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サムスン・LGの業績失速、「韓国時代」の終わりの始まりか

2020-02-17 19:18:36 | 日記
サムスン・LGの業績失速、「韓国時代」の終わりの始まりか


1/13(月) 20:47配信

ニュースイッチ

サムスン・LGの業績失速、「韓国時代」の終わりの始まりか


「メイドイン韓国」も競争力が一段と低下(写真はイメージ)


 韓国経済をけん引してきたサムスン電子とLGエレクトロニクスの電機2強の苦境が鮮明になってきた。

サムスンの2019年の通期決算(暫定)は、営業利益が前年比53%減の27兆7100億ウォン(約2兆5600億円)と大幅減益で、昨年の半導体市況の不振が響いた。

LGはディスプレー子会社が巨額赤字を計上、リストラを加速させている。

最終製品や部品事業に欠かせない半導体材料は海外に依存しており、競争力が一段を低下していく可能性もある。

有機EL技術で韓国サムスンに勝てると豪語も、ジャパンディスプレイの迷走止まらず

サムスンの19年10―12月期は営業利益が7兆1000億ウォンで前年同期比34%減だった。

一方で売上高は59兆ウォンで0・5%減にとどまっており、半導体市況には底打ちの兆しが出ているとの見方もある。

今後はスマートフォン事業で「ギャラクシーノート10」の販売動向がカギになりそう。

 LGディスプレーは液晶表示装置(LCD)価格の下落と世界的な供給過剰を受け、韓国国内での液晶テレビの生産を年内に打ち切り、中国での生産に切り替えることを決めた。

今後は経営資源を有機EL(OLED)技術にシフトさせていくという。

 LGディスプレーはLGエレクトロニクスの中核会社。

19年10月、テレビ用液晶パネルの価格下落が響き7―9月期決算が8年ぶりの営業赤字に転落した。

同社幹部は「会社の存続が危険にさらされている」と発言、国内で液晶パネルの生産ラインを縮小する計画。

液晶パネルはサムスンも稼ぎ頭の事業だったが、中国勢の台頭により収益が悪化している。

 有機ELも問題を抱える。韓国の報道によると、LGディスプレイーが米アップルに供給した「iPhone(アイフォーン)11 Pro」シリーズ向け有機ELパネルで、日本製から切り替えて国産化したフッ化水素に起因して大量の不良が発生したと見られる。

映画「パラサイト」ではわからない韓国「超格差」社会【現地ルポ】

2020-02-17 17:50:26 | 日記
文春オンライン

映画「パラサイト」ではわからない韓国「超格差」社会【現地ルポ】


「週刊文春デジタル」編集部

2020/01/20 12:00

(「週刊文春デジタル」編集部/週刊文春デジタル)

 先週末、日本各地ではセンター試験が行われた。入試改革で二転三転しながらひとまず現行の形では最後となったセンター試験だが、熾烈な受験戦争で知られる韓国では、政治の混乱で受験生が日本以上の混乱にさらされているという。

超・学歴社会の実像を、韓国社会の苛烈な競争を描き出した『韓国 行き過ぎた資本主義』(講談社現代新書)の著者、フリージャーナリストの金敬哲氏が語った。

◆◆◆

大学進学のために高額の進学塾に通う韓国の受験生たち ©AFLO© 文春オンライン 大学進学のために高額の進学塾に通う韓国の受験生たち ©AFLO

「最近、子どもを中学校の頃から、メンタルクリニックに通わせることが流行ってるのよ」

 そう教えてくれたのは、ソウルでも最も教育熱の高い地域、大峙洞(テチドン)に住む母親です。私が韓国の教育問題を取材していて一番の衝撃を受けたのは、この事実でした。

 大峙洞は、ソウルの富裕層が住む江南(漢江の南岸)エリアにあります。江南には名門高校や中学校が集まり、その中にある「大峙洞」はわずか3.53平方キロメートルのなかに1000あまりの学習塾がひしめく地区。

