バブルの頃、日本人でもアメリカに不動産を購入した人や、パリのアパルトマンを手に入れた人たちがいました。今はどうしているのでしょう。まだ持っているのでしょうか、うまいタイミングで売り抜けたのでしょうか・・・時は過ぎ、今やオーストラリアや中国などの個人、企業が日本の不動産を買い漁っています。北海道など、国家安全保障上の問題になるのではないかというくらいに買われてしまっています。水源を買い占められた自治体が高い値で買い戻さざるを得ない状況も生まれています。♫ まわるまわるよ 時代はまわる 喜び悲しみくり返し・・・『時代』のメロディが浮かんできてしまいます。
外国不動産の購入。国際化した今日の富裕層にとっては、当たり前のことになっているようです。大西洋をはさんで、アメリカの金持ちがヨーロッパの不動産を購入し、逆にヨーロッパの富裕層がアメリカに不動産を持つ。そうした実態を23日の『ル・モンド』(電子版)が伝えています。
社会学者のモニク・パンソン=シャルロ、ミシェル・パンソン夫婦(Monique et Michel Pinçon-Charlot)がその共著“Le Ghetto du gotha ___Comment la bourgeoisie défend ses espaces”(名士のゲットー・・・ブルジョワはいかにその生活圏を守るのか)で紹介しているように、国境を越えた富裕層の姿をマンハッタンに見ることができる。ニューヨークは、ロンドン、パリ、ジュネーブなどとともに世界の富裕層にとって不動産購入先として人気のある都市になっている。もちろん、その不動産は、3軒分の広さがあったり、建物の屋根全てがテラスになっているような、庶民からは溜息しか出ないような物件だ・・・モニク・パンソン=シャルロ、ミシェル・パンソン夫妻は、パリの歩き方ガイドとも言える『パリの万華鏡』で日本でも知られていますね。
200万ユーロ(約2億2,000万円)以上の高級物件が今、爆発的に売買されており、供給が限られているため、ここ数カ月、いっそう高騰している。パリの不動産会社“Barnes”(バルヌ社)によると、不動産取引は国際化しており、アパルトマンの購入希望者はレマン湖畔の物件(ジュネーブ)、シャン・ド・マルスの物件(パリ)、セントラル・パークの物件(ニューヨーク)というように、国にこだわらず比較検討している。そこで、バルヌ社もアメリカの物件をフランスの富裕層に斡旋し始めた。今年だけでも、ニューヨーク15軒、マイアミ20軒の契約を成立させている。アメリカに不動産を探すフランス人がいれば、その逆にフランスの不動産を求めるアメリカ人がいる。バルヌ社では、パリ、ドーヴィル、ビアリッツ、プロヴァンス、コート・ダジュールなどの物件をアメリカ人に紹介している・・・ガーシュウィンの交響詩『パリのアメリカ人』やヴィンセント・ミネリ監督の『巴里のアメリカ人』というミュージカル映画があるように、ヨーロッパ、特にパリに憧れを抱くアメリカ人は多いようです。作家でも、ヘミングウェイとF・スコット・フィッツジェラルドなどが有名ですね。
フランスの不動産をアメリカ人が買い、逆にアメリカの物件をフランス人が買う。その結果、大西洋をはさんで不動産価格がほぼ均一になってきた。1㎡あたり15,000~20,000ユーロ(約165万~220万円)がパリ、ニューヨークの高級物件の相場で、ロンドンの相場はさらに20%ほど高くなっている。リーマン・ショックの後、12~16%も下げた不動産価格が、今年の第3四半期になっても2%しか上昇していないため、対ドルでのユーロ高も相俟って、フランス人にとっては今が買い時になっている。
例えば、マンハッタンの最南端、自由の女神像、ハドソン・リバー、バッテリー・パークが見下ろせる、息をのむ眺望の250㎡の物件が330万ユーロ(約3億6,300万円)。富裕層にとっては、わずか330万ユーロであり、ちょっとしたプレゼント程度でしかない。同じ建物内にある55㎡のステュディオ・タイプのものは、502,000ユーロ(約5,500万円)。
物件自体はお買い得だが、たまにしか滞在しないフランス人にとって高いと思われるのが毎月の管理費だ。市、州、国に納める税金が1,052ユーロ。それ以外にコンシエルジュ、プール、応接間、フィットネス・センターなどの共益費があり、毎月4,500ユーロ(約50万円)の管理費が必要だ・・・3億円以上の購入費がプレゼント程度でしかないなら、50万円なんか塵か埃ではないかと思うのですが、金持ちほど吝嗇とも言いますから。住んでもいないのに50万円も払うのは馬鹿らしいと思うフランス人が多いのかもしれません。何しろ、しっかりしていますからね。
購入手続きに関しては、公証人が素早く対応してくれるフランス、弁護士が時間をかけて処理するアメリカ、しかもそれぞれに費用が大きく異なるなど、違いがあるが、ローンで購入するなら、利息がフランスでは3.5%で、アメリカの7%より低利であり、管理費もフランスの方が十分の一で済む。フランスの物件を購入するアメリカ人が増えるのではないか・・・
ということで、欧米の富裕層は、大西洋をまたいで不動産の購入を進めている。しかも、金に糸目を付けず・・・慈善団体の炊き出しや生活必需品配布に多くの貧困者が列をなすという現実がある一方で、数億円の不動産物件を年に数度行くためだけに簡単に購入する層がいる。二極分化。その格差は広がる一方です。どこまで広がるのでしょうか。どこかで、不満が爆発することはないのでしょうか。「パンがないなら、お菓子を食べればよい」・・マリー・アントワネットの言葉ではないということは定説となっていますが、そんな気持ちが富裕層の間に垣間見えるようになると、どうなるでしょうか。蜂起になるでしょうか。なるとして、21世紀、その形は? しかも、3世紀、中国・西普の恵帝は「米がないのならどうして肉を食べないのか」と本当に言ったとか。格差の伝統は欧米だけの話ではないようです。
