ふりかえれば、フランス。

かつて住んでいたフランス。日本とは似ても似つかぬ国ですが、この国を鏡に日本を見ると、あら不思議、いろいろと見えてきます。

ドパルデュー、DSKを演じる!

2012-03-19 20:43:27 | 文化
一足早い春休みでした。といっても、管理組合の設立総会やら、いろいろとスケジュールは入っており、ゆっくりできたわけではないのですが、ブログはちょっとの間、休ませていただきました。

早熟少女のショックから覚め、気分一新、リフレッシュされましたかどうか・・・心許ないばかりなのですが、再開の一歩は政界と映画のコラボ。あの名優、ドパルデューが、あのドミニク・ストロス=カンを演じることになる、という話題です。伝えているのは、14日の『ル・モンド』(電子版)です。

3月11日、パリ郊外、ヴィルパント(Villepinte)で行われたニコラ・サルコジの集会にジェラール・ドパルデュー(Gérard Depardieu)の姿があった。サルコジ大統領が声をひときわ張り上げると、賛意を示すべく、親指を立てていた。アステリックス(Astérix)を演じたクリスチャン・クラヴィエ(Christian Clavier)と、その近くにいる堂々たるオベリックス(Obélix:アステリックス・シリーズの実写版でドパルデューはアステリックスの無二の親友、オベリックス役を演じています)は、もはやアーティストがあまり集まらなくなったガリアの村(アステリックスの舞台)の最後の抵抗者のようだ。

14日、今度はジュネーブで、ドパルデューは上演の後、ラジオ・テレビ・スイス(Radio télévision suisse)とのインタビューに応じたが、フランスの中央官庁もかくやと思わせる大理石と金箔でできたサロンが会場で、大勢の記者が集まった。ジャーナリストのダリユス・ロシュバン(Darius Rochebin:スイスのフランス語テレビ局・Télévision suisse romandeで“Pardonnez-moi”という有名なインタビュー番組を持っています)がドパルデューに関する噂について質問した。その噂とは、6月に撮影が始まるといわれているアメリカ人監督、アベル・フェッラーラ(Abel Ferrara:ジュリエット・ビノシュが出演した“Mary”という2005年の作品では、ヴェネツィア国際映画祭審査員特別賞を受賞しています)の次回作に、ドパルデューがDSK役で出演する、というものだ。

ドパルデューはあっさりと認めて、「彼のことは好きではないのだが、だからこそその役を演じることにした」と語った。DSKのことは、傲慢で、思い上がった人物だが、だからこそ演じがいがあると評している。嫌いな人間を演じることは、刺激的な挑戦であるかのようだ。ドパルデューにとって、「DSKはある意味、フランス人の典型だ。ちょっと、傲慢で。そう、フランス人をそれほど好きではないのだ、特に彼のような人物は」と述べた。

また、気に入らないのは彼の行動のモラル面というよりは、彼の性格が垣間見えるその物腰なのだそうで、「彼を支持できないのは、そのモラル面ではなく、彼の存在自体、例えばその歩き方、手をポケットに入れて歩く姿なのだ。誰だって、恥知らずなことを思い浮かべたりできるものだが、しかし彼の場合は・・・。しかも、IMF(仏語では、FMI)やその他の大きな国際機関のトップたちが巨大な権力と巨万の富を持っていることは良く知られている。ラカン(Jacques-Marie-Emile Lacan:1901-81。フランスの精神分析医、哲学者。パリ・フロイト派のリーダー)はそうした人たちを飼いならすべく指導役を与えたのだが、しかし・・・」

DSKを受け入れることはできないのだろうか。手錠を掛けられた姿を世界中に晒すという屈辱でもダメなのだろうか。ノンだ。「いずれにせよ、威厳のない人間から感銘を受けたことは一度もない、決して」と、ドパルデューの答えはにべもなかった。

1カ月前、アベル・フェッラーラは、パリにやってきた際、『ル・モンド』とのインタビューで、「次回作は富と権力を手にした人々を描くものとなる。撮影は、パリ、ワシントン、ニューヨーク、つまり権力の中枢で行う」と語っていた。そのシナリオは報道とフェッラーラが独自のルートで入手した情報を基にすでに書かれているが、あくまでフィクション作品だ。そして、その作品にはもう一人のフランス人スターが加わる。イザベル・アジャーニ(Isabelle Adjani)がドゥパルデューの共演者として、アン・サンクレール(Anne Sinclair:DSK夫人で、テレビ・キャスター)の役を演じるのではないかと言われているのだ。フェッラーラ自身、『ル・モンド』に対し、「次回作のテーマは、政治とドパルデューとアジャーニのセックスだ。彼ら二人の映画となると言えるだろう」と語っていた。

・・・ということで、世界中で大きな話題となった、いわゆるDSK事件が、ドパルデューとアジャーニというすごい顔合わせで映画化されるようです。今から公開が待たれますが、この二人のセックスが大きなテーマのひとつ・・・どんな映像になるのでしょうか。

しかし、ドパルデューはフランス人なのに、フランス人嫌い(francophobe)なんだそうです。嫌いなところはどこかと言えば、その傲慢なところ。傲慢なフランス人・・・

 調査会社Mandala Research LLCが実施した観光客の評判に関するアンケート調査によると、日本人が「世界でもっとも歓迎される観光客」に選ばれた。中国国際放送局が報じた。
 調査会社Mandala Research LLCがクーポン共同購入サイト「リビングソーシャル(Living Social)」を通じてオンライン調査を実施した。日本人が「世界でもっとも歓迎される観光客」に選ばれた理由は、「マナーやエチケットをよく守り、礼儀正しく、物静かでつつましく、クレームや不平が少ない」などが挙げられた。
 一方、フランス人は「気が小さく、無礼、外国語が話せない」などの理由から、「最悪の観光客」に選ばれた
(3月6日:サーチナ)

傲慢で、無礼なフランス人。しかも、フランス語しか、話さない・・・これでは、世界の嫌われ者と言われても、仕方がないですね。「フランスは好きだが、フランス人は嫌いだ」とか、「フランス人がいなければ、フランスはもっといい国になるのに」といった声も、よく聞きます。しかし、だからこそ、フランスとフランス人は、おもしろい・・・と思ってしまうのは、へそ曲がりだからでしょうか。「肝胆相照らす」となるか、「同病相哀れむ」となるか、さて。

1 コメント

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Unknown (julian)
2012-03-27 05:28:34
アメリカの機密を知ってしまい貶められたDSK>飛行機の通路でションベンしたドパルデュー
何をこいつは偉そうなことをほざいているのか。
ところで、サルコジの選挙参謀がNYでDSKが逮捕された10分後に事実を知った謎はどうなったんでしょうねぇ?
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