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韓国、「通貨危機への道」今年の景気は最悪、製造業の沈滞著しく「ウォン安誘発」

2020-02-07 17:50:36 | 日記
勝又壽良のワールドビュー

好評を頂いている「勝又壽良の経済時評」の姉妹版。勝又壽良が日々の世界経済ニュースをより平易に、かつ鋭くタイムリーに解説します。中国、韓国、日本、米国など世界の経済時評を、時宜に合わせ取り上げます。


韓国、「通貨危機への道」今年の景気は最悪、製造業の沈滞著しく「ウォン安誘発」

2020年02月01日

韓国経済ニュース時評アジア経済ニュース時評
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中国の新型ウイルスは、韓国人の不安心理を極度に高めている。中国人観光客が、来韓しないだけでなく、韓国人自身が繁華街へ姿を見せなくなってきた。商店街の売上は落込んでいる。

最低賃金の大幅引上げ・週労働52時間制に加え、中国ウイルスの襲来によって、韓国経済は「三重苦」に襲われている。今年の経済成長率は当然、さらなる悪化は免れない。



中国での新型ウイルスによる感染者数は、すでに1万人を超えている。SARS(2003年)を上回った。この先、感染はどこまで拡大するか不明である。

韓国経済への打撃は、GDP成長率で見れば、SARS時の0.25%ポイント・ダウンを上回る。今年のGDPは1.5%程度の成長率を覚悟する必要があろう。

新型ウイルスは、時間が来れば沈静化するが、もっと恐ろしい動きが韓国経済を襲っている。

文政権による最低賃金の大幅引上げ・週労働52時間制が、製造業の設備投資を抑制していることだ。

製造業こそ国力の基盤をなす。安定した雇用を維持し、イノベーションを推進する原点であるからだ。文政権の反企業・反市場政策が、ついに限界に突き当たった。

『朝鮮日報』(2月1日付)は、「韓国製造業の生産力が最近48年で最悪、沈滞ではなく災難レベルだ」と題する社説を掲載した。


(1)「韓国製造業の成長潜在力を示す生産能力が昨年は1.2%減少し、1971年に統計を取り始めて以来48年間で最大の下げ幅を記録した。

アジア通貨危機当時でさえプラスだった製造量の生産能力が、文在寅(ムン・ジェイン)政権発足直後の2018年にはじめてマイナス0.2%を記録し、それから1年でマイナス幅がさらに大きくなったのだ」

経済の実物指標では、生産能力指数、稼働率指数、在庫率指数など数々ある。その中で、生産能力指数は、設備投資を反映したもので潜在的な生産能力を示している。

その生産能力指数が、昨年は何と48年間で最大の下げ幅である。これは、深刻な問題だ。

企業が、韓国経済の成長性を見限ったことを意味するもの。文政権登場は、韓国経済にとって最大の「疫病神」である。こういう私の見方を裏付けているように思う。韓国は危機である。



(2)「実際に工場がどれだけ稼働しているかを示す製造業稼働率も72.9%にとどまり、これも通貨危機以来21年ぶりの低い数値だった。単なる沈滞ではなく経済の活力そのものが失われる災難とも言えるレベルだ」

稼働率指数も下落している。生産能力指数が落ちている状況下で、稼働率指数が落ちているのは、経済界の先行き見通しをさらに悪化させている。適正稼動率は80%程度とされる。企業は、これをベースに採算を弾いているはずだ。

ところが、昨年の稼働率指数は72.9%である。採算が悪化して当然である。これがまた、企業の設備投資を抑制するという逆スパイラルに落込んできた。

(3)「韓国政府の政策は労組寄り・反企業になり、企業は国内投資を嫌って海外に逃れた。昨年の設備投資は7.6%減で、これもここ10年で最大の下げ幅を記録した。産業生産はわずか0.4%の増加にとどまり、19年ぶりの低い数値だった。製造業の雇用はここ一年で8万人分も消えた。主力企業の業績も次々と墜落している」

