曲がり角の向こうに・・・

毎日の暮らしの中でフと心に留まった人やもの、そして風景を描きとめています。 

認知症ーパーソンセンタードケアを!!

2020-01-12 | 良い加減介護

既に何名かの方が取り上げていらっしゃいますが、昨夜のNHKスペシャル「認知症の第一人者が認知症になった」の番組は、認知症の家族として大いに関心を持って見ました。

長谷川和夫さん(90)は、「長谷川スケール」で知られる認知症の早期診断の検査指標を開発するなど、認知症医療に長年携わってこられましたが、自らが2017年11月に認知症と診断され、ご自分が認知症であることを公表されました。 公表された理由は「認知症になっても自分が普通に暮らしていることを知ってもらいたかった。」ということだそうです。

長谷川さんの持論は「認知症の本質は「暮らし」の障害であり、認知症のケアにおいて最も大切なことは「暮らし」であり「暮らし」が出来たら認知症になっても平気である。 今まで通りの生活に近づけるためのケアが大切で、衛生、食事、排泄などのケアはその一部に過ぎず、必要なのはその人らしさを支える「全人的ケア」である。 認知症の人に寄り添い、その人の立場に立って、その人が一番利益を得るケアを提供しようとすることが求められる。」ということだそうです。

その観点から、昨夜の番組を見ました。  「自分自身が壊れてきていることは、自分でも充分に分かっている。 生きているうえでの『確かさ』がなくなってきている。」と自己分析されており、ノートには、Where are you? Where  am Ⅰ?  Where is Mizuko(奥様)? と記されているいる場面が映っていました。 「認知症になっても見える景色は同じだ。 変わらない。」とも・・・

介護する家族のために、患者にはデーサービスの利用を勧めてこられ、ご自分もデーサービスを利用なさいましたが、他の利用者とゲームをされている表情は硬く、楽しめない様子でした。 高齢者には9時から5時までのデーサービスは長過ぎるのではないか・・・とご自分ではケアマネさんを通して2時までの利用にしてもらったり、2泊3日のお泊りも一泊で帰ってきてしまうなど、実際に体験して分かったことがたくさんあった様子も映されていて、帰宅願望が強い夫の思いももう少し、施設やケアマネさんと話し合ったほうがいいのかも・・・と考えさせられました。

「認知症は不便だけれど、不幸ではない」との言葉は、充分な「全人的ケア(パーソンセンタードケア)」が成り立っての上のこととして、今後の介護体制に期待するばかりです。

最後に、長谷川さんの送ってくれた言葉:「毎日暮らしながら一つ一つのことに笑っていることが大切です。」をあらためて、肝に銘じて日々を送って行こうと思っています。

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先日、娘夫婦をデーサービスの見学をかねて、デーに一緒に連れて行き、デーの責任者とケアマネさんを交えて、夫の現状と今後の問題点などを話し合う機会をもってもらいました。 お二人には娘たちにしっかりと話して頂いて(問題点をきちんと把握できたかどうかは別として)感謝、感謝です。

 

 

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