難聴者の生活

難聴者の日々の生活から、人工内耳など難聴者のコミュニケーション、聴覚障害者の制度改革について語る。

難聴者相談支援の特徴

2009年06月04日 18時36分41秒 | 福祉サービス
090503-120100.jpg難聴者向けの相談支援の特徴は、多面的多角的な支援が必要であるということと継続的な段階的な支援が必要なことだ。

最初は、補聴器の購入の相談だったが、良く聞いてみると家庭や職場での人間関係、コミュニケーションの問題だったりする。
その場合は、相談支援から自立支援に移行する必要がある。障害の受容から自立へのステップを段階的に支援していくことだ。

その一つのモデルが、東京都中途失聴・難聴者向け手話講習会。
この講習会は、難聴者協会が運営を担当している。入門から上級まで2年間学ぶがクラスはそのまま持ち上がりになるので継続的な支援の形になっている。
その過程で形成される当事者である講師や助手、受講生同士のつながりも自立を促進する上で重要なものとなっている。

難聴者向け支援は、対象者と相談内容の幅が広いので相談を受ける側も幅広い知識を求められる。
また、段階的に支援していくためには、その過程を援助できる機関、団体と連携していなければならない。

難聴者の相談支援は、難聴者協会のサークルを紹介したり、手話講習会を勧めるだけでは終わらない。その紹介先のサークルのリーダーが難聴者の自立を目指す意識を持っているかが鍵だ。

難聴者協会では、理事、講習会を担当する事業委員、講習会講師、助手にいたるまで、対人支援のあり方も含めて研修を再三行って、難聴者支援の意味と重要性を認識を深めている。


ラビット 記




聴覚障害者と新型インフル余談

2009年06月02日 22時06分03秒 | 生活
090523-142413.jpg昨夜の聴覚障害者団体の会議で、緊急時の対策について話し合っていた。

東京都が聴覚障害者のファックスを受け付ける発熱相談センターを指定し、聴覚障害者用の相談問ファックス用紙を作って、各区市にも周知した。
ある区がその相談用紙を聴覚障害者宅一人一人にファックスで送ったところ、受け取った聴覚障害者はそれをアンケートと受けとめて、大勢の聴覚障害者が「回答」を指定されたセンターにファックスしたということだ。
いきなり大量のファックスを受け取ったセンターでは大慌てだったとか。

発熱やだるいとか新型インフルのような症状のような時に相談するためのファックス用紙だが、日頃から情報の入らない聴覚障害者はそのことが理解できずに「回答」してしまったのだ。

テレビでも新型インフルエンザについての基本的知識を繰り返し放送しているが字幕もなければ手話もない。
手話が母語のろう者の場合、漢字だらけの新聞は普通の人の英字新聞みたいなものかもしれない。読んでいないだろうし、理解していないのだ。

緊急時、災害時に聴覚障害者が的確な対応をとるためには日頃から情報が理解できるようになっていなければならない。知っているはず、分かっているはずというのは聞こえる人の思いこみだ。


ラビット 記