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舟山のゴロザ

2010年10月19日 | 言い伝え&伝承
藁科川と安倍川が合流する地点には、川の中に木枯しの森のようなこんもりと木々が茂った中州があります。

ここを「舟山」と呼んでいますが、この森には一匹のそれはそれはいたずらなキツネが住んでいるのをご存知ですか?

このいたずらキツネ、名前を五郎座衛門と言い、なにやら天下の大泥棒のような名前がついていますが、そのゴロザの抱腹絶倒の活躍ぶりは、藁科の里の民話として、小野田護さんが「ゴロザエモン 静岡のむかしばなし」の中にいきいきと描き出しています。

その小野田さんの作品のオリジナルの一つともなる「静岡県伝説昔話集」の一節を引用します。

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『船山の五郎左衛門狐』

安倍川と藁科川との合流点に船山がある。この山に五郎左衛門という狐がいた。南藁科山牧谷の修道院という寺の和尚さんが、その五郎左衛門に「お前は人を化かすに、どうして化かすか」と聞くと「おれか、七かてんの法だ」と答えた。すると和尚は「そうか、俺なら八かてんで化かす」と言った。そして「八かてんというのは、かわむこをどっさりかぶって人を化かすのだ:」と教えて五郎左衛門にやらせた。五郎左衛門はその通りにしたが、和尚にだまされて百姓に追っかけられた。

「静岡県伝説昔話集」

※この五郎左衛門狐に、膳や碗が入用な時に頼むと貸してくれた。お返しには、油揚げをその器物の上に乗せて、借りた時と同様に門口にならべて置くのだという。

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