ふりかえれば、フランス。

かつて住んでいたフランス。日本とは似ても似つかぬ国ですが、この国を鏡に日本を見ると、あら不思議、いろいろと見えてきます。

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“L’hypersexualisation des jeunes filles”・・・少女たちの性的早熟は何の影響か?

2012-03-08 21:50:27 | 社会
例によって、『世界の日本人ジョーク集』からの一節。

 会社からいつもより少し早めに帰宅すると、裸の妻が見知らぬ男とベッドの上で抱き合っていた。こんな場合、各国の人々はいったいどうするだろうか?
 アメリカ人は、男を射殺した。
 ドイツ人は、男にしかるべき法的措置をとらせてもらうと言った。
 フランス人は、自分も服を脱ぎ始めた。
 日本人? 彼は、正式に紹介されるまで名刺を手にして待っていた。

日本人はともかく、フランス人は3Pも厭わぬ好き者、と見られているようなのですが、そのフランス人にして、最近の少女たちの性的早熟ぶりはちょっと度を越しているのではないか、という意見が出ているようです。

どのような分野にそうした状況が見て取れるのか、その背景は、そして社会はどう対応すべきなのか・・・6日の『ル・モンド』(電子版)が伝えています。

UMP(国民運動連合)所属の上院議員、シャンタル・ジュアノ(Chantal Jouanno:元環境担当相、元スポーツ相、2011年9月からパリ選出の上院議員、女性の空手家で多くの国内タイトルを獲得しています)は5日、“L’hypersexualisation des jeunes filles”(少女たちの性的早熟)に関するレポートを公開した。このレポートに関し、二人の社会学者が分析を行った。リシャール・プーラン(Richard Poulin)はポルノの影響を指摘し、フレデリック・モネロン(Frédéric Monneyron)はモードの世界に早熟さを見ている。2人の社会学者はジュアノ・レポートに関してもそれぞれ見解を述べているが、そのジュアノ・レポートは、子ども憲章の採用、子どもを性的に表現する映像の販売禁止、外見だけで評価する子ども対象のミスコンテスト(les concours de mini-miss)の廃止を訴えている。

リシャール・プーランはオタワ大学(カナダ)の社会学教授で、“Sexualisation précoce et pornographie”(性的早熟とポルノ)という本を2009年に出版している。

・“L’hypersexualisation”は新しい風潮なのか、それとも従前からあったものなのか?

・むしろ最近の傾向だと言える。1970年代にはフェミニスト運動の隆盛やユニセックス・ファッションの普及など、男女平等についての新しい風が吹いていたが、今や退潮の時代にいる。女性も少女たちも、好かれるためには女性的でなければならないと思い込んでいるからだ。1990年代に誕生したこうしたカラダに関する新たな基準は、ポルノ産業の影響について考えさせることになる。私は最近の少女たち、つまりポルノの氾濫した時代に生まれ育った世代に対して危機感を抱いている。彼女たちにとってポルノが性教育の主な教材となっている。カナダでの研究によれば、ポルノとの接触は13歳頃から始まるという。将来、その影響は大きなものになるのではないか。

・どうしてポルノと性的早熟が結びつくのか?

・ポルノは非常に女性化した少女たちの映像をこれでもかと投げかけてくるが、その影響は社会の深い所にまで達している。その影響は、欲望、妄想に留まらず、性交渉にまで及んでいる。今や、少女たちはいっそう「女性」になり、同時に大人の女性たちは子どもっぽくなっている。一般的に、女性は美しくあるためには若々しくなければならないと思うようになっている。こうした新しい風潮は女性たちの内面に影響を及ぼしている。例えば、少女たちの間では脱毛が一般化している。オタワでは、87%の女子学生が脱毛を行っている。こうした風潮は何もカナダに限った事ではない。雑誌“20 ans”のある号が脱毛を特集しているのを見て驚いた記憶があるが、この雑誌は1994年以降、すべてのむだ毛の処理を紹介している。さらに驚くべきは、“nymphoplastie”手術の再流行、つまり、女性器を若返らせるための外陰唇の整形手術が増えていることだ。今日、カナダでは、美容整形手術のほぼ10%がこの“nymphoplastie”手術だ。

・ジュアノ・レポートの提案をどう思うか?

