北大路機関

京都防衛フォーラム:榛名研究室/鞍馬事務室(OCNブログ:2005.07.29~/gooブログ:2014.11.24~)

【京都幕間旅情】榛名さんの総監部グルメ日誌:京都-四条,熱いアラビアータは午後二時からのランチタイムで

2024-02-25 18:22:01 | グルメ
榛名さんの総監部グルメ日誌
 イタリア。暖冬が凄いと言われた割には急な寒の戻りの中で空腹感を覚えているところ、すると見えるイタリアの国旗は旨くて量のあるイタリアンのお店を示し空腹の際に幾万の友軍に匹敵する頼もしさ。

 京都散歩、時間を忘れて散策していますとランチタイムを逃してしまう、という事も良くある話で。じゃあ帰れよ、と思われるかもしれませんが散策しているのだからその余韻を食事と共に愉しみたい、ランチせず帰ってしまっては散策ではなく単なる撮影になるゆえ。

 カンティーナアルコ、十年ほど前に暖簾を挙げましたこちらは有名な錦市場をちょっと上ったところの中京区油屋町、洋燈館というビルの一階にありますイタリアンなお店でして、しかしこの中心部の赤レンガ調のお店がちょっと遅めにランチへ漸くお店が開くのです。

 ランチタイム、1400時を過ぎてしまうと急に多くのお店はラストオーダーで切り上げるところが多いのですが、カンティーナアルコさんのランチタイムは1400時から開店なのだ。アラビアータのパスタをいただきます。パスタの量を選べるのでちょっと多目にいただく。

 アラビアータのパスタ、ねっとりとトマトソースが多めでして、多目というのはスパイスもその範疇に加わりまして、これはもう暖かいものというよりも熱いものが胃の腑に落ちてゆき、なにが暖冬だよ東京とか雪降りそうじゃあないか、という最中には熱さが嬉しい。

 パスタは色々選べるものとなっていまして、もちろんここでは昼呑みでワイングラスを傾ける事も出来るのですが、もうちょっと散策して買い物してもアルコール抜けるまで時間がかかりそうなので、アラビアータとコーヒーだけを嗜もう、なにしろ遅いランチなのだ。

 珈琲はエスプレッソで。イタリアンなのだから濃い目の。エスプレッソ単体だと胃の腑が反応してしまいそうですが、アラビアータの辛さと美味しいのだけれどもくどいよね、という豊潤なトマトの余韻を、濃い目のエスプレッソがなにかこう美味しく感じるのです。

 エスプレッソに多めのザラメをドバドバ入れてくいっと飲み干した先にグラッパを注ぐ、という呑み方が有るように聞きましたので、ここでグラッパを一つ頼んでしまいたいところですが、まあそれは今度にしようかな。遅めのランチは1630時までやっているのだ。

北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ
(本ブログに掲載された本文及び写真は北大路機関の著作物であり、無断転載は厳に禁じる)
(本ブログ引用時は記事は出典明示・写真は北大路機関ロゴタイプ維持を求め、その他は無断転載と見做す)
(第二北大路機関: http://harunakurama.blog10.fc2.com/記事補完-投稿応答-時事備忘録をあわせてお読みください)
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【京都発幕間旅情】京成電鉄3700系,東京上野と成田山成田空港結ぶ個性ある通勤電車

2024-02-25 07:01:03 | コラム
■京成電鉄通勤電車
 鉄道、行先がどの方面なのかを一見して理解するためにも電車というのは見た目がそれ程無視できないように思うのだ。

 京成電鉄3700系、東京上野と成田山を結ぶ、だけではなく様々な視線を持つ京成電鉄が1991年より導入したVVVFインバータ制御方式の通勤車両です。この車輛、個性が有って好きなのですが、特に貫通扉の部分に種別表示を示して特急とか快速とか掲示できる点が。

 3700系はステンレスの省エネ車輛、という一種の没個性のような定義ながら、貫通扉に方向幕を備えた方式の車両というのは、中でも貫通扉を正面中央部ではなく側面にずらしました配置、個性というのは、乗っている路線を代替把握させる事が出来て重要だとおもう。

 京成電鉄3000系、対してこの2003年から運用が開始された通称新3000系は、どこかこう小田急3000系と貫通扉の有無を除いて共通点が多く没個性的となっていまして、京成電車沿線に行く、というような動機付けをちょっと飛ばしてしまっている様にもおもえて。

 新京成電鉄N800系電車と北総鉄道7500系電車、しかし京成電鉄3000系は系列会社の二つの会社に姉妹車両を提供していますので、コスト面ではこちらが正解なのかもしれないのですが、前部同じ様に見えているというものは人間が乗る際の利便性を忘れていないか。

 特に相互乗り入れが多い時代です、鉄道車両なんて全部同じでいい、という声が効率化の観点からあるようですが鉄道省10系という戦時急造型車両の失敗が過去にある故賛同できませんし、この車輛に乗れば何処其処に向かう、という視覚的な理解度は重要とおもう。

