平和エッセイ

スピリチュアルな視点から平和について考える

ポリトコフスカヤ女史とリトビネンコ氏

2006年11月29日 | Weblog
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 【ロンドン=蔭山実】亡命先のロンドンで死亡したロシア連邦保安局(FSB)の元幹部、アレクサンドル・リトビネンコ氏の尿から毒性の高い放射性物質ポロニウム210が検出された事件で、捜査当局は25日、同氏が生前、立ち寄った先の調査に加え、市内各所にある監視カメラの映像を分析し、容疑者割り出しを急いでいる。

 これに先立ち英政府は24日の緊急治安会議で、国民への影響やロシアとの外交関係を中心に協議。また、駐英ロシア大使に対し、捜査に必要な情報を提供するよう露政府の協力を要請した。

 プーチン大統領は、事件への関与を否定しながら捜査には協力する用意があるとしている。しかし、今後の対応次第では深刻な外交問題に発展する可能性もある。

 英紙タイムズは25日、英政府高官の一人が「外国人の工作員による暗殺とみられる」と語ったと伝えた。

 英当局はリトビネンコ氏の自宅と1日に同氏が立ち寄ったロンドン市内のホテル、すしバーを捜索、すべての場所で放射性物質の痕跡を確認した。ただ、英保健当局は「一般市民へのリスクは小さい」としている。

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 ポロニウムは放射性元素の中で最も毒性が高いとされ、極めて微量でも体内に入った場合、腎臓や脾臓(ひぞう)に重大な影響を与え、死に至らしめる。その一方で、ポロニウムが出すアルファ線の届く距離は数センチと短く、紙1枚でも遮ることができる。

 安斎育郎・立命館大教授(放射線防護学)は「ポロニウム210は化学的に液体にすることができ、試験管やプラスチック容器に入れて運搬も問題がない」という。もっとも、純粋な形での入手は困難で、放射線実験施設や原子炉、加速器などの設備が必要になる。

 また当初、タリウムが食事に混入されたのではとされたが、尿からタリウムでは見られないアルファ線が検知された。

 安斎教授は「食事に混入していれば、便で検知される。尿だけに出たというなら、11月1日より前に注射された可能性が高い。ポロニウム210の半減期は約4カ月間ある。体内でアルファ線によって臓器が破壊されたのだろう」と推測している。(杉浦美香)
(産経新聞) - 11月26日8時2分更新
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http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20061126-00000000-san-int

リトビネンコ氏はKGB(その後FSB)でプーチンの部下だった人で、プーチンがしてきたことをすべて見てきました。そういう実体験と調査に基づき、プーチン大統領の陰謀と独裁を告発してきました。彼によると、現在のロシアは民主国家ではなく、ソ連時代とあまり変わらない暗黒国家だといいます。生命の危険を感じた彼は、イギリスに亡命していました。

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「アンナを殺したのは、ロシア大統領ウラジーミル・プーチンその人です」

リトビネンコ氏が、暗殺未遂事件の約2週間前の10月19日に出演した"frontline"の会見映像を紹介します。プーチン大統領が、アンナ・ポリトコフスカヤの友人を介して彼女を脅迫していたことなどが語られています。リトビネンコ氏は容態が悪化して、現在集中治療室に入院中。回復の見込みは五分五分とする英メディアの報道もあります。リトビネンコ氏とアンナは3年来の友人でもありました。

「ロシアはFSBによる厳格な統制下にあります。アンナのような立場のジャーナリストが、プーチン大統領本人の許可なく抹殺されるということなど、まったくありえません・・・ですから、アンナはプーチンに殺された、それがロシアの知るべき真実です」
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http://chechennews.org/

ジャーナリストであるアンナ・ポリトコフスカヤ女史は、ロシア政府によって、チェチェン人のテロだと発表されているモスクワでのアパート爆破事件(200人以上死亡)が、実はロシア政府の仕業による「官製テロ」あることを暴露しましたが、今年10月に何者かによって暗殺されました。

リトビネンコ氏はそのアンナ・ポリトコフスカヤ女史の死の真相を追い、それもプーチンの陰謀である、と暴露しました。

ポロニウムというのはきわめてまれな核物質で、国家レベルの施設でなければ入手困難だそうです。誰が両者を殺害したかは自明です。

無知が犯罪と不正と独裁を生み出します。ロシア人は真実を知り、自国の政治体制をより民主的なものにすべく立ち上がらなければなりません。

ポリトコフスカヤ女史もリトビネンコ氏も、正義と平和を求め、不正と勇敢に戦ってきました。彼らの肉体の命はついえましたが、その犠牲はロシアとチェチェンにやがて真の平和をもたらすことになるでしょう。二人のみたまに、そしてチェチェン紛争で亡くなったすべての人々に心から祈りを捧げます。