ふりかえれば、フランス。

かつて住んでいたフランス。日本とは似ても似つかぬ国ですが、この国を鏡に日本を見ると、あら不思議、いろいろと見えてきます。

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忘年会に呼ばない日本のイジメ。会うことを拒むEUのイジメ。

2012-03-05 20:11:18 | 政治
子どもは大人を映す鏡、と言われますから、学校でイジメがあるなら職場にイジメがあって当たり前、ということなのでしょうか。職場でのイジメ、特にパワハラと言われるイジメが、2010年には4万件も報告されていたとか。こうした実態に、厚生労働省が大人のイジメ対策に本腰を入れ始めた、というニュース映像を2月29日にテレビ朝日がネット上に公開していました。

毎日おごらせる、社員旅行や忘年会に呼ばない、罵声を浴びせる、寒い部屋で仕事をさせる、身体的暴力を伴う・・・日本社会にはイジメが蔓延しているのでしょうか。高貴な人々の品格や、今いずこ・・・いや、昔からあった???

しかし、学校でイジメがあるのは、日本に限った話ではなく、イギリスやアメリカでも報告されています。ということは、アングロ=サクソンの特徴? とも限らないのかもしれません。何しろ、EU首脳の間に、フランスの大統領選挙に出馬している社会党候補、フランソワ・オランド(François Hollande)には会わないことにしようという、暗黙の了解ができているというニュースが流れているのです。

誰が言いだしっぺで、そこにはどのような背景があるのでしょうか・・・3日の『ル・モンド』(電子版)が伝えています。

EU首脳たちの間に反オランドの連携があるのだろうか。いずれにせよ、3月4日に発行されたドイツの週刊誌『デア・シュピーゲル』(“Der Spiegel”:約110万部というヨーロッパ最大の発行部数を誇る週刊誌)がそう伝えているのだ。その記事を信じるのなら、ドイツのメルケル首相(Angela Merkel)とイタリア、スペイン、イギリスの、いずれも右派の首脳たちは、社会党の候補者をボイコットすることで同意しているようだ。その社会党候補者、フランソワ・オランドは3日、ディジョンでの集会で、自らが考える大統領像を発表している(“présidence indépendante et impartiale”と述べています)。

メルケル首相とイタリアのモンティ首相(Mario Monti)、スペインのラホイ首相(Mariano Rajoy)は、各種世論調査で優勢を伝えられているフランソワ・オランドに会わないという口約束をどうもしたようだと、『デア・シュピーゲル』誌は述べている。この約束に、イギリスのキャメロン首相(David Cameron)も加わっているようだ。

『デア・シュピーゲル』誌によれば、保守派の首脳たちは社会党候補の「当選したら、財政協定について再交渉をする」という声明に衝撃を受けた。財政に関する協定(財政規律条約)はユーロ圏を救済する中心的役割を果たすと彼らは考えているからだ。条約に署名しなかったイギリスのキャメロン首相が加わっているのは、イデオロギーの違いによるものなのだろう(EU27カ国のうち、イギリスとチェコを除く25カ国の首脳が署名しました)。

次期大統領に誰がなってほしいかという件に関するメルケル首相の考えは、誰もが知るところとなっている。2月6日、サルコジ現大統領に全面的支援を行うと公表したからだ。パリで行われた仏独閣僚会議の後、メルケル首相は、「サルコジ大統領をすべての面で支持します。私たちはともに友好関係にある政党に所属しているのですから」と述べ、サルコジ大統領が2009年に行われたドイツの国会議員選挙で彼女を支援し、首相に再選されるのを助けたことにも言及した。

メルケル首相は、1回あるいは数回、サルコジ大統領の集会に出席することになっている。フランソワ・オランドは、ニコラ・サルコジがメルケル首相の支援を必要としているのは事実だとして、その支援を次のように皮肉った。「メルケル首相がサルコジ大統領の支援をしたいなら、当然その権利はある。しかし、それは骨の折れる仕事になるだろう。なぜなら、フランス人を説得するのは容易ではないからだ。」

フランソワ・オランドはメルケル首相に会見を申し込んだが、首相はサルコジ大統領のライバルにベルリンで会うのかどうか、明言を避けている。世論調査でサルコジ大統領をリードするフランソワ・オランドがメルケル首相とベルリンで5月に会うと伝えられたが、確認は取れていない。

日刊紙『ディ・ヴェルト』(Die Welt)のインタビューを3日に受けたドイツのヴェスターヴェレ外相(Guido Westerwelle:同性愛であることを公表した有力政治家。ベルリンのヴォーヴェライト市長もカミングアウトしています)は、フランス大統領選にあからさまな介入をしないようにとドイツの政治家たちにくぎを刺した。

「ドイツのすべての政党に慎重さを求めます。ドイツ国内の政治的対立をフランスに持ち込むべきではありません」と述べるとともに、外相はフランスの大統領選にドイツの政権が露骨な肩入れをすべきではないと、次のように語った。「ドイツはフランス国民によって選ばれたいかなる政権ともうまく協働するという事実にいかなる疑いの余地もありません。」

・・・ということで、左派の有力大統領候補、フランソワ・オランドを、右派の各国首脳たちがのけものにすることにより、フランス国内での彼のイメージに打撃を与えようとしているようです。しかし、テレビ番組でオランド候補が言っていたように、フランスの大統領はフランス国民が選ぶもの。メルケル首相らの動きがもし本当なら、フランスにとっては内政干渉。自尊心の強いフランス人が、受け入れるはずがありません。それどころか、逆効果。何しろ、そのへそ曲がりぶりは、ジョーク集でもお馴染みですから。

難局に直面しているヨーロッパ。今こそ団結が必要だ、ということなのかもしれませんが、その団結は政治的立場を超えてなされるべきなのではないでしょうか。それとも、サルコジ大統領支持は、個人的好き嫌いなのでしょうか。今まで一緒にやって来たんだから、これからも一緒にやりましょうよ。気心の知れたニコラの方が、良いわ・・・

統合を進めてきたEU。他国の政局に介入するほどまでに、その垣根が低くなっている、という見方もできるかもしれません。意識レベルではすでに、連邦制へと向かっているのでしょうか。統合という欧州の挑戦を、信用不安・財政危機が、意外と大きく進展させるかもしれません。
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