 京成カラーではあるので、視覚的理解というものは例えば京急線乗り入れの際には、ああこれ京急電車じゃないなというのはすぐにわかるのですけれども。もっとも将来、ウェアラブル端末のARグラスが普及すると、電車に乗り間違えない未来は来るのかもしれません。

北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ
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ロシアウクライナ戦争開戦二年,あなた方は戦う準備はできているのかという問いと平和を悪用させぬ覚悟

2024-02-24 20:24:22 | 北大路機関特別企画
■戦争開戦二年
 2022年2月24日のあの日から二年です。日本は依然として平和を謳歌していますがその平和は維持する努力と覚悟が無ければ願うだけの平和主義では成果としての平和は受け取れない。

 ロシアウクライナ戦争は本日、開戦二年目を迎えました。戦線は膠着していますが、総力戦体制を完成させたロシア軍の人命や装備を考えない攻勢を前に、総力戦体制を固めつつも国力の限界と、現在の戦争を限定戦争と見做している欧米支援の低調や欧米軍需産業の限界により、緩慢ではあるもののゆっくりと押されている、これが二年目の戦争の現状だ。

 支援疲れ、ウクライナを支援する有志国のなかにあって例外的なのは日本なのかもしれません。それは憲法上防衛装備品の提供を自粛し、いや高機動車や個人防護装備と糧食や衛生器材などは奥ているが、そして言語の壁からウクライナ避難民も数千の規模であり十数万を受け入れる諸国とは事情が違う、復興支援や人道支援はODAの規模に留まっている。

 ウクライナ支援、すると世界にウクライナ支援の余力があるのは日本だけではないのかと思うのです。それは、ウクライナを敗北させる事は遠い視点では日本有事に間接的に響くものであり、一方的な侵略を受けたウクライナを敗北させる事になれば、日本の戦後平和主義や平和政策を土台から覆され、大東亜戦争さえ正当化させる時代の再来を意味します。

 捨てている装備位そのまま税金を積んで解体するのではなくウクライナに供与してはどうか、毎年数機のAH-1S対戦車ヘリコプター、毎年数十両の90式戦車、毎年数十門のFH-70榴弾砲、毎年数両のMLRS多連装ロケットシステム、毎年数セットの81式短距離地対空誘導弾、毎年1隻の潜水艦、毎年1隻の護衛艦、毎年数機のC-1輸送機を使えても廃棄へ。

 捨てている装備を、ウクライナへ直接供与できないならば、ウクライナへ軍事供与を行い現役部隊の装備が定数割れとなている欧州諸国やオーストラリアとカナダへ譲渡してもいいのではないか、例えば潜水艦、稼働潜水艦を調達するには邦貨換算一千億円近くが必要で、これを高々20年使っただけの動く艦を供与するならば、受領した国は国防費に余裕が。

 90式戦車やFH-70榴弾砲は、稼働する火砲の少なくない数を供与したことで再生産まで定数割れのまま、全面稼働生産でも代替装備が揃わない国には干天の慈雨というべき装備となりますから、ウクライナへ供与した分の装備補填が無く不足している故に追加生産の装備費用も高騰している国へ廃棄する装備を供与しては、とも思うのです。せめてそれ位は。

 次は西欧の番なのでしょう。ロシア政府はウクライナ軍を相手に大量の損耗を強いられている実情を国内に公式説明する際、公然と、ウクライナ軍との戦いはNATOやアメリカとの戦いとなていると説明し、国内世論に既に解決が難しい欧米諸国との対立の種をまいています。しかし同時に、その欧米諸国にはロシア世論として、日本も含まれているのです。

 あなた方は戦う準備はできているのか。ウクライナのポドリャク大統領補佐官が、ロシアウクライナ戦争開戦二年目に関するNHKの特別インタビューにおいて話されたうちのひとことです。それはウクライナが苦戦を続けている最中、欧米や豪州の有志諸国の軍事援助が滞りがちとなっている状況で、ウクライナが敗れれば次ロシアが向かう先を示唆した。

 日本は制度上、北海道ではロシア軍の上陸を想定した防衛体制を冷戦時代から維持していますし、長年防衛空白地帯といわれてきました九州沖縄南西諸島の防衛も水陸機動団や南西航空方面隊と戦闘機増強に離島防衛ミサイル部隊の強化や早期警戒機増強、その強化を順次進め、間もなく那覇の第15旅団は第15師団へ拡大改編され、一定の目処はつく。

 自衛隊の防衛基盤構築は創設以来大車輪で進められていて、実のところ少ないと言われ続けた弾薬備蓄なども、欧州の現状などを比較した場合は一概に少ない水準ではない。ただ唯一の問題は、戦う準備の優先度で、2000年から2020年代初めまで日本の防衛はミサイル防衛を第一としていたため、ヘリコプターなどがかなり削減されてしまっているのだが。

