Kanaheiのデンマーク生活

糖尿病の勉強をしたくてきたデンマークでの紆余曲折な生活を日記として残しています。

ポルトガル女子旅!~リスボン&周辺の観光篇~

2010年10月11日 | 旅の話
 おっとまたまた時間がずいぶん経ってしまいました。忘れないうちにさくさくいきましょう。

 リスボンへ旅行に行くに当たり、ポルトガル人と結婚し、15年間リスボン近郊に住んでいた(そして去年一家でデンマークへ引っ越して来た)同僚のTから色々観光情報をもらっていたので、それを参考にしつつ、適当にのんびり回ってきましたよ。

 まず初日はリスボン旧市街のCasteloという丘の上にあるカステロ=デ=サンジョルジェという古城へ。
 城といっても原型はあまりとどめておらず、外堀とか庭園とか見張り塔の部分が残っており、見張り塔は山?丘?の上だけあって素晴らしい眺望。リスボン旧市街は決まりなのかなんなのか、みんな屋根がオレンジで美しいです。



 アラビックなくねくねと入り組んだ細い路地の、建物と建物の間に洗濯物がのんきになびいてたり、路面電車がとことこと走っていたり、海のようなテージョ川がきらきらと向こうに横たわり、思わず「こんなとこに住んで日がな城下を眺めて暮らせる王様になりたい…」とつぶやいてしまい、旅の相方にさっそく引かれましたが、それくらい素晴らしい眺めです。






城壁にぞろぞろと登る観光客。

 ちなみにこのお城はジュリアス=シーザーの時代にローマ人によって建てられた城塞なんですと。2010年の今では野良猫(すんごいたくさんいる!猫好きの萌えスポット)と孔雀の憩いの場ですが。


のんびりカフェでも頭上に孔雀。


いくら呼んでも見向きもせずに毛繕いをするキャット。観光客には慣れてますから、的な。

 カステロの周りやそのちょっと南Alfama地区はリスボンの旧市街の中でも特に古いエリアなので、ただ歩いているだけでも面白いです。かなり坂も急なので足腰が鍛えられそうです。


カステロの周り。すごくボロいけど人がちゃんと住んでいる。

 2日目の観光はBelémというリスボン中心からトラムに乗ってテージョ川沿いに西へ20分ほど行った地区へ。
 ここにはあのバスコダガマ等の大航海時代の偉業をたたえてつくられたジェロニモス修道院という立派な修道院跡が。




ジェロニモス修道院。

 バスコダガマっていったらスパイス貿易?!ドラクエに出て来たよね…と、ドラクエで思い出す私も私ですが、そういう世代なんです。ていうかそのドラクエを”ファミコン”でやっていたあの頃から20年以上経って、そのバスコダガマの棺とかある建物に立っているのが不思議です。


歴史(と自分?)に酔いしれ、棺桶の前でハイポーズ!なマダム。

 修道院自体は回廊の装飾とかがとても美しいのですが、建物内に何もなくやや退屈です。
 展示室の「ポルトガル、修道院、そして世界の歴史」を同時に追ってみれる資料はなかなか見応えがあり、ずいぶん昔から日本とのつながりなんかもあって、日本とポルトガルって深い関係だったのね~と、今さらになって歴史の授業で習った事を実際にみて、またまた不思議な感覚。
 ちなみにポルトガル王室の相関図のようなのに、イギリスのTVドラマ「Tudors」に出てきたヘンリー8世の姉が!!ドラマでもまさに彼女が老齢のポルトガル王に嫌々嫁ぐところを観ていたので、うーん歴史って面白いね、と。


Maria Tudorの名が!あれ、ドラマではかっこいい系美女のガブリエル=アンウォーだったけど…ギャップが…。

 このジェロニモス修道院の前、テージョ川のほとりにはバスコダガマの新大陸発見のモニュメントなんかもあるわけですが、この日はかなり寒かったので軽くスルー。
 さらに西へ10分くらい歩いたところにあるTorré de Belém(大砲も打ち込める見張り灯台?)には行きましたが、まあ別にそんなに登らなくてもいい感じでした(けっこう高いのでいい運動にはなる)。

5~6階建てくらいだったでしょうか。




最上階に登り詰めたら、イケメン水兵さんに遭遇というプレミアが!!登ってよかった…。

 ちなみにこのトラムのBelém停留所のそばには首相公邸があったり、創業うん百年のエッグタルトのお店があったりします。
 エッグタルトはお持ち帰りもできますが、熱々をその場で食べるのが私はおすすめ。冷めてもおいしいけど。

 3日目。ここまでなかなか精力的に観光をしております。この日はちょっと遠出をしてSintraというところへ。
 Sintraへは私達が住んでいたRossio広場横にある鉄道駅(その名もRossio)からSintraへの直通電車が出ています。各駅停車で1時間くらいでしょうか。Sintra一日周遊券(電車とバス乗り放題)のようなものがでており、それを買うとなかなか便利です。


