Kanaheiのデンマーク生活

糖尿病の勉強をしたくてきたデンマークでの紆余曲折な生活を日記として残しています。

幻の王様マンゴー

2009年06月17日 | おいしいもの



 今週私が受け持っている患者さんの中に、Hさんという人がいるのですが、パキスタン移民の彼と話していて、ひょんなことから「王様のマンゴー」の話に。

 王様のマンゴーとは、もともとパキスタンのとある地方でとれていたマンゴーのことで、うん百年前に、あまりにおいしいと有名なので、インドの王様への貢ぎ物として輸入、インドでも栽培されるようになったというマンゴー。今ではHさんの出身地でもある、パキスタンのその原産地と、インドの一部が「王様マンゴー」の2大産地となっているのだそうです。

 なんでも、マンゴーがとれるのは6~7月の一ヶ月間のみで、デンマークのスーパーで一年中売っているような大きくて緑(熟すと赤)のアフリカ産の大きなマンゴーと違って、黄色く、すぐに熟れてだめになってしまうというデリケートな代物で、アラブの人はこの旬の果物、王様マンゴーを心から楽しみにしているのだとか。

 Hさんは故郷の名産をとても誇りに思っているらしく、うっかり彼に「日本でもフィリピンのマンゴーとか黄色いの食べるよ」と言ってしまったのですが、「あー、”ただの”マンゴーね」と軽く受け流し!そんなもんじゃあ~ないんだよ!王様マンゴーは!と言いたげです。

 そんな王様マンゴープレゼンターなHさん曰く、デンマークでもその幻の王様マンゴーが手に入るという情報を入手。なんでも、マンゴーは日持ちしないので、収穫期(6~7月)にパキスタンから空輸で運ばれてくるそうで、しかもそれが週に一回、毎週水曜日の早朝4時。
 王様マンゴーはアラブ系の人達の間でも人気のようで、デンマーク中(というかたぶんコペン近郊)のアラブの八百屋さんが、毎週水曜日、早朝に空港へ出向き、行列を作って王様マンゴーの到着を待っているのだそうです。しかもそんな希少なマンゴーなので、ふるさとの味を味わいたい人々が店先に並んで待ち、店頭に並ぶと瞬く間に売り切れてしまうのだそうです。

 どうです?食べてみたいでしょう!!私はすっごく食べたい!!!

 ど、どどどこで手に入るんすか?!ノアブロに住んでて、周りにいっぱいアラブのお店があるけど、無理かなあ?!とHさんに詰め寄ると、valbyにある彼の行きつけのお店ではだいたい買えるが、ノアブロにもいろんなアラブ系(イランでもイラクでもトルコでも)の八百屋さんがあるので、もしかしたらあるかも、とのこと。
 
 もう私の頭の中は幻のマンゴーでいっぱい。インドの王様に捧げられただなんて、なんて魅惑的な響き…。超食べたーい!明日はノアブロの八百屋をくまなくチェックです!

 ていうかそんな幻のマンゴーをはじめ、「手作りできたて水牛のバターをたっぷりつけて、黒砂糖をふった、お母さんのパンケーキ」の話とか、どうもグルメ話で盛り上がってしまう2型糖尿病のHさん。そして食事指導をしつつ、「うわーうわー超おいしそう~!」と完全に乗せられてしまう私…。

 嗚呼、グルメな人への指導って難しい…。


*トップ画像は「ターバン野口の世界」より。お札ってこんなすてきなことにも使えるんですね。

こんなすごいこともできます。