 自衛隊の準備が出来ているのは、自衛隊は冷戦後戦車と火砲はかなり減ったのですが、それでも欧州NATO諸国を視た倍、自衛隊以上の火砲や戦車を持つ国はアメリカやトルコなどごくわずか、そして冷戦取穴時に最大の護衛艦は、くらま、満載排水量7200tでしたが、今は護衛艦かが、満載排水量27000t、早期警戒機や輸送機などもかなり増強されています。

 冷戦後も防衛力を堅持した背景には、欧州正面ほど平和の配当、というような緊張緩和が北東アジア地域には成り立たなかった事と、もともとGNP1%防衛費、という最小限の防衛費しか長らく財務当局や国民世論が認めていなかった為に、憲法上集団的自衛権行使できず一国で戦わねばならない日本には減らす余地がなかった、ともいえるのかもしれません。

 本土決戦、そう日本の防衛は専守防衛、憲法9条のもとでの防衛は相手を本土に迎え撃って戦うという制度である為、1945年の沖縄戦のような戦いが日本の防衛戦略の基本形となります。自衛隊は絶対後悔されない防衛計画として、あらゆる地域に上陸される事を想定し、相手の輸送能力や部隊規模から防衛戦略を定め、侵攻宗教と揶揄されるような徹底で。

 しかし、これは制度と防衛戦略で、これを担保するのは憲法である、憲法が国民の平和的生存権を担保する為に本土決戦までは国民負担を求めないが、しかし本土決戦となった場合には国民にも、憲法そのものをまもるための負担というものを求められる、という事を、国民、いや群体としての日本社会が覚悟を共有しているのか、という素朴な疑問はある。

 集団的自衛権さえ、漸く第二次安倍政権で、つまり2010年代に、行使し得ることを法制度に盛り込んだため、つまり日米同盟や国連加盟国ではあるものの、日本は専守防衛と本土決戦主義を1954年の自衛隊創設以来堅持し続けてきました訳で、また集団的自衛権の行使は2024年の今日でも制限があり、無制限の行使は出来ず、一国で戦わねばならない。

 あなた方は戦う準備はできているのか。ウクライナのポドリャク大統領補佐官が問うた、日本への宿題のような問いには、日本社会全体で考えなければならないようにも思うのです。そして同時に、マニアの知識と笑われるのですが、ロシアが既に一万発以上をウクライナへ打ち込んでいる自爆用無人機の飛行距離は1500km、沿海州から日本にも届くのだ。

 平和、というものを考えなければならない、少なくとも軍事力による現状変更を試みる世界の国々の為政者に、日本の平和主義を悪用させてはなりません、平和は目的であり国際公序である、すると平和主義を第三国が様々な影響力を通じて日本に手段としての平和を求め結果としての平和よりも重視させるよう機運を醸成させることは、あっていいのか。

 平和を悪用させない、例えば日本が1930年代からの戦争に際して、平和を手段として用いるよう中国やアメリカで交錯していたらどうなったか、というようなものです。その真逆の行動を突き付けられているのではないか、それは社会全体で、平和の定義というものと手段としての平和と結果としての平和、どちらが尊いのかを考える機会が必要と考えるのです。

北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ
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【京都幕間旅情】榛名さんの総監部グルメ日誌:京都-祇園,キエフはいまロシアウクライナ戦争開戦二周年

2024-02-24 14:11:09 | グルメ
榛名さんの総監部グルメ日誌
 ロシアウクライナ戦争の影響は大きい、何故ならWeblog北大路機関が2006年から2022年まで頑なに毎日一回としてきました記事掲載が朝と夜の二回が標準となり戦況分析を行っているほどに。

 ロシアウクライナ戦争開戦から本日で2年となりました。ウクライナにネオナチが欧米支援で政治を支配し大量破壊兵器でロシア系住民を人権侵害しモスクワを狙っている、こんな意味不明の口実で調査もせず隣国に侵攻したロシアは、日本から見ても隣国である。

 日本は平和です、梅花誘う今日この頃は南座はマクロス歌舞伎でにぎわい、外国人観光客訪日再開も順調であり世界の方々が日本を旅して出会いや文化や日常を愉しんでいる、しかし同時に日本の隣国であるロシアは今この瞬間もウクライナを攻撃し続けているのだ。

 キエフ。ここは京都市東山区は縄手通四条上ル廿一軒町、京阪祇園四条駅横の鴨東ビル六階にあります、外国料理の店です。いや、ここは東西冷戦時代から営業していますので、ロシア料理キエフ、というソ連時代にキエフがソ連であった頃からの京都の名店である。

 ボルシチを中心とした手頃なランチからディナータイムには本格的な東欧の御馳走とワイにゃウォッカを愉しめるお店なのですが、しかし、あの戦争が始まってしまうと、キエフ、というお店をロシア料理、というのは少々なんといいますか、気が引けてしまうのですね。