文政権は、支持基盤の労組と市民団体に褒められる政策しかやらない。

それは、産業にとってマイナス材料であり、経済を縮小均衡に向かわせている。

これが、雇用不安を招いている最大の要因だ。労組寄り・反企業の政策(最賃大幅引上げと週労働52時間制)が、皮肉にも雇用不安の元凶である。文政権は、こういう矛楯点を理解できないほど幼稚である。

(4)「民間の(消費)支出が6分期連続でマイナスを記録する前例のない事態も起こっている。通貨危機当時でもなかった現象だ。

昨年末から半導体景気が回復の兆しを示したかに見えたが、「武漢肺炎」という新たな悪材料に襲われた。すでにデパートや映画館などは客足が途絶え、現場の景気は凍り付いている。事態が長期化すれば韓国経済にとって非常に大きな悪材料になるだろう。内憂外患の「パーフェクト・ストーム」を懸念しなければならない状況だ」

韓国は、大統領制であるから弾劾でもない限り5年は続く。

議院内閣制であれば、内閣総辞職で事態の打開が可能である。

韓国国民は、「悪い大統領」でも法に触れなければ5年我慢しなければならないのだ。

この5年間の空白は、取り返しのつかない事態を招く。

通貨危機が起これば、どうにもなるまい。その意味で、「ウォン安」の進行は韓国の危機を告げるバロメーターになってきた。

現状は、1ドル=1200ウォン寸前に来ている。ここを割り込んでウォン安が進めば、「また来た道」になる。

3度目の通貨危機だ。


東南アジアで見られた韓国人の差別意識

2020-02-07 15:41:52 | 日記
日本だけではない?“嫌韓”が世界中に広まっている!

東南アジアで見られた韓国人の差別意識


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 世界で最も温厚な民族の日本人を激怒させた韓国人。横暴で品のない外道なふるまいは、アジア諸国だけではなく、アメリカ、ヨーロッパ、アフリカ、南米で嫌われ、今や「嫌韓」は世界の“常識”になっている。現在の韓国の嫌われっぷりとは──。

 12日、ベトナムのホーチミン市にある韓国系シーラバッグ・ベトナム社。食品の包装品を作るこの会社で、約1000人の地元労働者が韓国人幹部たちへの怒りを爆発させ、ストライキを起こした。ベトナム情報誌の記者が語る。

「以前から労働者は劣悪な環境に改善を求めていました。1000人に対してトイレは3つだけ。会社が設定した1時間のトイレタイムの間でしか利用を許されず、時間内に用を足せない人も多い。それ以外の時間に腹痛でトイレに駆け込もうとすれば、見張り役の社員に阻止され、泣いて頼んでも許可されなかったそうです。会社が用意する食事もひどくて、砂利やウジ虫が混ざっていました」

 職を失う覚悟でストを起こした従業員たちを、韓国人幹部は「このストライキは違法」と、たったひと言でムゲにあしらったのだった。

 ソウル在住歴3年の東京新聞編集委員の五味洋治氏はこう語る。

「88年のソウル五輪の成功や、急速な経済発展を遂げたことで世界に肩を並べたと自負し、傲慢な態度が目立つようになりました。

韓国人は、自分たちが最も正当で優秀な民族だと思っています。

歴史的にも儒教の伝統があり、国同士だけでなく、人間関係も上下関係がハッキリしているため、自分たちより貧しいと判断した国や人種を見下すのです」

 経済発展途上にある東南アジア諸国への横暴は目に余るほどで、昨年9月には韓国国内では、カンボジア人移住労働者への“虐待”が明らかになった。

「韓国人の農場主が、雇ったカンボジア人女性が暮らす宿舎に人糞をまき散らしました。

女性が抗議すると、『お前らは糞とまったく同じだ』と暴言を吐き、耐えられずに移住労働者支援の会に逃げ込みました」(在韓ジャーナリスト)

