難聴者の生活

難聴者の日々の生活から、人工内耳など難聴者のコミュニケーション、聴覚障害者の制度改革について語る。

「難聴学級」は社会生活力養成プログラム

2009年11月20日 04時54分41秒 | エンパワメント
難聴になった人は、難聴者ではない。
ここでいう難聴者とは自立への意識を持った人のこという。

難聴になるのはなぜか、難聴になるとどういう問題が起きるか、自分と社会の関係を「障害」と見るか、難聴を補う方法、難聴者としての誇り、社会福祉サービスの使い方、権利、エンパワメント、仲間意識と組織、など学んで難聴者になっていく。

しかし、難聴者になるための場所はほとんどない。難聴者が自力で学ぶか、難聴者のセルフヘルプグループに入り、活動や役員の経験の中でつかんでいくしかないだろう。
ろう者が同年代の子が集まって、ろう学校の中で先輩のろう者と一緒のコミュニティがある。親もろう者のコミュニティにいるだろう。小さいときからそれらのコミュニティから手話を身につけ、ろう者のアイデンティティや権利意識を育成する。

ろう者と違って、難聴者はその障害を持った時は、集団やコミュニティを形成していない。
難聴者は、様々な聞こえのレベルを通じて共通のコミュニケーション基盤がないということもある。後天的に発生する難聴者はお互いにどこにいるか、コミュニティを形成する機会がないからだ。

知的障害者、精神障害者は、社会の中で自立する力を得るために「生活訓練」を受ける必要がある。
これは、自立支援法でも訓練等給付として制度化されている。

この自立する力を身につける訓練プログラムは、「社会生活力プログラム」として、すでに筑波大学の奥野英子教授らが開発されている。
『実践から学ぶ「社会生活力」支援―自立と社会参加のために』


これの難聴者版の開発が求められているのではないか。
母親学級の難聴者版「難聴学級」=聞こえの教室のようなものを目指すのだ。


ラビット 記

地デジの手話放送ができない理由も公表して欲しい。

2009年11月20日 04時40分17秒 | 放送・通信
NHKが地デジ放送が受信できなかったクレームの理由を発表した。
自局の関わった番組であるないに関わらず、放送について責任を持っていくことは当然だ。

それならば、NHKは手話ニュース以外のニュースに手話が付かない理由を説明してもらいたい。
現在の全国ニュースにはクローズドキャプションによる字幕放送が実施されているが手話はない。

なぜ出来ないのか明確な説明がない。
日本の地上デジタル放送の規格ではもう一つの映像を同時に送信することが出来ないのではないか。
フルハイビジョンだからか、標準放送でも無理なのか。

NHKが中心になって開発してきた地上デジタル方式が聴覚障害者のアクセスを阻害していることを自ら認めたくないのか。技術者、編成の立場では重要な問題を言明することは出来ないのか。

これは、NHK会長が国会の場で説明してもらうしかない。
全国で聴覚障害者向け地デジ説明会が進んでいる。


ラビット 記
写真は11/14に三島市で開かれた説明会。
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NHK,「2009NHK杯フィギュア」デジタル放送の映像乱れの調査結果を報告
ITpro
http://itpro.nikkeibp.co.jp/article/NEWS/20091117/340679/
NHKは2009年11月17日,同月6日の夜7時30分から総合テレビで放送した「2009NHK杯フィギュア」の番組中,一部のデジタル・テレビで映像が一時見えなくなった原因の調査結果を報告した。 現在日本で放送している地上デジタル放送は、電波産業会(ARIB)で規定した規格,および ...