 ウクライナ料理キエフ、こんな感じでいまお店の中にはロシアとウクライナとベラルーシは別の国である事をさりげなくランチョンペーパーに記しているのですが、ピロシキを千切ってボルシチに浸しつつ、赤いビーツのボルシチはウクライナ起源だったか、と考える。

 グリブイという気のこのシチューの上にパイがかぶせられていて外見がキノコのように見える、クリームの滋味に溢れるひと滴をスプーンで堪能しつつ、ウハーはロシアだったかウクライナかポーランドか、ワレーニキはウクライナかロシアなのか、また考えてしまう。

 ロシアンティーを頂きながら、しかしジャムを紅茶とともに口に含む源流はどちらなのか、ジョージアワインというのはアメリカのジョージア州ではなく昔のグルジアと呼んでいたワイン最古の産地から輸入したものなのか、とどうも最近は難しく考えすぎるところで。

 開戦から2年、ソ連時代にはマルクス主義という一つのイデオロギーを元に、言論統制はあるものの範疇では自由が認められ故に共産党内でも多様性が在ったソ連に対して、今のロシアは絶対王政の再来という有り様、美味しい料理を考えつつ国際報道も考えてしまう。

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開戦二年!ロシアウクライナ戦争ロシア軍侵攻開始から二年,停滞する前線とウクライナ軍弾薬不足下の攻防

2024-02-24 07:01:08 | 国際・政治
■ロシアウクライナ戦争
 ウクライナの次はロシアが向かうのは日本ではなく欧州なのかもしれませんが更にその次は日本が含まれる可能性が高くなります。

 本日2月24日はロシアウクライナ戦争開戦記念日です。開戦から二年、最初の一年はロシア軍がウクライナを北方から首都キエフを、東方から東部最大の都市ハリコフを、東南からドンバス地域を、南方からヘルソンを、文字通り全方向から侵攻し、しかし攻撃軸を分散しすぎた事で主攻を定める事が出来ず、各個撃破されることとなりました。

 ハリコフを狙った第1親衛戦車軍がキエフ攻略の停滞を受けハリコフからウクライナを東西横断する形で増援に向うも消耗し壊滅に追い込まれ、一時キエフ近郊まで迫ったロシア軍は停滞の最中にブチャなどでの住民虐殺を行い、しかし徹底した反撃によりロシア軍はキエフとベラルーシ間の全域から撤退、ヘルソンとハリコフからも反撃により撤退します。

 2022年のロシアウクライナ戦争は機動戦に対する歩兵主体の遅滞戦闘を基点に、機械化部隊と無人機による反撃が加わり、いわば機動戦には機動戦での対応となり、戦線はめまぐるしく移動しました。一方、ロシア軍はドンバス地方東部とマリウポリを中心としたアゾフ海沿岸地方、そしてクリミア半島北部の占領地を固守したまま、2023年を迎えました。

 ウクライナは、単純な携帯火器や軽装甲車両などではなく、反撃には長距離砲兵火力と第三世代戦車になにより現用戦闘機が必要であると各国に支援を要請します。最初に供与されたものはHIMARS高機動ロケットシステムとGMLRS精密誘導ロケット弾、そしてイギリスのチャレンジャー2を皮切りにレオパルト2を欧州各国が供与に踏み切りました。

 アメリカから大量のブラッドレイ装甲戦闘車も加わり、更にF-16戦闘機の訓練開始という目処が立った後、2023年にはウクライナ軍は夏季反撃を開始します。ただ、F-16戦闘機は機種転換に想像以上の時間がかかるとして夏季反撃には間に合わず、ロシア軍は占領地を2022年冬季から2023年春季に掛け、高密度で長大な地雷原や陣地帯を構築し要塞化する。

 NATOのドクトリンはエアランドバトル、津波のような機甲部隊の攻撃を受けた場合でも機械化部隊が前進を遅滞若しくは撃破する最中を航空部隊により敵策源地を叩くという基本ドクトリンを構築しており、1980年代から地雷など防御線突破の高へ能力不足が指摘され、突破ではなく包囲か迂回が原則、全戦線の要塞化を地上部隊だけでは突破できません。

 2023年夏季反撃の停滞は、緒戦から地雷原を突破できず、また防御陣地構築を様々な事情から監視継続が出来なかった事で迂回経路なども発見できず、供与戦車のかなりの数を喪失し、肝心の航空機等が全く足りず三カ月間で南部の限られた地域で7kmを前進できたのみ、事実上失敗と云わざるを得なかった、南部メリトポリ奪還などは叶わなかった構図だ。

 2024年、戦線は膠着しています。いや、緩慢な動きがあるのは、2023年末を最後にアメリカのウクライナ軍事支援が停滞しており、ロシア軍の前進を許します。これは冷戦後に重戦力を削減し続けた欧州にはアメリカ以上の軍事支援などは先ず軍需産業を再編せねば不可能であるために、非常に緩慢ではありますが人的損耗を無視して着実に前進はしている。