いまや韓国中から子どもたちが集まり、最も受験競争が激化している場所です。

 実際に取材したメンタルクリニックの所長は「最近も英語幼稚園に通う7歳の女児が来院しました」とのこと。

そのクリニックには、これまで勉強に疲れた5歳から高校生までの生徒たちが訪れています。

幼稚園や小学校のころから子どもがメンタルクリニックに通う状態が普通に起こっているのです。

「大峙洞キッズ」のカバンの中身

 生まれたときからほんの一握りの韓国社会の上層に入るために勉強漬けになっている「大峙洞キッズ」たち。

そのうちのひとり、小学5年生の男の子のかばんの中身をみせてもらうと、数学のテキストに加えてTOEFL関連のリーディング、文法、単語集などの教科書。

さらには『ハリー・ポッター』の英語の原書まで、ぎっしり詰まっていました。

彼は、毎日3時間ずつ数学塾と英語塾に通い、数学塾では中学3年の授業を受けているといいます。

こうした塾では、学校の内容を遥かに超えた先の内容を教えて、小学生の時から大学受験の準備をしているのです。

 正規の学校教育課程より先に塾で学ぶ「先行学習」があまりに普及したことで、公教育の形骸化と崩壊が進み、また、子どもたちの発達段階とかけ離れた学習によって成長にも悪影響があると指摘されています。

ソウルでもこの状況に制限をかけようと、2008年には市の教育庁が「深夜教習禁止条例」を制定して、市内の学習塾で22時以降の授業を禁止しました。

 ただ、22時以降は通学バスの中でテストを行うという塾もあれば、スマホアプリで24時間指導を行う塾も出ており、条例の実効性は低いままです。

また、「体育施設」は条例適用外という抜け穴もあり、いまでは深夜時間を利用して水泳教室などに通う「スポーツレッスン」がブームになっています。

最近流行の「入試代理母」とは?

 どうしてスポーツ教室がブームになるのか、疑問に思われる方もいるかも知れません。

実は韓国の高校入試では基本的にペーパーテストがなく、難関校でも内申書と面接だけで合否が決まります。

体育や音楽などの副教科でも日ごろからよい点数をとることが求められているのです。

 その傾向は、大学入試でも同様です。一大イベントとして日本のセンター試験に相当する「修能試験」が行われ、リスニングの時間には韓国全域で飛行機の離着陸が禁止されて、受験生送迎のために白バイが待機するなどして話題になりますが、そのテストの点数だけで入学できる枠は30%ほど。

多くの有名大学も含む残りの70%は、資格や内申点などの包括的な評価によって入学しています。

 もともとそうした総合評価は、勉強ばかりではなく、ボランティアや研究など様々な活動をする学生を評価しようと作られました。

地方と都市では教育環境に差がありますから、そうした社会的な不平等を是正する意味もありました。

ところが今では、富裕層の一部がゴーストライターを雇って自費出版して点数稼ぎを目指したり、大学教授が論文の共同執筆者に自分の子どもの名前を加えるようになったりしています。

かえって、金やコネがものをいう状態です。

 韓国政府も、過熱する教育戦争に次々と対策を打ち出していますが、その結果、毎年のように教育政策が劇的に変化して公教育の現場は混乱。

受験生や保護者たちはますます私教育に依存するようになりました。

 高校や大学入試の制度が複雑になりすぎて、何をすれば評価が上がるのか一般の保護者には把握が難しいほどです。

そのため最近では、「入試代理母」と呼ばれる、自身の子どもを難関大に入学させた経験を元に、受験生たちの進路に合わせた学習プランを組む入試コンサルタントさえ登場するようになりました。

教育費で引き裂かれる家庭

 これだけ多岐にわたる教育サービスを利用しようとすれば、当然多額の教育費がかかります。そのしわ寄せが、いま親世代に大きくのしかかっています。

 取材した中には、共働きで月に1000万ウォン(約100万円)の手取りがあるにもかかわらず、子どもの教育費や養育費が収入の60%以上を占めている夫婦もいました。

所得に対して多額の教育費を出さなければならず、家計が赤字になってしまうエデュプア(education poor)もうまれ、それがそのまま老後の負債として残ってしまう事態になっています。