 この一件はカンボジア国内にも伝わることとなり、「嫌われ度」が増したのだ。

結果、カンボジアでは韓国人との国際結婚が一時、禁止となる措置がとられている

 韓国人旅行客が多いフィリピンでは「韓国人アレルギー」が如実だと言うのは、バックパッカーでフリーライターの浜田健吾氏。

「現地の住民に人種差別発言を繰り返し、態度は横柄で暴力も振るうため、ゴルフ場や飲食店では、『韓国人お断り』の貼り紙を見かけます。

韓国人が多いエリアでタクシーに乗ると、『韓国人か?』とドライバーに確認される。一度、試しに『そうだ』と答えたら、ものすごい剣幕でどなられて乗車拒否されました」

 また、タイでは旅行情報サイトで、「3月14日より韓国人の陸路国境を利用しての出入国が不可になった」と報じられた。

「今までタイ人が韓国旅行に行くと、仁川空港で入国拒否されることが多く、過去には国内メディアが一斉に『韓国に絶対行くな』と警告したこともあり、今回の出入国規制は韓国への報復措置かと噂されています」(浜田氏)

“ほほえみの国”タイでさえも、韓国人には笑顔を見せないという。

韓国が「世界中で嫌われる」ヒンシュク実態“やっかい者扱いされる”理由

2020-02-07 15:28:09 | 日記
韓国が「世界中で嫌われる」ヒンシュク実態“やっかい者扱いされる”理由

アサ芸プラス

2019年9月2日 05:58 28

なぜ世界中から韓国は嫌われるのか。評論家の室谷克実氏の話。

「現地の人が最も目くじらを立てているのは、韓国人移民コミュニティー。

海外に飛び出した韓国人移民は現地に溶け込まず、韓国系だけまとまって住もうとする。

そして、地元の業者を露骨に蹴落とそうとするので摩擦が絶えないんです。

中でも韓国人は白人にはペコペコするが、黒人に対して差別的に当たる面があり、移民という立場でも事大主義の発想から抜けきれないのでしょう。


92年にロサンゼルスで発生した黒人暴動で韓国人経営の店が集中的に狙われたのも、そうした要因が積み重なったためです」

 
実際、ランキング1位の嫌韓国となった中国では、アメリカに忖度して韓国が、終末高高度防衛ミサイル(THAAD)の設置を決めたことで、中国の観光客が一斉に韓国旅行を取りやめて騒然となったことがあるほど。実害がなければ強気

韓国が「世界中で嫌われる」ヒンシュク実態“やっかい者扱いされる”理由

韓国の嫌がらせ外交がついに一線を越えた。

今度は、韓国大統領府が日本との軍事情報包括保護協定(GSOMIA)の破棄を電撃決定。

相次ぐ韓国の反日行動にはホトホトあきれるばかりだが、国際世論も韓国人のヒンシュク行状には怒り心頭のようなのだ。

外信部記者が語る。

「今回のGSOMIAの破棄には、同盟国のアメリカも激怒した。

ポンペオ米国務長官は『失望した』と発言。

行きすぎた文在寅大統領(66)の反日姿勢に釘を刺したものの、日本側の反発も必至で、当面、両国関係は修復不可能な応酬戦の様相が続きます」

だが、こうした状況は日韓関係に限らない。

韓国の傍若無人なふるまいは、世界中からやっかい者扱いされているとイギリスのBBCも報じているのだ。

ソウル駐在経験のある全国紙記者が解説する。

「BBCでは不定期に、大規模な主要国のイメージアンケートを実施。

イギリスなどのEUやアメリカ、アジアでは中国や日本に加えて、韓国も対象となっています。

おおむね、各国とも好意的な意見が多いですが、韓国だけは、嫌いな国に挙げられる率が高いのが特徴。


最新の17年の調査でも嫌韓のトップは中国がダントツの71%(好感は25%、以下同)。

2位には、ブラジルの46%(同36%)。3位のフランスは44%(同45%)。

4年前の調査では65%(同17%)でアンチ韓国のトップだったドイツは32%と後退していますが、依然として韓国への好印象が11%とずば抜けて低い傾向は変わりありません。