 クピャンスクとスヴァトフクとクレミンナを結ぶ線、2023年初頭の激戦地バフムトの北西部、先々週に遂に陥落したアウディイフカ近郊、ザポリージャ州のドニエプル川東岸地域などで、一日数十m単位ではあるものの十日で数百m規模という着実な速度で前進している。ロシア軍戦死者は19万、ウクライナ軍戦死者は7万を出しながら、二年目を迎えました。

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金門島情勢緊迫化,台湾海峡有事導火線上の金門島で不法操業漁船取締中事故を巡り中台対立激化

2024-02-23 20:17:59 | 国際・政治
■最前線金門島の緊張
 台湾有事は日本有事、という言葉が有りましたが有事の際にはシーレーンは勿論戦闘地域からの航空海上戦闘や浮流機雷など影響は免れません。

 金門島情勢が緊迫度を増してきました。これは2月14日に金門島周辺で発生した、中国不法操業漁船に対する台湾法執行当局公船取り締まりに対して、蛇行し逃亡を図った漁船側が転覆、これにより漁船乗組員2名が死亡したことに端を発するものです。よくありそうな出来事ですが、台湾海峡有事、沖縄からは周辺事態に直結しかねない事態です。

 台湾は過去の金門砲撃戦などの勝利を背景に、対岸の厦門との間などで禁止水域を設定していますが2月20日には禁止水域内を中国公船が航行、これは漁船転覆事件を口実として中国当局側が金門島への禁止水域内航行を常態化させようとしているものでしょう。実際問題として中国当局は台湾側の管轄権を否定する談話を14日に発表しています。

 中国側からの圧力はさらに増しており,中国政府は2月21日、国務院台湾事務弁公室を通じて台湾当局に対し責任者の処罰を求める談話を発表しました。ただ、この主張自体が、台湾側の禁止水域の存在を認めていないというもとで、管轄権の無い船舶が漁船を転覆させた、というもので、台湾というものが存在しないという念頭で示された談話だ。

 台湾海峡危機に発展する一歩ではないのか、これは勿論一両日中に海軍歩兵が金門島に殺到する事態とは考えにくいのですが、金門島周辺において当局の公船の航行を常態化させ、これに対抗する台湾海巡との対立をあおり、口実をつけて海軍を投入する次の段階に進んだうえで、事実上金門島を海上封鎖に追いやり占領するのではないか、というもの。

 台湾側は回避できなかったのか、と言われますと、先ず国際法とは国際慣習の体系化であり、領海に当たる禁止水域と接続水域に当たる制限水域は、既に国際慣習法であるとともに、等距離中間線などの国連海洋法条約は慣習法である以上に強行規範としての性質を持ち、これを一方的に無視する施策を中国側が取ったのですから会費は出来ません。

 金門島は歴史上、人民解放軍が上陸作戦を行い、しかし防御側の万全の準備により大敗を喫したという人民解放軍の忘れ去りたい過去の失敗を抱えている島です。他方で、台湾海峡を越えて台湾有事を戦うには中国海軍には相当の覚悟、日本のシーレーンをふさぐことによる日米の介入懸念を含めリスクがありますが、金門島ならばわたり得る距離だ。

 過去の金門砲戦や金門島上陸は、当時最新鋭戦闘機を揃えていた台湾の中華民国空軍とアメリカ海軍や空軍の抑止力により大敗を喫していますが、当時のアメリカ軍ドクトリンはアイゼンハワー政権時代の大量報復ドクトリンであり、開戦となれば瞬時にアメリカが全力で打撃力を投入してくるだろう懸念が、人民解放軍の行動を大きく制限していた。

 中国空軍はJ-20戦闘機の様な第五世代戦闘機を国産化しているのに対して台湾はF-35さえ供与されずF-16戦闘機、中国海軍は1万tを超える055型大型駆逐艦を次々と竣工させているのに対して台湾はOHペリー級ミサイルフリゲイトをライセンス生産した成功級巡防艦、1950年代と2020年代では状況が根本から違い、在台米軍基地も既にない。

 アイゼンハワー政権のドクトリンはケネディ政権の段階的アプローチドクトリンにより切り替えられ、これは勿論幾多の改編を踏まえているのですが、現在のバイデン政権によるウクライナ支援を見ても判る通り、段階的アプローチの延長線を維持し、大量の武器供与により戦況を一気に変えるような方式をアメリカが採用しない事は自明と言える。

 中国政府が必要性を認識したならば、金門島への限定侵攻の可能性が生じますし、台湾の駐留兵力では防衛にも限界があり、また大陸反攻政策を放棄した台湾には金門島を死守するための総力を派遣する蓋然性は限られ、台湾本島侵攻と異なり金門島だけの限定侵攻では、アメリカや日本の介入も次元の異なる規模しか期待できない、とリスクは数多い。

