難聴者の生活

難聴者の日々の生活から、人工内耳など難聴者のコミュニケーション、聴覚障害者の制度改革について語る。

難聴になった時の専門的な支援、家族の支援

2009年07月22日 21時28分28秒 | 社会福祉の学習
090720-192313.jpg心理学者の河井隼雄の名前はどこかで聞いたことがあると思ったら今使っている臨床心理学の本に出ていた。
臨床心理学の第1回目で人と向き合うには自分と向き合うことが大切と学んだ。

今度の心理学のレポートはユングの人生の転換期における中年期の人格拡充の重要性を説いていることに対する説明が中心。
エリクソンは乳児から青年期までの人格形成が重要としているけれど、乳児からの難聴者の人格形成の問題を考えるとそのとおりだし、成人の難聴者の問題を考えるとユングの考えにもうなづけることが多い。

問題は、人生のその時々で難聴であることを理解して接したり、援助してくれた人がいたかどうかだろう。
今になって、援助がなかったか、あるいは理解が十分でなかったとしても、そのことは責められず自分でどう受け止めるか自分の心に「折り合い」を付けなければいつまでもそのことを引きずって生きなくてはならない。

乳児からの難聴である自分がどうして今のような人格になったのか。なぜ、健聴の妹、弟と接しにくいのか、聞こえないことと向き合うのなぜ時間がかかったのか。

自分探しはまだ続く。一人よりは同じことを考えている人、一緒に考えてくれる人がいた方がよい。


ラビット 記




情報通信・放送の融合に関わる総合的法体系にパブコメ

2009年07月22日 21時14分32秒 | 放送・通信
090722-195339.jpg情報通信審議会情報通信政策部会が「通信・放送の総合的な法体系の在り方」<平成20年諮問第14号>案を6月19日に発表し、現在7月21日までの日程で、パブコメを募集していた。

下記のURLにパブコメ応募の参考資料があるが、これを見ても、障害者の通信・放送のアクセシビリティの保障
について、検討されたのかどうかも分からない。

障害者放送協議会の総会では、この問題に取り組むことが決議されている。
パブコメ締め切りまでに多くの障害者団体と障害者放送協議会も意見を出すように提案した。

この放送法、通信法など放送・通信の基盤をまったく変える法体系の中に、放送・通信のアクセシビリティを担保するものがないということは、障害者の権利条約の批准した際にも問題となります。

情報通信・放送の融合時代におけるアクセシビリティに関する委員会を立ち上げて、徹底的に審議しなければならない。

総務省情報通信審議会情報通信政策部会の答申内容は以下のURLにある。
http://search.e-gov.go.jp:80/servlet/Public?CLASSNAME=Pcm1010&BID=145207525&OBJCD=100145&GROUP

このURLの中に、答申案や報道資料がpdfででている。

ラビット 記
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「通信・放送の総合的な法体系の在り方<平成20年度諮問第14号>答申(案)」への意見

障害者放送協議会

1.法体系見直しの必要性

(2)現行の法体系
1)デジタル化、ブロードバンド化の普及と達成をはかるためには、そのインフラの双方向性という性質から見ても、障害者を含む受信者・利用者が放送通信のサービスに広く参加できることが前提にあり、法体系の見直しに向けても、広く障害者を含む受信者・利用者の観点を含めることが重要である。
 法体系のあり方を検討していく審議会、またはその部会、検討委員会には、障害者を含む受信者・利用者を広く参加させるべきである。
 また新たな法体系の下では、放送・通信のアクセシビリティに関する常設の委員会を設け、広く障害者を含む受信者・利用者の参加を保障すべきである。

2)新たな法体系においては、あらゆる伝送形態におけるコンテンツへのアクセスを保障する仕組みを設けるべきである。現在、個々の放送・通信サービスおいて、障害者の情報利用のための施策が一定程度講じられているにもかかわらず、障害者がコンテンツを利用できない場合が多い。具体例を挙げれば、テレビ放送等のコンテンツをインターネット等でオンデマンド配信を行うサービスにおいて、元々の放送番組に字幕等が付されているにもかかわらず、オンデマンド配信においては字幕等が付されないために聴覚障害者等が利用できない。またテレビ放送についても、字幕放送、解説放送に関する行政指針が出されているものの、地上デジタル放送受信機の
操作に音声フィードバックがないことから、視覚障害者等が利用できないなどの問題がある。
 また、電話サービスは音声のみであり、聞こえない障害を持つもの、発声できないもの、環境により聞くことが出来ないものには利用が出来ない。ITUの規格に電話サービスが取り込まれたことにより、わが国の音声電話サービスにもそのキャリアのいかんを問わず、電話リレーサービスならびにテレビ電話サービスの実施を義務づけるなどアクセシビリティを保障すべきである。
 新たな法体系においては、個々の通信・放送サービスごとの施策を講じるのみならず、放送・通信の利用をすべての人に保障するという観点から包括的な施策を講じるべきである。

(3)見直しに当たっての3つの視点と5つの目的
1)「利用者・受信者の利益の保護」ということに加えて、「障害者を含むすべての人が等しく利用(受信・送信)できる通信・放送の確立」という目的を含むべきである。
 わが国が署名している「障害者の権利に関する条約」においては、情報通信によって情報を知る権利、コミュニケーションを行う権利が規定されている。わが国が世界最先端の通信・放送サービスを実現していくためには、新たな法体系にこの目的を欠くことはできない。
 われわれが望むのは、通信と放送のアクセシビリティをすべての人に保障する新たな法体系である。