・法律で規制するのはいいことだと思うが、レポートは性的な早熟の現状にしか言及しておらず、その原因を語っていない。性教育の改善など、カナダですでに提出されているのと同じようなジュアノ提案には全面的に賛成だが、最も大切なことは、ポルノと取り組む事だと思う。だが、その点には触れていない。そこには触れないようにしているようだ。なぜなら、多くの人にとって、ポルノは表現の自由と同化しているからだ。1990年代のポルノの一大普及は新自由主義的価値(la valeur néolibérale)の勝利と時を同じくしている。それ以降、ポルノを規制することなど問題外となってしまった。

フレデリック・モネロンは、モードと性的特徴に関する専門家で、ファッション専門学校“l’école Mod’Art International de Paris”で社会学を教えている。

・少女たちの性的早熟は、モードの世界での風潮か?

・オートクチュールやモードの世界では、特に新しいことではない。ロリータが登場したのは10年前だ。ファッション・モデルの年齢を見れば、さらに明らかだ。10年前、カーラ・ブルーニ(Carla Bruni:ご存知サルコジ夫人で、元トップ・モデルですね)の世代では、モデルたちは20代で活躍した。それが今日では、14~15歳の少女たちがステージ上でキャット・ウォークをしている。こうした状況に政治家たちが気付くのに10年もかかったということの方が、滑稽だ。

・ジュアノ・レポートの提案をどう思うか?

・いくつかの分野、例えば性的な少女の映像を販売することを禁じることなどは効果があると思う。メディアや広告の影響を考えれば、子どもらしさを侵害するような映像を放送することを止めさせることは良いことだ。しかし、子どものミスコンテストの禁止については賛成しかねる。ごく一部の子どもたちが対象であり、影響は瑣末なものだからだ。

・こうした風潮は今後も続くと思うか?

・もう慣れっこになっている。今後もモードの世界では続くだろう。しかし、ファッションの世界は、成り行きまかせで、絶えず変化しており、常に新しい美を追い求めている。新しい美は時に伝統的な物差しとはかけ離れてしまう。例えば10年前、ファッション誌“The face”は身障者を登場させて物議をかもした。デザイナーたちはつねに新しいものを、衝撃のあるものを、ショックを与えるものを追い求めているが、そのイメージは性的に早熟なものというわけではない。社会と同じ程度だ。

・・・ということで、少女たちは一日も早く大人の女性になりたい。一方、大人の女性たちはいつまでも若々しくありたい。そのために、少女たちは化粧どころか脱毛もし、大人の女性は見えるところ、見えないところ、できるところはすべて美容整形で若返らせる。しかも、ビジネスの世界が、大人びた少女、いつまでも若い女性を、利用しようとする。

なにも、カナダだけのことではなく、もちろん、フランスだけのことでもありません。我らが日本社会にも、背伸びをした少女、大人びた少女がいる一方で、「魔女」と言われる若々しい女性たちがいて、それぞれにスポットを浴びています。共通しているのは、「女性」を売りにしていること。決して悪いことだとは言いません。But、女性解放、男女同権を勝ち取ってきた先人たちはどう思うでしょうか。これも時の流れ、仕方のないことなのでしょうか。時代は繰り返す。決して一本調子ではなく、行きつ戻りつ、進んでいく。今は、ただ、一時的に逆戻りしている時期であって、また再び時計の針は進みだすだろう。そう、考えるべきなのでしょうか。それとも、船の針路は異なる方向へ向いてしまったと考えるべきなのでしょうか。さて・・・
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