはり「数は力」なのでしょう。しかも、毎年二桁の経済成長を続ければ、国民所得も増え続ける。従って、2015年までに中国の個人資産の総計は日本を超えると予想されています。ますます驕りが出てくるのでしょうか。『世界の日本人ジョーク集』に次のような一節があります。
「世界最弱の軍隊とは?
中国人の将軍
日本人の参謀
イタリア人の兵」
たぶん、理由は・・・ふんぞり返り、威張り散らすだけの中国人将軍、額に汗することと上司へのごますりはうまいが、戦略の立てられない日本人参謀、額に汗することが大嫌いで、戦う前にすぐ逃げ出すイタリア人兵士・・・これでは弱いはず。世界はよく見ているものですね。
因みに、「世界最強の軍隊とは?
アメリカ人の将軍
ドイツ人の参謀
日本人の兵」
適材適所ということなのでしょうが、額に汗して、自らの任務を100%こなす。いや、それどころか創意工夫で120%、150%の達成度にすることができる日本人の特長、自ら喪失しては残念ですよね。良いところは残し、直すべきと自ら思うところは修正していきたいものですね。きれい事と言われるかもしれませんが、そう思います。
さて、個人資産合計の多い国ランキングでは、中国の次、4位がフランス、続いてイギリス、ドイツで、ヨーロッパではフランスが最も豊かだと、『ル・モンド』は最後にもう一度、小さく自慢しています。
一方、百万ドル長者なんて、小さい、小さい。調べるなら、億万ドル長者を調べよ。というわけで、翌12日の『ル・モンド』(電子版)は、女性の億万ドル長者について報じています。
世界の女性資産家トップ20の半分以上、11人が中国人女性だ! しかもトップ3はすべて中国人! 最も裕福な女性資産家は、紙のリサイクルで財をなしたZhang Yinさん、53歳。56億ドル(約4,500億円)の個人資産を持っているそうです。2位は不動産業を営むWu Yajunさんで、41億ドル(約3,300億円)。3位が港湾・エネルギーなどのコングロマリットを統率する69歳のChen Lihuaさんで、40億ドル(約3,240億円)。そして、4位に初めて中国人以外の女性が登場します。おなじみのファッション・ブランド“Zara”の経営者、スペイン人のRosalia Meraさんです。
では、どうして中国に裕福な女性資産家が多いのでしょうか。『ル・モンド』曰くは、一つには、中国では昔から女性が働くのが当たり前だったこと。早くから女性の社会進出がなされていたということなのでしょうね。もう一つの理由は、祖父母が孫の世話をよくすることが多く、一人っ子政策も相俟って、女性の自由になる時間、自分の仕事に集中できる時間が多いこと、だそうです。
中国駐在時、確かに女性がよく働いていました。残業も厭わず、しかも優秀な女性社員も多くいました。ただ、男性の協力もあるようです。例えば、中国で女性が一番強いと言われる上海では、結婚前に「男性」が料理学校に通う。花嫁修業ならぬ、花婿修業。夫婦共働きは当たり前で、早く帰宅したほうが料理をするそうです。
女性が働くという伝統、子育てへの親の協力、家事では夫の協力・・・こうした環境があるからでしょう、トップ20に入っている中国人女性資産家、親からの遺産相続ではなく、自らの才覚と努力で、一代で財をなしたそうです。日本も見習いたいですね。夫の協力、まずは料理学校にでも通いますか・・・でも、今からでは、老後、先立たれた場合に備えてだろう、と言われてしまいそうです。