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北大路機関『自衛隊最新装備2020』イージス艦まや&はぐろ-護衛艦あさひ(年末特集)

2020-12-29 20:17:49 | 北大路機関特別企画
■自衛隊最新装備二〇二〇
 2020年も残すところあとわずか、そこで年末特集としまして本年撮影しました自衛隊最新装備を紹介しましょう。

 自衛隊最新装備、2020年の特集は海上自衛隊の護衛艦が中心となっています。これはCOVID-19新型コロナウィルス感染拡大を受け2020年が自衛隊行事の一般公開全面停止という最中であり、中々に新装備が行事や航海訓練、展示訓練等で公開される事が無くなり、Weblogに掲載できる写真というものは限られる中、最新鋭の護衛艦を撮影できたかたち。

 まや型護衛艦、一番艦まや、二番艦はぐろ。2020年の一年間はこの最新鋭イージス艦の一年という印象です。海上自衛隊はイージス艦8隻体制の完成に向け、まや型2隻の建造を進めています。四個護衛隊群に二隻の防空中枢艦を配備する、8隻体制はこうした狙いがありました。これは8隻8機体制の“88艦隊構想”の延長線上にあり、一つの到達点です。

 DDG-179まや。一番艦まや、は2018年7月30日にジャパンマリンユナイテッド横浜磯子工場にて命名式と進水式を迎え、2020年3月19日に就役、ヘリコプター搭載護衛艦いずも、等が配備される第1護衛隊群第1護衛隊へ配備され、母港は横須賀となっています。イージス艦こんごう1993年竣工から7隻目、イージス艦8隻体制へいよいよ王手という。

 摩耶、重巡洋艦摩耶の名前を継承する護衛艦は、竣工の後、COVID-19の感染拡大によりなかなか横須賀まで撮影に行く事も難しく、思い切って五月連休直後の繁忙期後を考えていたところ、COVID-19に関する政府緊急事態宣言が発令、これにより横須賀での軍港めぐり遊覧船からの撮影を断念した背景があり、神戸初入港を撮影する機会は僥倖でしたね。

 はぐろ。まや型護衛艦の二番艦です。イージス艦はぐろ、は基準排水量8200tで満載排水量は10250t、ベースラインJ7のイージスシステムを採用し、イージスBMDシステムとしてBMD5.1を搭載し、弾道ミサイル防衛に対応した護衛艦です。この情景はジャパンマリンユナイテッド横浜磯子工場にてまさに今建造中の様子、磯子海釣り公園近くで撮影です。

 DDG-180はぐろ、2019年7月17日に進水式を迎えまして、2020年内には公試に漕ぎ着け、竣工は来たる三月の予定です。ミサイル護衛艦しまかぜ交代として第4護衛隊群第8護衛隊に配備されると考えられ、母港は佐世保基地となる見込みです。第4護衛隊群は隷下の第4護衛隊にヘリコプター搭載護衛艦かが、が配備され、こちらの母港は呉基地だ。

 羽黒、重巡洋艦羽黒の名を冠する護衛艦竣工は、同時に護衛艦あまつかぜ以来のターターシステム艦が第一線を退き、イージス艦8隻体制が漸く完成する事も意味します。いずも型護衛艦の配備される護衛隊群へ、まや型が配備されるのも不思議な縁ではありますが、ターターシステム艦である、はたかぜ型2隻は揃って練習艦隊に移管、練習艦任務に就く。

 護衛艦あさひ。2018年に竣工した汎用護衛艦で、あさひ型護衛艦の一番艦です、あさひ、基準排水量5100tで満載排水量7000t、汎用護衛艦としては最大規模の護衛艦であるとともにOPY-1多目的レーダーを搭載する新世代の護衛艦です。また護衛艦としてハイブリッド推進であるCOGLAG方式を採用した初の護衛艦で、まや型にも継承された推進方式です。

 あさひ。二番艦しらぬい、は昨年横須賀入港の際に撮影する機会に恵まれまして、一番艦あさひ、も艤装中の様子を三菱重工長崎工場にて撮影する機会に恵まれましたが、竣工して後の様子は、江田島練習艦隊出航の際にはじめて撮影する事が出来ました次第です。まや、がイージス艦8隻体制へ王手の一隻ならば、あさひ、も同様にいえるかもしれません。

 朝日、戦艦朝日の名を冠し海上自衛隊の護衛艦として二代目の護衛艦あさひ、は護衛艦はつゆき型に始る第一世代型汎用護衛艦を置き換え、ミニイージス艦と当時愛称された護衛艦むらさめ竣工から連綿と建造された護衛艦隊汎用護衛艦20隻の第二世代交代への王手というべき一隻で、二番艦しらぬい竣工により汎用護衛艦の世代交代が完成しています。

北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ
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Unknown (・自衛官の採用試験、遂に6年連続の定員割れへ…自衛隊の深刻な人手不足)
2021-01-02 02:29:34
自民党の佐藤正久議員はネット番組「AbemaTV」に出演し、その中で自衛隊の人手不足に関して「一生懸命募集しても、2014年からずっと採用試験の定員割れが続いている」と語った。

また、「一昨年の例で言えば1万7000名が自衛官の試験に合格して、実際に入隊してくれたのは7000名だった」と合格者の半数以上が採用を辞退する厳しい現状についても語った。

特に深刻なのは海上自衛隊で戦後最悪の人手不足とも言われる。このまま人手不足が続けば、将来的に今の規模で海上自衛隊を維持するのは不可能とまで言われている。
これを受けて政府は陸上自衛隊員や航空自衛隊員を海上自衛隊へと、配置転換する案などの検討に入っている。

→自衛官採用試験、6年連続の定員割れへ(日経)
https://r.nikkei.com/article/DGXMZO66420940Z11C20A1000000?s=5

→海上自衛隊、新規採用だけでは志願者が足りず陸自などから配置転換を検討(日経)
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO66100020R11C20A1PP8000
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