ちなみに13年の調査では、日本は嫌韓国で13位でしたが、最新調査では、アンケートの対象となっていません。

同様に日本での調査についても韓国人はアンケート対象から外されており、当時の日韓関係に配慮したものとみられていますが、それでも嫌韓の流れは世界的な傾向と言っていい」

韓国、「明暗」現代自、ウイルス禍で部品輸入杜絶、日本車は東南ア輸入で「無傷」

2020-02-07 14:56:41 | 日記
韓国、「明暗」現代自、ウイルス禍で部品輸入杜絶、日本車は東南ア輸入で「無傷」

2020年02月07日

韓国経済ニュース時評日本経済ニュース時評
.韓国、「明暗」現代自、ウイルス禍で部品輸入杜絶、日本車は東南ア輸入で「無傷」


中国の新型コロナウイルス蔓延で、湖北省の生産はマヒ状態にある。自動車部品も例外でない。現代自の部品は、約8割が中国依存で7日から韓国国内での組立て作業はすべて中断した。いつ再開できるか、メドは全く立っていない。売上不振で悩んできた上に、部品で追い打ちをかけられた格好である。

一方、日本のトヨタ、日産、ホンダの部品供給は、国内以外に東南アジアが主体で、ウイルス禍の影響を全く受けていない。韓国と好対照だ。これは、日本車が早くから東南アジアへ進出したので部品企業も並行進出した結果である。

『朝鮮日報』(2月7日付)は、「武漢肺炎で現代自は稼働中断、トヨタはフル稼働、明暗分かれた韓日自動車産業」と題する記事を掲載した。


中国の「武漢肺炎」の影響で韓国と日本の自動車業界の明暗が分かれている。韓国の自動車メーカーは中国からの部品供給が途絶え、稼働を中断しているのに対し、部品の供給先を多角化した日本メーカーは今のところ特に打撃を受けていない。

(1)「韓国の自動車メーカーが相次いで工場稼働を中断したのは、部品のうちワイヤーハーネスの供給に支障が生じたからだ。現代自の場合、ユラ・コーポレーション、キョンシン、THNなど韓国の部品メーカーからワイヤーハーネスの供給を受けているが、その大半が中国工場で生産され、韓国に輸出されている。ワイヤーハーネスは車体上のさまざまな電子部品をつなぐケーブルの束であらゆる車種に必ず使用される。複雑な技術は必要ないが、モデル別にそれぞれの規格に合わせ、精密に製造する必要があるため、手作業で生産されている」

輸入が杜絶した部品は、ワイヤーハーネスである。車体上のさまざまな電子部品をつなぐケーブルの束で、あらゆる車種に必ず使用される部品だ。これがたった一つないために、組立て作業はストップした。

(2)「韓国の自動車メーカーが部品一つの供給トラブルで対応に苦慮しているのに対し、トヨタなど日本メーカーはこれまで特に打撃を受けていないという。トヨタ関係者は「本社に尋ねた結果、部品供給には全く問題がないという回答があった」と答えた。ホンダ、日産なども武漢肺炎による生産への影響は特にないという。日本メーカーもデンソー、古河電工、矢崎総業、住友電気工業など主に自国の部品メーカーからワイヤーハーネスの供給を受けている。しかし、現代・起亜自の中国進出と共に中国に生産ラインの大半を置いた韓国の部品メーカーとは異なり、日本メーカーは東南アジアでもかなりの量を生産している」

日本の完成車企業は、日本の部品メーカーからワイヤーハーネスの供給を受けている。同時に東南アジアでも生産するという多角化体制を構築している。この点が、韓国とは全く異なっている。韓国は、中国へ集中し過ぎた弱点が表面化した。