 民進党新政権への圧力か。台湾総統選では当初有利とみられていた野党国民党を破り、現与党民進党が勝利、頼清徳副総統が蔡英文総統から総統を引き継ぐこととなりました。国民党は蒋介石政権時代から蔣経国政権時代まで反共政策で知られていますが、現在は容共政策に転向しており、北京の中国政府は黙示的に国民党政権を希望していたという。

 海上民兵か、中国共産党は漁民を民兵として運用していることが南シナ海などで確認されていますが、今回の場合はかならずしも海上民兵の偽旗作戦とは言い切れず、実際のところは操業許可の方式で敢えて台湾当局側と摩擦が起こることを容認し、実際に事故が起こったことを口実として公船による示威行動へ段階を進めた、とみられるでしょう。

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【京都幕間旅情】榛名さんの総監部グルメ日誌:京都・円町-梅花香る散策中に旨いすき焼き鍋を昼間から頂こう

2024-02-23 14:46:44 | グルメ
榛名さんの総監部グルメ日誌
 梅の香が散策へと誘う今日この頃ですが今日は美味しいものの香りが寄り道へ誘う話題をひとつ。ここ旨いが千円ちょっとと物凄く安い。

 ステーキはわたしの世代にとっては永遠の御馳走だ、と前回熱弁した後でステーキ屋を慌てて巡った方には申し訳ないのですがもう一つ、すき焼き、これも欠かせない御馳走です。鉄なべでぐつぐつと煮込まれた牛肉と彩る豆腐や葱やら、調和の先にあるおいしさ。

 幸吉、北大路機関は北大路通り沿いですがここは西大路通り沿いのJR山陰線円町駅近く、中京区の西ノ京北円町にありまして、夜にゆったり一人カウンターで熱燗を頂くお店なのですが、なんとランチタイムでもスキヤキ鍋を頂ける、仕事さえ許せばお酒もお昼から。

 すき焼きといっても目の前にコンロを置くのではなくスキヤキ鍋ですので出来上がったものがカウンターに載せられるのだけれども、熱々でこう暖冬のつもりが奇襲的な寒の戻りが襲った今日この頃には心強い援軍の気力となにより湯気と香りがもう、食欲をさそう。

 生卵をそのまま頂ける衛生環境に感謝しつつ、これをまろやかになるように白身も黄身もいっしょくたになるほど徹底的にかき混ぜてしまうか、黄身の部分にじかに牛肉や春菊を潜らせて滋味をそのまま味わうか、こればかりはその日の気分で決めてしまいたいがさて。

 割り下の醤油が醸す発酵どあいと加えられた砂糖のあまみとともに、実のところ直火のスキヤキは時間と共に煮混みすぎ肉が硬くなるのだけれども逆にその分は味が沁みて、こう不思議と変化する味わいのほうが好みになりますが、鉄なべの出来あいは熱さの内に頂く。

 鉄なべを頂くと次第にいろいろな具材が奥底から見つけられるようになりまして、そう、これが鍋物の醍醐味だと思う、そして例外はないようにどれもご飯が進む、しかし、ここで清酒でも一杯やればよかったか、いやまだ陽が高い、ご飯足りるかな、こう昼餉は進む。

 幸吉、円町駅から西大路通り沿いに交差点を渡り左大文字へ歩み進めまして西大路の西側、焼き魚定食も、ランチタイムも夜のメニューは冷蔵庫に材料が有れば定食で出してくれる幸吉さん、今度はカメラの設定がISO25600で固定されないよう確認して再訪したいです。

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【京都発幕間旅情】近鉄21000系特急,アーバンライナーは防弾ライナー-お召列車御料車に活躍する特急車たち

2024-02-23 07:00:37 | コラム
■奉祝-天皇誕生日
 本日は祭日ですので旗日の日章旗を準備しつつ休日掲載の鉄道関連記事をお送りしましょう。

 アーバンライナーは一部が防弾ライナー、と書くとスポールライナーでもはってあるのか、とおもわれるかもしれませんが、本日2月23日は天皇誕生日ということで防弾アーバンライナーの話題を。近畿日本鉄道は伊勢神宮へ京都に名古屋や大阪から直通となっています。

 21000系アーバンライナーplusと21020系アーバンライナーnextと現在アーバンライナーは二系統運行されていまして、御料車は21000系ののちに21020系アーバンライナーをお召列車として運行したといいますが、今回写真のアーバンライナーは21000系のほうです。

 伊勢神宮、天皇陛下が伊勢御行幸に際しましては伝統的に近鉄特急を御料車としてお召列車運行を行っているのですが、この為御料車には万一の事さえ有ってはなりませんので特別な加工が為され、アーバンライナーの一部には防弾装甲が追加されているとのこと。

