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京都防衛フォーラム:榛名研究室/鞍馬事務室(OCNブログ:2005.07.29~/gooブログ:2014.11.24~)

ウクライナ情勢-クピャンスク北東シンキフカ付近の攻防とヘルソン州からフラドキウカ村の長距離攻撃

2023-12-01 07:00:31 | 防衛・安全保障
■防衛情報-ウクライナ戦争
 空挺部隊の無駄遣いというロシア軍の施策を見ますと彼らも相応の訓練を積んでいて軽歩兵部隊として消耗することをどう納得しているのだろうかと。

 ロシア軍はクピャンスク北東のシンキフカ付近において前進した、ISWアメリカ戦争研究所11月23日付発表に概況が示されています。クピャンスクの南北を包囲する様にロシア軍は僅かでも前進しているのに対して、ウクライナ軍参謀本部はウクライナ軍もバフムト南方とザポリージャ州西部で攻撃を発表していますが、前進するには至っていません。

 ロシア軍はクピャンスク周辺で攻撃を計画していると考えられ、またウクライナ軍のドニエプル川渡河作戦に対しロシア軍は第104空挺師団第328空挺連隊を投入しクリンスキー村での激戦に投入しているとのこと。他方、アウディイフカの戦闘ではロシア軍は12両の装甲部隊による攻撃を加えたもののウクライナ軍は撃破に成功したと発表しています。
■ウクライナ軍長距離攻撃
 砲兵の威力は確かであるもののウェットギャップを超えられない限り火砲の制圧範囲は前に進まない。

 ウクライナ軍は長距離精密攻撃によりロシア軍侵攻部隊へ着実に戦果を挙げている、イギリス国防省ウクライナ戦況報告11月24日付発表によれば、11月10日にヘルソン州の戦線から23km離れたフラドキウカ村付近を走行するロシア軍コンボイが攻撃され70名以上が戦死、19日には同じくロシア軍占領下のクマチョフで数十名の死傷者がでています。

 ロシア軍とウクライナ軍が同様に指摘できるのは、長射程兵器の脅威を前に双方とも部隊を分散させる事がこうした攻撃による被害を回避する最適解であるものの、兵站や長期の前線配備による士気への影響を考えた場合は部隊を集結させたほうが合理的だるため、戦闘配置と日常戦力回復の均衡点をどのように確保するのかが課題になっているとのこと。
■アウディイフカへ攻勢
 現代戦は守る側に有利といいますがどの程度ウクライナ軍は春季攻勢を見越したうえで派遣できる戦力があるか、74式戦車と同世代のレオパルト1投入も開始されている。

 ロシア軍は11月22日よりアウディイフカへ攻勢に移った、ISWアメリカ戦争研究所11月24日付報告がその概況を示しています。ウクライナ軍参謀本部は24日までにロシア軍の50両から成る攻撃を撃破したと発表し、ウクライナ軍アウディイフカ軍事局バラバシュ氏の発言として、ロシア軍は悪天候により軍事行動や長距離攻撃を阻まれているとのこと。

 ウクライナ軍はこの時点でザポリージャ西部での攻撃を維持しロボティネ南西1kmの地域でロシア軍塹壕陣地の一つを奪取し、またノヴォプロピフカ近郊でも前進に成功したとしています。ただ、ロシア軍もバフムト南西にあるクリシチフカとザポリージャ州西部のノヴォロクロフカにおいて前進している事が確認され、戦況は各所で動きつつあるもよう。

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