外国不動産の購入。国際化した今日の富裕層にとっては、当たり前のことになっているようです。大西洋をはさんで、アメリカの金持ちがヨーロッパの不動産を購入し、逆にヨーロッパの富裕層がアメリカに不動産を持つ。そうした実態を23日の『ル・モンド』(電子版)が伝えています。
社会学者のモニク・パンソン=シャルロ、ミシェル・パンソン夫婦(Monique et Michel Pinçon-Charlot)がその共著“Le Ghetto du gotha ___Comment la bourgeoisie défend ses espaces”(名士のゲットー・・・ブルジョワはいかにその生活圏を守るのか)で紹介しているように、国境を越えた富裕層の姿をマンハッタンに見ることができる。ニューヨークは、ロンドン、パリ、ジュネーブなどとともに世界の富裕層にとって不動産購入先として人気のある都市になっている。もちろん、その不動産は、3軒分の広さがあったり、建物の屋根全てがテラスになっているような、庶民からは溜息しか出ないような物件だ・・・モニク・パンソン=シャルロ、ミシェル・パンソン夫妻は、パリの歩き方ガイドとも言える『パリの万華鏡』で日本でも知られていますね。
200万ユーロ(約2億2,000万円)以上の高級物件が今、爆発的に売買されており、供給が限られているため、ここ数カ月、いっそう高騰している。パリの不動産会社“Barnes”(バルヌ社)によると、不動産取引は国際化しており、アパルトマンの購入希望者はレマン湖畔の物件(ジュネーブ)、シャン・ド・マルスの物件(パリ)、セントラル・パークの物件(ニューヨーク)というように、国にこだわらず比較検討している。そこで、バルヌ社もアメリカの物件をフランスの富裕層に斡旋し始めた。今年だけでも、ニューヨーク15軒、マイアミ20軒の契約を成立させている。アメリカに不動産を探すフランス人がいれば、その逆にフランスの不動産を求めるアメリカ人がいる。バルヌ社では、パリ、ドーヴィル、ビアリッツ、プロヴァンス、コート・ダジュールなどの物件をアメリカ人に紹介している・・・ガーシュウィンの交響詩『パリのアメリカ人』やヴィンセント・ミネリ監督の『巴里のアメリカ人』というミュージカル映画があるように、ヨーロッパ、特にパリに憧れを抱くアメリカ人は多いようです。作家でも、ヘミングウェイとF・スコット・フィッツジェラルドなどが有名ですね。
フランスの不動産をアメリカ人が買い、逆にアメリカの物件をフランス人が買う。その結果、大西洋をはさんで不動産価格がほぼ均一になってきた。1㎡あたり15,000~20,000ユーロ(約165万~220万円)がパリ、ニューヨークの高級物件の相場で、ロンドンの相場はさらに20%ほど高くなっている。リーマン・ショックの後、12~16%も下げた不動産価格が、今年の第3四半期になっても2%しか上昇していないため、対ドルでのユーロ高も相俟って、フランス人にとっては今が買い時になっている。
例えば、マンハッタンの最南端、自由の女神像、ハドソン・リバー、バッテリー・パークが見下ろせる、息をのむ眺望の250㎡の物件が330万ユーロ(約3億6,300万円)。富裕層にとっては、わずか330万ユーロであり、ちょっとしたプレゼント程度でしかない。同じ建物内にある55㎡のステュディオ・タイプのものは、502,000ユーロ(約5,500万円)。
物件自体はお買い得だが、たまにしか滞在しないフランス人にとって高いと思われるのが毎月の管理費だ。市、州、国に納める税金が1,052ユーロ。それ以外にコンシエルジュ、プール、応接間、フィットネス・センターなどの共益費があり、毎月4,500ユーロ(約50万円)の管理費が必要だ・・・3億円以上の購入費がプレゼント程度でしかないなら、50万円なんか塵か埃ではないかと思うのですが、金持ちほど吝嗇とも言いますから。住んでもいないのに50万円も払うのは馬鹿らしいと思うフランス人が多いのかもしれません。何しろ、しっかりしていますからね。
購入手続きに関しては、公証人が素早く対応してくれるフランス、弁護士が時間をかけて処理するアメリカ、しかもそれぞれに費用が大きく異なるなど、違いがあるが、ローンで購入するなら、利息がフランスでは3.5%で、アメリカの7%より低利であり、管理費もフランスの方が十分の一で済む。フランスの物件を購入するアメリカ人が増えるのではないか・・・
ということで、欧米の富裕層は、大西洋をまたいで不動産の購入を進めている。しかも、金に糸目を付けず・・・慈善団体の炊き出しや生活必需品配布に多くの貧困者が列をなすという現実がある一方で、数億円の不動産物件を年に数度行くためだけに簡単に購入する層がいる。二極分化。その格差は広がる一方です。どこまで広がるのでしょうか。どこかで、不満が爆発することはないのでしょうか。「パンがないなら、お菓子を食べればよい」・・マリー・アントワネットの言葉ではないということは定説となっていますが、そんな気持ちが富裕層の間に垣間見えるようになると、どうなるでしょうか。蜂起になるでしょうか。なるとして、21世紀、その形は? しかも、3世紀、中国・西普の恵帝は「米がないのならどうして肉を食べないのか」と本当に言ったとか。格差の伝統は欧米だけの話ではないようです。