 アーバンライナー、もっとも、新特急しまかぜ導入後はお召列車、しまかぜ、となっているのですが、不思議な事に更なる新特急ひのとり導入後もお召列車は、しまかぜ、となっています。ビジネス特急よりも観光特急の方が御料車に相応しい、ということなのかな。

 お召列車運行では、運転士は最高水準の運転技術を求められ、選抜された運転士の中でも、聞くところによれば車内のゆかのうえに立てた十円玉が発車と停止の際にコトリと倒れないほどの、振動の無い運転をできる技量をもった運転士がお召列車を運転しているとも。

 特急列車として運行されている今回の写真は、別に防弾という訳ではないのですがこのほかに東海道新幹線にもお召列車を想定して防弾新幹線が一部運行されているといいまして、アーバンライナーのデラックスシートを利用の際、そこはもしや防弾席なのかもしれない。

北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ
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令和五年度二月期 陸海空自衛隊主要行事実施詳報(2024.02.23-2024.02.26)

2024-02-22 20:02:59 | 北大路機関 広報
■自衛隊関連行事
 梅花早めの見ごろを迎える中に寒の戻りという今日この頃を皆様いかがお過ごしでしょうか。天皇誕生日を明日に控え今週末は自衛隊行事が活況です。

 下関港護衛艦いせ一般公開、土曜日と日曜日に下関港あるかぽーと岸壁にて予定されています。佐世保基地が母港であるヘリコプター搭載護衛艦いせ、元々は呉基地が母港でしたのでちょっとした里帰り、ということになるのでしょうか。満載排水量19000tの全通飛行甲板型護衛艦の迫力はなかなかのもので、2011年、東日本大震災の直後に竣工しました。

 いせ一般公開、土曜日と日曜日に予定されているのですが時間が若干変則的となっていまして、土曜日の一般公開は1300時から1530時までで最終受付は1500時、つまり午後です。しかし日曜日の一般公開は0830時から1130時までであり最終受付は1100時までとなっていますので午前中のみ。多くの方が並ぶ場合は待機時間を検討の上お出かけ下さい。

 自衛隊阪神基地一般公開2024Spring、朝って土曜日に予定されています。阪神基地は神戸港にあります海上自衛隊の基地で呉地方隊隷下の基地施設となっています、重要航路である由良水道を機雷攻撃等から防衛するべく、隷下に第42掃海隊が置かれていて、掃海艇つのしま、なおしま、2隻が配備されています。基地隊隷下に由良基地分遣隊などがある。

 阪神基地一般公開には、護衛艦と潜水艦及び掃海艇一般公開が予定されていまして、予定では1000時から1500時までが公開時間であり最終入場が1430時、護衛艦はイージス艦みょうこう入港予定とのことですので、この連休に舞鶴基地周辺を散策してもイージス艦みょうこう不在、という。基地へは神戸市営バスJR摂津本山駅から魚崎車庫行が便利です。

 川内駐屯地創設38周年記念行事、土曜日市街パレードと日曜日駐屯地祭という予定です。間違えても東北方面総監部の置かれている仙台駐屯地に行かないように、一般公開されるのは仙台駐屯地、鹿児島県のほう。第8師団隷下の第8施設大隊などが駐屯しています。市街パレードは土曜日1355時から、尚駐屯地はJR川内駅から5.1kmほど離れています。

 奄美駐屯地・瀬戸内分屯地創設5周年記念行事、日曜日に行われます。もう5年も経つのか、という印象ですが南西諸島防衛の要諦である駐屯地の一つで、第8師団の奄美警備隊、第3高射特科群第344高射中隊、瀬戸内分屯地には第5地対艦ミサイル連隊第301地対艦ミサイル中隊、そして総隊直轄の電子作戦体第301電子戦中隊分遣隊などが駐屯している。

 奄美駐屯地祭は観閲式に観閲行進と訓練展示まで一通り行われます。警備隊に高射中隊と地対艦ミサイル中隊という編成ですが、実はこの三部隊編成が陸上自衛隊の離島防衛における新しい基本様式であり、先島諸島においても同様の部隊が編成されています。そしてお気づきの方が多いでしょうがMLR海兵沿岸連隊もこの編成の影響を受けています。

 長崎港護衛艦みくま一般公開、日曜日と月曜日に予定されている。もがみ型護衛艦4番艦の護衛艦みくま、まさに最新鋭護衛艦の一般公開です。長崎港の長崎水辺の森出島岸壁で一般公開予定、日曜日は1400時から1700時まで、月曜日は1000時から1500時までが一般公開予定、両日とも終了時間30分前に受付終了で、長崎市電出島電停が最寄とのこと。

 高松港護衛艦みょうこう一般公開、月曜日に予定されています。場所は高松サンポート岸壁で時間は午前の部が1000時から1200時までで受付終了が1130時、午後の部が1300時から1500時までで1430時受付終了です。サンポート岸壁は高松駅から歩いて10分少々、ヘリコプター搭載護衛艦くらま最後の一般公開が行われた岸壁と同じ場所で公開されます。