 加えて、留学も盛んに行われる韓国では「雁パパ」「鷲パパ」「ペンギンパパ」という流行語も生まれています。

「雁パパ」とは、教育のために妻子を地方からソウル中心部に、またはソウルから外国に留学させ、自分は地元に残って教育費や生活費を仕送りする父親のことです。

妻子に会いに飛行機で飛んでいくことから、渡り鳥になぞらえて生まれた言葉ですが、妻子に会いにいける回数によって派生語が生まれました。

いつでも海外に行けるお金持ちのパパを「鷲パパ」、逆にお金がなく「飛べない」パパは「ペンギンパパ」と呼ばれているのです。

 韓国の上流社会では、いまや半分以上が雁パパです。

ただ、せっかく生活を削って仕送りをしても、長年別居を続けることになりますから離婚する家庭も少なくありません。いまでは寂しい「雁パパ」向けの「雁バー」というデートバーが繁盛する始末です。

映画『パラサイト』から見える現実

 いま、韓国映画では、ポン・ジュノ監督の『パラサイト 半地下の家族』がアカデミー賞にもノミネートされ、世界的な大ヒットとなっています。

全員失業中でその日暮らしの生活を送る貧しい一家と、IT企業を経営する超裕福な家庭が対比的に描かれた作品です。

映画の中に限らず、いまの韓国社会の至るところで、あまりに極端な格差と無限に競争を強いられる息苦しさが蔓延しているのです。

 文在寅政権が生まれた背景も、この文脈で理解できます。

大統領選当時、「崔順実ゲート事件」で、韓国は大きく揺れていました。

朴槿恵前大統領の親友だった崔順実被告による収賄、崔被告の娘の名門大学への不正入学事件への不満は、まさに社会を覆う閉塞感、コネによる不平等への怒りの現れでした。

そんな状況だからこそ、「機会は平等に、過程は公正に、結果は正義に見合うように」という文政権のスローガンに多くの人が共鳴した。

「狂っているような韓国をちゃんと立て直して欲しい」と希望を託したのです。

 ですから、文政権でも曺国(チョ・グク)氏の娘が、高校在学中にコネで論文の共同著者に名を連ねて筆記試験なしで名門大に入学したなどと報じられると、それが大騒動となった。

曺氏は法相辞任に追い込まれ、韓国では大きなデモもくり返されました。

国外から見れば「単なる不正入学」だとしても、政権を揺るがすほどの大事になってしまうのです。

 韓国社会は、行き過ぎた資本主義と、そこからの揺り戻しの間で、行き先を見失ったまま政治に翻弄され続ける状態が続いています。

 こうした動揺、格差による軋轢は、いまや韓国のみならず日本や世界中の資本主義諸国で生まれつつある現象ではないでしょうか。

近未来の自分たちの日常になりうるからこそ、韓国社会のレポートがお互いに解決策を考えていくきっかけになればと願っています。

(「週刊文春デジタル」編集部/週刊文春デジタル)

【崩れゆく韓国】新型肺炎拡大前から限界…韓国・文政権、取り繕っても実体経済は“悲惨” 最大の要因は極度な「中国依存」

2020-02-17 17:36:38 | 日記
【崩れゆく韓国】新型肺炎拡大前から限界…韓国・文政権、取り繕っても実体経済は“悲惨” 最大の要因は極度な「中国依存」

夕刊フジ2020年02月14日17時15分

 文在寅(ムン・ジェイン)政権の下で韓国経済は行き詰まり、社会格差は絶望的に広がりつつある。

 中国発の「新型肺炎」が感染拡大する前の2019年の経済成長率は2%と、世界金融危機以来、10年ぶりの低成長を記録した。しかも成長要因の75%は「政府の財政出動」によるものだった。

1%台に落ちては今年4月の総選挙に勝てないと慌てた文政権が、公立学校のロッカーまで新調するなど、なりふり構わず税金を投入して成長率をつり上げたのだ。

 しかし、見かけばかり取り繕っても実体経済は悲惨だ。

 韓国のGDP(国内総生産)比40%弱を占める輸出が19年は10・3%減少している。

輸出の柱であった半導体は昨年11月で前年比マイナス30・8%、船舶に至ってはマイナス62・1%である。

 さらに、最大の不安要因は、輸出先を極度に中国に依存していることだ。

香港経由まで含めると輸出全体の3分の1強を中国向けが占めている。新型肺炎の拡散で、中国向け輸出は大打撃を免れないが、中長期的に見ても中国企業はIT関連分野を中心に力をつけており、中国は韓国の「お客」ではなく「競争相手」となりつつある。