Rossio駅のスタバにて。出来上がると名前を呼んでくれるのですが、私の名前、ポルトガルでもまともに伝わりませんでした…。

 どうでもいいのですが、私はこの旅の中でほぼ毎日、旅の相方であるMちゃん(驚き屋)を驚かせ続けていたわけで(偶然に、あと時々意図的に)。
 このRossio駅でも通常の切符ではない周遊券は係員のいる改札を通るのですが、その改札に係員がおらず、改札ゲートの仕組みもよくわからず、とりあえず通ってみようか、と私が先にゲートに入った瞬間!バシーーン!!と入って来た側のゲートが派手に閉まり、改札内に閉じ込められるはめに!!
 その様子がまさに罠にかかったネズミのような感じだったので、Mちゃんは「ギャー!」と恐らくこの日一番のショックを味わい、私は閉じ込められた改札内で爆笑。結局何騒いでんだ!という係員に救出してもらって無事出れましたが…。
 その他にも段差の多いリスボンでは、毎日必ずと言っていいほど、段差から落ちて私より背の高いMちゃんの視界から突然消えてみたり、坂や階段で転んで飛んでみたり、最終的には自分のサンダルからずり落ちてみたりと、Mちゃんを飽きさせる事なく、充実した毎日でした。

 てなわけで、Sintra。ここは観光アトラクションが多く、リスボン市内からも近いこともあり、とてもおすすめです。
 まず向ったのは、モーロ人の城跡。例の周遊券でバス(観光地を順に回れるルートになっている)に乗り、着くとすぐに入場券売り場です。
 モーロ人(英語ではムーア人)とは北西アフリカのイスラム教徒だそうで、中世にキリスト教徒の弾圧にあって山に追い込まれたりと不遇な人々。去年行ったアンダルシアのフリヒリアナは、このモーロ人が逃げ込んだ町で、町のあちこちには彼らがどのように迫害にあったかとか、反乱を起こしたかなんかのタイル画がありました。まあ常々思うのは、中世のキリスト教徒って残虐よね(今もか?)。

 で、モーロ人の城跡。山の中の城跡なので、かなりマイナスイオンたっぷりで最高に気持ちいいです。トレッキング感覚で進んで行くと、万里の長城のような城跡が出現。細い石階段のこの長城、ちゃんと登れるんですが、別に柵とかも何もなく、ちょっとよろめいたりしたら即、崖から転落という超スリリングなスポット。高所恐怖症のMちゃんは、「まじで無理」などと言いつつ、視野を狭めて必死に登っておりました。


緑のアラビア語で書かれたのがモーロ人の旗。


下界を見下ろす。あちこちに貴族の館風な豪華な建物がありました。


塔の上から必死に微笑むMちゃん(ごまつぶ大)。

 ちなみに、同僚Tがくれた資料をさらっと読んだだけの我々は、このモーロの城跡に来るにあたっての重要注意事項「ここへは十分なトレッキングシューズで行く事」を見落とし、まんまとヒラヒラの夏ワンピースとサンダルで登山。
 道ゆく人達もみんなちゃんとした装備の中、ワンピース&サンダル(Mちゃんなんてヒールのサンダル)でずんずん頂上まで登り、達成感もひとしおです。




写真では高さが分かりにくいけど、すごいんすよ実際。




モーロの城跡からみるペーナ宮殿。

 でもこれから行かれるみなさんは、ぜひスニーカー&動きやすい格好でお願いします。本気で崖から転落しそうになりますから!

スカートをたくしあげて必死に登るMちゃん。


森で子猫に遭遇。ひとなつこい。が、このひとときの戯れの後、私ノミをもらう…!

 モーロ人の城跡の後は、また同じバスに乗って、日光いろは坂も真っ青なすごい鋭角のヘアピンカーブを通り、ペーナ宮殿へ。ここはもともと廃墟となっていた修道院を当時の王様だかが気に入って、夏の離宮として改造したのだそうで、その王様(フェルナンド2世)の悪趣味ぶり…もとい突飛な趣味の集大成的建物です。



微妙な趣味。

 なんか色んな建築スタイルをかき集め、改修と増築を繰り返した統一感があるようなないようなこの変わった建物は、一瞬ディズニーランドを、そして時々、スターウォーズのジャバザハットが住んでいたお城をも彷彿とさせます。

ジャバがいそうだ。


統一感無し。




ペーナ宮殿から先ほどのモーロの城跡も見えます。

 お城の中はさすが離宮だけあって豪華。当時の王族の生活が展示された調度品からうかがえ、とても面白いです。特によかったのがお城の調理場。特大のお鍋や何に使うんだろう?という調理器具がずらっと並んでいて、お料理好きでなくてもわくわくしちゃうはず。別の晩餐会場には当時の料理モデルなんかもあったりして、本当におもしろいです。

 Sintraにはこのペーナやモーロの城跡の他にも、シントラ宮殿なるものもあるのですが、見た目なんだか新興宗教の建物風なので、そこはスルー。


バスを待ちつつ軽くローカルピーポーとつるむMちゃん。

 レストランで遅めの昼食後、一度Sintra駅にバスで戻り、別のバスに乗り換えて向ったのは、Cobo de Roca、ユーラシア大陸最西端の岬です。Sintraの駅からはローカルバスで1時間弱でしょうか。途中、きれいな平原や海を眺めつつ進むと、岬に到着します。




 ちょうど夕日の時間帯で、きらきらと恐ろしくきれいに光っている大西洋を眺めつつ、あの向こうはアメリカ大陸なのね~としみじみ。
 しかし!例によってヒラヒラのワンピースのみだった我々は、岬の強風に耐えられず、数枚写真を撮って「よし!帰ろう!」と次のバスで即戻ることに…。みなさん、くれぐれもSintraへは服装をしっかりと準備しておいでくださいね…。


最西端の記念碑。寒さの中必死に写真を撮ったので指も写っちゃってますよ。

 というわけで、がっつり観光したのはここまで(あとはビーチでまったり&ショッピングに費やしたので)。次回はリスボンの夜遊び篇へと続きます!