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京都防衛フォーラム:榛名研究室/鞍馬事務室(OCNブログ:2005.07.29~/gooブログ:2014.11.24~)

【防衛情報】航空自衛隊向けF-35B初号機BX-1試験飛行,F-15能力向上型国産ミサイル運用適合性役務とASM-3A配備開始

2025-05-27 20:00:00 | インポート
■防衛フォーラム
 防衛フォーラムというハッシュタグをブログ移転に際し継承できないというのがちょっと何とか調整できないか検討中です。

 航空自衛隊向けF-35B初号機BX-1の試験飛行が開始されました。ロッキードマーティン社が5月13日に発表したところによれば、機体番号201の日本向けF-35Bが飛行試験を行っている。特色としては、空軍仕様のF-35Aと海兵隊が運用するF-35Bの国籍マークや機体番号の記載で、航空自衛隊F-35Aと比較しても国籍マークの位置がことなる。

 BX-1の国籍マークは主翼に描かれており、機体側面部分には記されていない方式を採用していて、また機体番号についても尾翼ではなく操縦席風防隣に記載されている方式で、空軍機ではなくアメリカ海軍やアメリカ海兵隊のF-35B,F-35Cの方式を採用しており、この試験についても海軍などが支援していることを示しています。

 F-35B戦闘機は既に3月の年度末改編において航空自衛隊は臨時F-35B飛行隊を新田原基地へ新編するとともに、海上自衛隊では護衛艦かがF-35B運用適合試験を完了したほか、護衛艦いずも艦上のF-35B発着実験が2021年に改良した後、現在は横浜で護衛艦いずも飛行甲板等の大規模改修工事が進められ運用基盤を構築中となっています。


 防衛省はF-2戦闘機JP-5燃料適合役務に関する契約を三菱重工との間で締結しました。航空自衛隊はF-15戦闘機にJP-4ジェット燃料を採用していますが、海上自衛隊などでは既にJP-5燃料を採用しています。今回のF-2戦闘機へのJP-5燃料適合に関する試験は、まもなく開始される新田原基地でのF-35B戦闘機運用と関係ある事象なのでしょうか。

 護衛艦においても運用されるF-35B、JP-5燃料はF-35B戦闘機燃料として採用されているため、新田原基地の北方に位置する築城基地にはF-2戦闘機2個飛行隊が配備されており、F-35B戦闘機配備とともにJP-5燃料の運用が開始されることから、F-2戦闘機が新田原基地で補給などを行う場合にも適合性について調査することが目的と考えられるでしょう。

 F-35Bは航空自衛隊が代替滑走路をふくむ航空基地以外からの運用を想定して導入してゆくもので、この背景には南西方面有事において、既存の飛行場設備は中国軍弾道ミサイル攻撃により機能喪失などが懸念されています。その一環として、代替滑走路の延長線上に、全通飛行甲板を有する護衛艦からの運用も想定されているものです。


 航空自衛隊はF-15能力向上型への国産ミサイル運用適合性役務について三菱重工との間で契約を成立させました。F-15能力向上型とは、F-15JSIジャパンスーパーインフェクター型を示すものと考えられ、老朽化と共に旧式化するF-15の能力向上改修が、当初計画より大きく遅れて入るものの、アメリカのボーイング社においてすすめられています。

 国産ミサイルについてはAAM-5短距離空対空ミサイル、AAM-4中距離空対空ミサイルが開発されており、AAM-4は同時期に開発されたアメリカ令せオン社製AIM-120AMRAAMと比較し、改良により射程は凌駕されたもののAAM-4Bの開発により射程が延伸、特に巡航ミサイルのようなシースキミング目標への対処能力が向上しているとされています。

 AAM-4Bについては撃ちっぱなし式であるとともに中間指令誘導併用方式であり、その中間指令誘導用にARG-1などを必要としていました、今回F-15JSIには新型のAPG-82レーダーが搭載されるため、このレーダーに中間指令誘導機能を付与させるか、別にデータリンク用アンテナを追加しミサイルと連接するのかについて、適合性を調査するのでしょう。


 航空自衛隊はASM-3A配備を開始するとのこと。ASM-3は従来の対艦ミサイルでは亜音速が主流であり、相手に迎撃対処の時間的余裕を与えるとの懸念から、インテグレーテッドロケットラムジェット方式という、固体燃料方式のミサイル燃料室を燃焼後にそのまま液体燃料の燃焼室として再利用して加速を継続し超音速とする速度重視方式を採用します。

 ASM-3として当初はASM-2に続き2000年頃に開発完了とする方針が当初示されていましたが、防衛予算のミサイル防衛偏重により開発費が縮小され、その開発が長期化、完成の目処が立った2010年代半ばには、15年の期間を経て中国海軍防空間の性能などが大幅に向上、射程が不足するためにASM-3を見送り射程延伸型のASM-3Aが開発されたかたち。

 防衛装備庁ではASM-3Aの射程を更に延伸したASM-3改の開発を継続していますが、今回はその完成を待たず、先ずASM-3Aの量産を開始し、F-2戦闘機の作戦遂行能力を支えるかたち。ASM-3からASM-3Aへどの程度射程が延伸されたのかは開示されていませんが、防空艦の射程外から運用する以上、270kmから350km程度の射程をがひつようです。

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