 
国家ぐるみの中国企業の大攻勢に、サムスンの「大量生産・安値販売」という従来の戦略では太刀打ちできないだろう。

半導体に変わる輸出主力商品も見当たらず、輸出依存の韓国経済は確実に破綻に向かっている。

 国内の景気も非常事態だ。

 20年1月25日付の朝鮮日報オンラインによれば、韓国では企業数の99・9%(630万社)、雇用数の82・9%(約1600万人)を中小企業が占めているが、その半分が営業利益で銀行借入金の利子を払うのが精いっぱいの「ゾンビ企業予備軍」という。

 そこへ文大統領が「所得主導型成長」なるものを掲げて、2年間で約30%も最低賃金を引き上げてしまった。

直撃を受けた中小企業は人減らしに走り、15歳から29歳までの若年失業率は実質25%に達している。

 生産性向上が伴わない無理な賃上げで得をしたのは、文政権の支持基盤である大手企業の労働組合員だけだろう。最低賃金がアップすれば全体の賃金が押し上げられたからだ。

 社会格差もますます拡大している。

 学歴社会の韓国では有名大学を卒業することが富を手にするための絶対条件であり、富裕階層は子弟に莫大(ばくだい)な金をかけて塾通いをさせる。

人気のある塾は一科目で月10万円も取るという。親が金持ちでなければ有名大学に入れず、社会階層が固定化してゆく。

 19歳から34歳の人々の約80%が、韓国では努力しても報わることがないと絶望し、「ヘルコリア(地獄の韓国)」を叫びながら国外への脱出に必死だ(19年12月16日付ハンギョレ新聞web)。

今や韓国型資本主義の矛盾が限界に達したことを国民の大多数が実感しており、文氏の目指す「社会主義化」が現実のものになろうとしている。

 ■松木國俊(まつき・くにとし) 朝鮮近現代史研究所所長。1950年、熊本県生まれ。73年、慶応大学を卒業し、豊田通商に入社。直後から韓国担当を務め、80〜84年、ソウル事務所に駐在する。秘書室次長、機械部次長を経て、2000年に退社。松木商事を設立する。韓国問題を長く研究しており、「慰安婦の真実国民運動」前幹事長。著書に『こうして捏造された韓国「千年の恨み」』(ワック)、『日本が忘れ韓国が隠したがる 本当は素晴らしかった韓国の歴史』(ハート出版)など。

韓国産業界「日本頼み」からの脱却が絶対にできない理由

2020-02-17 12:02:09 | 日記
韓国産業界「日本頼み」からの脱却が絶対にできない理由
※週刊ポスト2020年2月28日・3月6日号
2020/02/17 07:00

© NEWSポストセブン 提供 「日本頼み」は実現するか(イラスト/井川泰年)
 
コロナウイルス騒動ですっかり過去のことのように思われているかも知れないが、韓国への輸出規制を強化したことによる日韓関係の悪化は改善されていない。韓国の産業界で“脱「日本頼み」”が進んでいるという報道もあるが、そんなことが可能なのか。経営コンサルタントの大前研一氏が考察する。
 * * *
 韓国大法院(最高裁)が日本企業に賠償を命じた「元徴用工」訴訟に対抗し、日本が半導体やディスプレイの製造に必要な化学材料3品目(フッ化ポリイミド、レジスト、フッ化水素)の韓国への輸出規制を強化したことで過去最悪の状況になった日韓関係は、今なお凍てついたままである。
『朝日新聞』(1月21日付朝刊)によると、日本の対抗措置で輸出総額の2割を占める半導体産業が深刻なダメージを受けた韓国は、素材や部品、製造装置の脱「日本頼み」対策(ジャパンフリー)を官民挙げて猛スピードで推し進め、成果を出し始めているという。
 
では、これから韓国は「日本頼み」から脱却することができるのか? 経営コンサルタントの仕事や講演などで韓国を200回以上訪れ、韓国の全財閥と付き合ってきた私に言わせれば、絶対にできないと思う。
 
