難聴者の生活

難聴者の日々の生活から、人工内耳など難聴者のコミュニケーション、聴覚障害者の制度改革について語る。

手話を「言語活動」事故の訴訟で 難聴の認定は

2009年11月25日 23時06分13秒 | 権利
NHKのニュースで、名古屋のろうの女性が交通事故で手が動かなくなったのは、普通の人の言語障害にあたるとして損害賠償を求めていた裁判で、手話を言語活動と認定された判決があったと報じられていた。
障害者権利条約のコミュニケーションの定義で、言語は音声言語と並んで手話も位置づけられているが、実生活の中でこうした判決が出たのは画期的だ。

ニュースでは、事故の後遺症が手話の表現にどのような影響があるのか詳しく調査した様子が報じられていたが、実証は視覚的に分かる方法だった。

難聴は、聴覚機能の障害であり、dBで表せても、実生活では関係障害であり、これを定量的に証明するのは難しい。
国際生活機能分類ICFの考えによって、どのような関係の障害が起こっているのかは説明できるかもしれない。


ラビット 記
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手話を「言語活動」と初判断 聴覚障害事故の訴訟で
 交通事故の後遺症で手話によるコミュニケーションが困難になったなどとして、聴覚障害者の女性が事故の相手方の男性に約2620万円の損害賠償を求めた訴訟の判決で、名古屋地裁(徳永幸蔵裁判官)は25日、女性の後遺症を「言語活動への後遺障害」と認定、男性に約1220万円の支払いを命じた。

http://www.47news.jp/CN/200911/CN2009112501000630.htmlより

改正著作権法の情報アクセス権に関わる院内集会

2009年11月25日 18時27分10秒 | 著作権
参議院会館の1階の会議室で著作権集会を行った。

大臣クラスは来ないがこれまで情報アクセス権に関わる議員たちが参加していた。
集会の会場や呼びかけをされたのが民主党障害者プロジェクトチーム事務局長の小宮山議員だ。

視覚障害、聴覚障害、学習障害、全身性障害、脳性マヒ、発達障害の当事者が報告した。
見たり、聞いたりという視聴覚機能だけでは情報にアクセスできない人が多いことがわかった。
宇宙物理学者のホーキング博士のALS障害者も新聞や書籍を読むのに、その本を手元に取り寄せ、ページをめくること自体がバリアーになっている。
図書が電子化された形で読めるようになれば、より利用しやすくなる。

学習障害児もマルチメディアデイジー図書の形で読めば理解が出来、普通の質問も答えられ、子どもも歓びを感じられる。デイジー図書を増やす施策を要求した。
音訳ボランティアは改正著作権法では著作権の許諾を受け続けなければならないことを訴えていた。

著作権課が来るのかと思ったが来ていなかった。


ラビット 記

グーグルが動画サイトの音声を字幕表示

2009年11月25日 11時02分19秒 | バリアフリー
11月22日(2009年)付け日経新聞国際面に、アメリカのグーグルがユーチューブの動画に字幕を付ける技術を開発し、一部サービスを開始したと報じていた。

グーグルはあらゆる動画に字幕表示することで動画の検索が可能になること、自動翻訳技術と組み合わせて別の言語に変換するサービスに展開する考えと報じているが、聴覚障害者にとっても大きな福音をもたらす技術だ。

考えたことは二つ。
動画の字幕は動画検索に役立つことの指摘はもう10年以上も前だ。ネット電話の音声認識技術を応用した字幕化ということだが、グーグルだから開発できたのか、日本では無理だったのか。

もう一つは、ネット配信されている動画に字幕が付くことは、テレビ番組の字幕、DVDの字幕に字幕が付くのはそう遠くないと思わされてしまう。

いま、障害者の情報アクセスに関わる著作権が大きな問題になっている。特に聴覚障害者にとって問題なのは、字幕や手話の付加した番組が見られる仕組みになっていないことだ。字幕だけ、手話だけインターネットで受信できるが字幕と手話を付加したものは駄目だというのだ。

アメリカで、動画に字幕が付くことに著作権の問題になっていないのだろうか。第3者が字幕を付加することで動画の原作者は法的に訴えるのだろうか。

精神障害を持った不幸の他に我が国に生まれたる不幸を嘆いたのは精神医学創始者の呉秀三博士だが、日本で生まれたから難聴者が不幸ということのないようにして欲しい。


ラビット 記