(3)「日本の部品メーカーが東南アジアに生産を多角化したのはメーカーの海外進出と密接な関係がある。現代自が中国に5工場を集中させたのに対し、トヨタ、ホンダなど日本企業は早くから東南アジア市場への進出に力を入れた。その上、東南アジア市場は中国よりも相対的に人件費が安く、複数の工場を稼働できた。完成車メーカーと共に東南アジア市場に進出した日本の自動車部品メーカーは現地で投資、雇用を増やし、根を下ろすことに成功した」

日本では、有力自動車メーカーがひしめいており、部品生産体制が国内外で整備されている。そのメリットを受けて、今回のウイルス禍を回避できたものだ。

(4)「現代自にワイヤーハーネスを最も多く供給するユラの場合、中国に9工場を置いているのに対し、東南アジアにはベトナムに1工場があるだけだ。一方、日本の古河電工は中国の深セン、重慶、武漢のほか、タイ、フィリピン、カンボジアなどでもワイヤーハーネスを生産している。矢崎総業もカンボジアでかなりの量を生産し、各国の日本の完成車メーカーに供給している」

日韓の自動車部品メーカーの海外立地を見ると、韓国の中国集中に対して、日本は中国以外にも分散している。日本は、今回のような突発的な事故が起こっても、無理なく乗り越えられる体制になっている。

文政権揺らす「嫌中ウイルス」 新型肺炎対応正念場に

2020-02-07 14:43:36 | 日記
文政権揺らす「嫌中ウイルス」 新型肺炎対応正念場に

ソウル支局長 鈴木壮太郎

新型肺炎 朝鮮半島ファイル 中国・台湾 朝鮮半島 2020/2/7 0:00日本経済新聞 電子版

韓国を代表する観光名所、景福宮前に掲げられた「中国人入国禁止」の垂れ幕

新型コロナウイルスの感染拡大防止に追われる韓国の文在寅(ムン・ジェイン)政権が、もうひとつの敵に直面している。韓国社会で頭をもたげる中国人への嫌悪感情だ。

「嫌中ウイルス」のまん延を放置すれば、政権基盤をも揺るがしかねない。

「中国人の密集地域への配達禁止を」――。

韓国で5割のシェアを握る出前アプリ「配達の民族」の配達員でつくる労働組合が1月28日、会社側にこんな要求を突きつけた。

新型肺炎の感染拡大で「多くの人々と接触せざるを得ない配達労働者の不安感と危険度は高まっている」として、配達禁止または危険手当の支給を求めたのだ。

■恐怖感と不信感が連鎖

韓国で暮らす中国人は100万人を超える。

その多くが豊かな暮らしを求めて移住してきた朝鮮族(朝鮮系中国人)だ。

ソウルには中国人が寄り添って暮らす地域がある。韓国を訪れる外国人観光客も中国人が最多で、2019年は約600万人が訪れた。日本人の2倍だ。


新型肺炎厳戒のソウルでは観光地の職員もマスクを着用(ソウル中心部の徳寿宮)

露骨な中国人差別に批判の声が上がると、上部組織の民主労総サービス連盟は同日、「少数者に対する非常に不適切な嫌悪表現があった。

重大な責任を感じ、傷ついた方々に謝罪する」との声明をフェイスブックに掲載した。

会社側も同日、「いま重要なのは個人レベルの衛生管理を支援することだ。配達禁止地域の設定や危険手当の支給は考えていない」と発表した。

韓国での感染者は6日時点で23人。現時点では大流行とはいえない。だが、38人の死者が出た15年の中東呼吸器症候群(MERS=マーズ)流行の記憶は生々しく、感染症への警戒感は日本以上に強い。