■駐屯地祭・基地祭・航空祭

・2月24日:阪神基地一般公開2024Spring
・2月26日:高松港護衛艦みょうこう一般公開
・2月24日・25日:下関港護衛艦いせ一般公開
・2月25日・26日:長崎港護衛艦みくま一般公開
・2月24日・25日:川内駐屯地創設38周年記念行事
・2月25日:奄美駐屯地・瀬戸内分屯地創設5周年記念行事

■注意:本情報は私的に情報収集したものであり、北大路機関が実施を保証するものではなく、同時に全行事を網羅したものではない、更に実施や雨天中止情報などについては付記した各基地・駐屯地広報の方に自己責任において確認願いたい。情報には正確を期するが、以上に掲載された情報は天候、及び災害等各種情勢変化により変更される可能性がある。北大路機関
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【京都幕間旅情】北野天満宮-梅花祭,東風吹かば雪月花愛した菅原道真公祀る社殿は梅の香が舞う

2024-02-22 07:01:00 | 写真
■北野は梅花はやくも見頃
 梅の花が見ごろを迎えていますので三連休などに参拝と探訪をお勧めしたいほどの景色が広がっている様子をお伝えしましょう。

 北野天満宮、梅の名所は天満宮、いや昨年は梅の名所は城南宮、と紹介したので年々表現を変えてしまうのですが。千年を超える寺社仏閣は数多ありますが、そうこの梅の香りが鮮やかとなるころには散策にと一度は、いや二度三度と参拝に焦がれる。

 菅原道真公を祀る社殿は創建が天暦元年こと西暦947年、昌泰の変として無実の罪を着せられ配流された右大臣菅原道真を慰霊、という甘いものではなく清涼殿落雷事件など祟りを恐れた故に造営したという壮大社殿がありまして、この季節は梅花がつつむ。

 梅花包む、といいますのは菅原道真公が梅花をこよなく愛した、という由来なのですが、では桜の花は嫌いだったのかと問われれば菅家文草という文書に、春夜の桜花を賦す、という一節があり、桜花の美しさを湛えている故、花鳥風月をこよなく愛していた。

 東風吹かば-にほひおこせよ-梅の花-主なしとて-春を忘るな、とは太宰府配流の際に京都を去る最後の一句という。この梅花の楽園ですが、初詣の際は凄かった、もうそれはそれはという受験生の列に列に列が参道延々、航空祭か方面隊行事、という混雑というもの。

 学問の神様、菅原道真公はこう崇敬されていまして、貞観年間に18歳で文章生となり五年後には上位二名に冠せられる文章得業生へ、官吏登用試験の対策方略策に合格、試験対策というものではなく対策という名の試験、時の実力者藤原基経にも可愛がられた。

 菅家廊下という私塾も開いており、受験生の崇敬を集める背景にはこうしたものがあるという。この梅花咲くころにはほぼほぼ受験戦争は大学に関しては終戦を迎えている頃合いですが、梅花香る今日この頃、彼ら彼女らの学問その研鑽の結果や如何にと時折思う。

 今年は梅が早い。のかとおもい昨年の雪景色という情景を見返してみますと、必ずしもそうではなく元々梅は雪に埋もれるように撫で牛とともに冬景色を醸していまして、そう、梅は雪と交わる不思議な季節の花だ、と感じ入った事をおもいだしました。それが今年は。

 異常気象、しかし問題は梅花は雪と交わりいわば雪月花をそのまま具現化するものなのですけれども、問題は雪が降らない事にある。いや僅かに金閣寺が雪化粧したことは今季ありました、が一瞬、見られたのは午前中の数時間のみという寂しいもので当方間に合わず。

 暖冬とはいうものの、すると梅花も開花は早いものだけれども、此処まで早く見ごろになったものだろうか、油断していると雨風がちょっと寒の戻りを演じているうちにもう花弁は積もり始め雪の代役を果たしている模様、するとこれも異常気象なのやも。

 上京区御前通今出川上ル馬喰町、JR山陰線の円町駅から天神川を登ってゆきますと至る社殿です。いや、別に円町まで出る必要はないのかもしれませんが、天神川はこの北野さんよりも上流は崖のようになっていて川沿いの散策などはとても出来ません。故に。

 円町からの散策、お勧めしたいのはこの一帯は住宅街に寺社が点在するとともに、道々に梅花が庭先に植えられたものが満開となっている様子は、さながらここが梅花の穴場、と思ったりするところ、そして飲食店も点在していて、美味しい昼餉もいいもの。

 天神川沿いには、ウクライナは戦争をやめろというロシア支持としか取れない広告を掲げる阿呆のような喫茶店が一つあるのが気分を害しますが、しかし寺社仏閣、歴史ある街道をわずかな距離ではあるのですが醸し、昼すき焼きを愉しめる店もあるのですよ。

北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ
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