ヒデびたきの野鳥紀行 〜野鳥を求めて北海道から沖縄まで〜

鳥名「森の下のヒデびたき」が野鳥を求めて近隣から、遠方まで出掛けて収めた写真をおよそ3日に1度のペースで掲載します。

小笠原紀行2020年8月 その1 アカアシカツオドリ カツオドリ クロアジサシ オナガミズナギドリ アナドリ等

2020-09-10 | 小笠原、三宅島、航路
カツオドリ  小笠原航路 聟島列島近海

8月25〜30日の6日間の日程で、小笠原にワイバードのツアー(ガイド 中村さん)で遠征して来ました。母島には初の上陸で念願のメグロに会え、ライファーは8種に上り、上出来な成果でした。おかげで、日本の固有種全制覇とライフリスト400種越えを同時に達成出来た大変有意義な旅となりました。主な成果は次の通りです。
伊豆諸島海域: アカアシカツオドリ、コシジロウミツバメ(写真なし)、カワリシロハラミズナギドリ、アカオネッタイチョウ(ピンボケのみ)
小笠原海域: シロハラミズナギドリ、セグロミズナギドリ(オガサワラミズナギドリ)、シロハラトウゾクカモメ
母島: メグロ
他にクロアジサシ、カツオドリ、オナガミズナギドリ、アナドリ、アカエリヒレアシシギ、ムナグロ、亜種ハシナガウグイス、亜種オガサワラヒヨドリ等合計28種でした。その内亜種アカガシラカラスバトはチラッとだけ、亜種オガサワラノスリは声だけでした。
8月25日竹芝桟橋〜八丈島近海: 午前11時発の小笠原丸に乗り込むべく通勤時間帯に竹芝桟橋に向かいました。ところが集まったツアー参加者はたったの5人!定員14名で満席のところが、新型コロナの第2波に加えて、乗船前にPCR検査をする事で、見合わせた方が多かったのでしょう。それにしても東京都はやってくれるもんで、約480名の旅客のPCR検査実施のため多くの職員?が待ち構える中、なんとか唾液を絞り出して、検体を差し出しました。結果が分かるのは乗船後6時間ぐらい経った頃で、「全員陰性でした。」の船内放送があり、思わず拍手が巻き起こりました。陽性者は自衛隊機で、小笠原から搬送されるとのことで、それも面白い経験かと不謹慎なことを考えました。さて、野鳥の方ですが、1日目の航路で、この季節、大したものは出ないであろうとたかを括っていましたが、やっぱり、最初はオオミズナギドリばかりでした。季節柄でしょうか東京湾内でもかなり見ることができました。
東京湾を出たあたりで、多分アカエリヒレアシシギが渡りの途中でしょうか何羽かいました。

三宅島、御蔵島あたりで、かなりの数のオオミズナギドリが出現し、大きな鳥山を作っていました。
そして早くもオナガミズナギドリが登場。この季節、かなり北上して来ているそうで、アナドリも同様に出現していました。
御蔵島を過ぎて午後5時45分を回った頃、「アカアシカツオドリ !」の声。ええっ!と思って見上げると茶色の鳥影。写真ではちょっとわかりにくいですが、足は赤く、クチバシの根元が青いので、暗色型の成鳥ではないかとの事です。単純に幼鳥かと思いましたが、色々なタイプがいる様です。白色型は別の機会ででもみたいものです。
どうも船と一緒に飛んでいたのかもしれません。この様に船の上に止まっていました。
スマホでも写ります。父島行きの看板を入れてみました。
早速ライファーが出てくれて幸先の良いスタートとなりましたが、初日は夕暮れとともに終了です。

8月26日午前5時〜 小笠原近海: 船は孀婦岩を過ぎ聟島列島が近づきつつあります。船にお決まりのカツオドリが付いて、飛び出す飛魚を狙っています。大した海鳥が出なくても、カツオドリだけはたっぷり写真に収めることができます。
眼下に飛んでくることもあります。Bonin Blueと言われる小笠原海域の濃い藍色をバックにしてくれました。
2羽がダンスをする様に並走してくれました。
こんなに重なった姿を見ると、映画スターウォーズの戦闘機Xウイングを思い浮かべました。
アナドリもよく出るのですが、小さい、早い、遠いでなかなか写真に収めるのが大変です。
クロアジサシも出てくれました。2羽で仲良く飛んでくれました。
時々カツオドリはトビウオを追って、ダイブします。その後海面から飛び立つところです。
遠くに潮吹きが見えて、マッコウクジラの出現です。
オナガミズナギドリがタンデム飛行を見せてくれました。
結局、出そうなものだけの出現で、午前11時に父島の二見港に入港。父島に降り立つと蒸し暑い!気温は本土と変わりませんが、湿度が凄い!まずは、宿に荷を下ろしたところで、スコールの様な雨。お昼をいただいた後、暫く降った雨も止みそうなので、まずは市内散策から始めて、ビジターセンターで小笠原の勉強をしました。何故「小笠原」という名前がつけられたのかわかりました。江戸の大名家の「小笠原」に由来するんだそうです。さて、小笠原の達人、ガイドの中村さんの案内で、ある案内所の様なところに行くと、聟島に実際に設置されたものと同じらしいアホウドリのデコイがありました。実物大ですが、やっぱりアホウドリはでかい!
雨もすっかり上がった様なので、亜種アカガシラカラスバト、通称アカポッポを求めて、情報のあった山のほうに向かいますが、出会うのはメジロとヒヨドリ、イソヒヨドリのみ。写真は最も普通種なメジロです。本当にそこらじゅうメジロ。
それとイソヒヨドリ。どこにでもいます。
増え過ぎて困った外来種のグリーンアノール。駆除は不可能なほど増えている様で、どうしたもんでしょうね。
小笠原の島々は大陸と繋がったことのない海洋島なので、やっぱり鳥の種類は少ないですが、ヒヨドリはいます。亜種オガサワラヒヨドリですが、ご覧の様に若鳥で、胸に茶色味があります。亜種イシガキヒヨドリによく似ていて、やはり過去に南西諸島からやって来たものが定着した様です。
イソヒヨドリが咥えているのは、トカゲのようで、多分オガサワラトカゲではないかと思います。希少な固有の在来種ですが、あのグリーンアノールに生存が脅かされているそうです。イソヒヨくん、捕まえたらダメでしょ!採るならグリーンアノールでしょ!と思わずツッコミを入れてしまいました。
残念ながらアカポッポは空を横切ったシルエットだけでした。餌の関係で、この季節何処かに行ってしまうのか、母島では全く姿が見えませんでした。

8月27日父島: 一夜明けて早朝、宿の近くを散策してみました。メジロ、ヒヨドリとこのイソヒヨドリぐらいしかいませんでしたが、木に止まっているのも珍しいなと一枚。
亜種ハシナガウグイスもなんとか収められました。亜種ウグイスに比べて、クチバシがちょっと長いですね。時に囀ってくれますが、本当に下手な「ホーホケッ!」でした。

今日はこの後、船を借り切ってのクルージングです。父島の周りを巡って、沖に出て、海鳥と鯨を探します。次回はその成果をアップする予定です。