中国・武漢発の新型肺炎への恐怖感と、韓国社会にくすぶる中国への不信感が結びついた今の社会の雰囲気を、韓国メディアは「嫌中ウイルス」と命名した。

韓国には米軍の地上配備型ミサイル迎撃システム(THAAD)の韓国配備を受け、中国から「経済報復」を受けた「恨」(ハン)がなお残る。

中国は団体観光客を一斉に引き揚げ、韓国の観光地は閑古鳥が鳴いた。米軍に土地を提供したロッテは徹底的にいじめ抜かれた。中国にあるスーパーは消防法違反を理由に営業停止処分が下され、ついには中国撤退に追い込まれた。

■「中国人の入国禁止を」68万人が賛同

「中国は恐怖の殺人肺炎について、全世界が納得する情報を公開せよ!」――。2月4日。ソウルの繁華街、明洞にある中国大使館前では保守系の市民団体がシュプレヒコールを上げた。すぐにはがされたが、ソウルのある食堂では一時「中国人立ち入り禁止」の張り紙が掲げられた。

中国大使館前で抗議する市民団体。垂れ幕には「中国は恐怖の殺人武漢肺炎の情報公開を」と書かれている

「北朝鮮でさえ中国人の入国を禁止している。中国人の入国禁止を要請する」――。大統領府ホームページの「国民請願」では、この意見への賛同者が68万人を超えた。20万人を超える請願には大統領府が回答する決まりだが、まだ回答はない。韓国のネットメディア、デイリーアンの世論調査では76.9%が「中国人の入国は全面禁止すべきだ」と回答した。

■野党は政権攻撃材料に

野党は「嫌中ウイルス」を文政権への攻撃材料に使っている。保守系野党の自由韓国党スポークスマンは5日「中国はいまだにTHAAD報復を解いていない」と、苦い記憶を想起させた上で「政府がよもや国民の命と安全を担保に中国の顔色をうかがっているのではないことを祈る。断固たる措置を取るべきだ」と、中国人の入国禁止を要求した。

韓国も嫌中一辺倒ではない。中国人が集う観光地、明洞の食堂では「武漢加油」(頑張れ武漢)の立て看板も

文政権は難しいかじ取りを迫られている。韓国政府は4日から、最近2週間に湖北省を訪問または滞在した外国人の入国を拒否している。新型肺炎の致死率が武漢市を除けば低く重症化の事例もないことから、現時点ではこれ以上の入国禁止措置の拡大はしない方針だ。

中国人の入国禁止に踏み切れば中国との関係悪化は避けられない。中国とは習近平(シー・ジンピン)国家主席の上半期の訪韓を調整しており、むやみに中国を刺激したくない事情もある。韓国は中国への経済依存度が高く、韓中間のヒト・モノの往来が途絶えれば経済への影響も大きい。

■朴前大統領の二の舞いリスク

とはいえ、中国人の入国禁止を求める国民の請願を聞き入れず、仮に韓国内での感染が急増するような事態になれば、政治的には致命傷を負いかねないリスクもある。国民の生命より中国との関係を優先したとのそしりだ。


韓国の政権にとっては国民の安全は最優先課題だ。304人が死亡した14年の旅客船セウォル号沈没事件で初動を誤った朴槿恵(パク・クネ)大統領は弾劾され、政権与党だったセヌリ党(現・自由韓国党)の支持率も地に落ちた。

「中国の困難は私たちの困難につながる。中国と力を合わせて緊急事態を共に克服する」。文氏は3日の会議でこう強調した。文氏は連日、黄色い防災服を着て登場し現場も視察する。それは今回の対応を誤れば朴前大統領の二の舞いになりかねないという強い危機感にほかならない。

鈴木壮太郎(すずき・そうたろう)
1993年日本経済新聞社入社。産業記者として機械、自動車、鉄鋼、情報技術(IT)などの分野を担当。2005年から4年間、ソウルに駐在し韓国経済と産業界を取材した。国際アジア部次長を経て、2018年からソウル支局長。