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伝承『山の神の崇り』

2012年10月24日 | 言い伝え&伝承
藁科川上流・栃沢地区に残る伝承を再話します。

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ある時、樵が山に小屋を作って泊まっていたが、夜中に泣き叫ぶ赤ん坊を背負った女の人が訪ねてきた。女は、この赤ん坊は乳よりカネモノが好きで、腹をすかして泣いている、何かくれてほしいと言う。樵は仕事の役にも立たないような金物をくれてやったが、赤ん坊はそれをすべてナメ尽くしてしまい、今度は樵の飛び道具(鉄砲)までもほしがって荒々しく迫ってきた。樵は身の危険を感じてだんだん後ずさりしているうちに後ろの戸口から身が転げ出し、気がついてみると村の近くに居た。あれは山の神の祟りだっけと樵はいい、村の氏神様がオレを助けてくれたものだともいっていた。

大川地区・栃沢 米沢賢一郎(明治二十九年生まれ)


『安倍川ーその風土と文化ー』(富山昭・中村羊一郎.静岡新聞社.昭和55年)

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