なぜなら、日本の素材の力は3年や4年で追いつけるような底の浅いものではないからだ。化学メーカーだけでなく、半導体の基板メーカーや電子線描画装置メーカー、ガラスメーカーなどが信頼関係に基づいて連携しながら、何十年もコツコツと研究開発を続けなければならないのである。
 
しかし、韓国の産業界にそういうカルチャーはない。今回の輸出規制で「寝た子を起こした」と見る向きもあるようだが、象徴的な言い方をすれば、3人くらいは起きたとしても、300人は寝ているだろう。なぜか? その理由は韓国産業界のメンタリティにある。
 
もともと韓国人の多くは、自分たちのほうが“先輩”であり、あらゆる面で日本よりも進んでいたと考えている。たしかに、それも一理ある。明仁天皇(現・上皇)も「桓武天皇の生母が百済の武寧王の子孫であると続日本紀に記されていることに韓国とのゆかりを感じています」と述べている。
 
ところが、日本による植民地化と圧政で抑えつけられ、さらに戦後は南北に分断された。その結果、日本の後塵を拝することになった。だから韓国の悲哀は「すべて日本のせいだ」──。韓国の政治家や年配者は、自分たちのだらしなさを棚に上げ、伝統的にそう説明してきたのである。
 
そもそも韓国で戦後に財閥が誕生して繁栄したのは、役人の許認可権限が強いからである。政治家と癒着して役人とつるんだ財閥が、儲かる産業や不動産などの利権を独占してしまうのだ。このため役人と財閥企業の正社員以外は「ヘルコリア」(※地獄の朝鮮。韓国人が就職率・就労率の低さや労働環境の劣悪さなどを念頭に置いて自国を自虐的に呼ぶ言い方)で、夢も希望もない状況になっている。
 
そして財閥は、日本や欧米に追いつき追い越すためにかなり無理をしている。韓国の中小企業によれば、彼らが品質改善や生産性向上、コストダウンなどで良いアイデアを出したり新しい技術や製品を開発したりしても、財閥に全部吸い上げられてしまい、自分たちは割を食って細るだけなので無駄な努力はしないという。だから韓国では中小企業が育たず、産業の裾野が広がらないのだ。
 前出の『朝日新聞』の記事によると、今回の局面では、財閥の大企業が率先して脱「日本頼み」に動き出し、素材や部品の開発を目指す中堅・中小企業に多くの大企業が生産ラインを開放しているという。
 
だが、前述したように、素材などの開発には多業種の企業が連携して何十年もかかる。韓国の産業界にそれができるメンタリティと研究基盤はなく、財閥のトップが号令をかけたらその間は進むかもしれないが、長続きはしないだろう。
 
しかも、限られたエリートが役所や財閥企業に就職し、そこから落ちこぼれた人たちは中小企業に入って、いくら努力をしても財閥に土足で踏みにじられるという歪んだ構造がある限り、脱「日本頼み」を達成するのは無理だと思う。
 
また、韓国ではエンジニアが冷遇されている。象徴的なのは社屋や工場だ。財閥企業の文系ホワイトカラーは高層ビルの本社オフィスにいるが、エンジニアは工場の天井から吊り下げた中二階のような環境が悪い一画に押し込められていることが多い。韓国でエンジニアになるということは、文系ホワイトカラーの“しもべ”になるのと同義と言っても過言ではない。
 
インドや台湾などの場合は文系ホワイトカラーよりエンジニアのほうが優遇されているし、日本では文系も理系も現場勤務からスタートするケースが多いが、韓国では稀だろう。エンジニアを下に見る韓国のメンタリティの“伝統”は、今後も変わらないと思う。
 
輸出規制強化の対象になった3品目をはじめとする日本製の素材や部品の中には、韓国が日本に頼らずに製造できるものもある。ホワイト国(※輸出管理制度上の優遇措置の対象国。現在は「グループA」。

以下、グループB、C、Dと呼ばれる)や台湾経由で迂回輸入するという方法もすでに使われている。
実際、サムスン電子は輸出規制が強化された直後に副会長が来日し、迂回輸入で調達できるように奔走していた。韓国に工場を建設する日本企業もあるかもしれない。だから、もちろん油
断は禁物だが、本質的な意味で韓国に脱「日本頼み」はできない、と私は見ている。
※週刊ポスト2020年2月28日・3月6日号