■ロシアは一線を越えたか
ウクライナへのロシア軍ミサイルによる無差別爆撃は厳しい冬季を超える為の重要なインフラを含め民間被害が続出しました。

NATOはウクライナ防空システム再建へより深い関与を行う可能性がある、これは10月12日に開かれたNATOウクライナ国防定例会合においてアメリカのオースティン国防長官が発言したものです、この席上には隣にウクライナのレズニコフ国防相が、その隣にはアメリカのミリー統合参謀本部議長が臨席し、アメリカ関与度合いの転換を示唆しました。

ロシア軍による無差別爆撃はバイデン大統領が考えるロシア政府が越えるべきではない一線を越えた可能性がある、ロシア軍による無差別爆撃は軍事目標にほぼ当らず弾道ミサイルや巡航ミサイルの備蓄に在って精密誘導兵器の備蓄が枯渇したために、精度の低い装備により住宅地域や公園と学校などの施設を無差別攻撃し、人道問題となりつつあります。

NATOのストルテンベルグ事務総長もロシア軍の無差別攻撃については恐るべき人道被害と称しており、ロシア軍が過去にシリアなどに対する絨毯爆撃を行った際よりも厳しい表現となっています。経済制裁により精密誘導兵器の増産目処が立たないロシア軍は今後も人道問題やジュネーヴ条約を無視した無差別爆撃の懸念が続くため、急務の措置という。

オースティン国防長官は、複合的な防空システムのウクライナにおける構築の必要性を示しており、これは長射程の地対空ミサイルによる弾道ミサイル等への防空能力とともに中射程の戦術防空ミサイルによる巡航ミサイルや自爆用無人機による防空能力、そして撃ち漏らしたミサイル等から人口密集地を防空する短距離防空システムと管制システムを含む。

レズニコフ国防相がNATOの協力が必要と要請したのは、ロシア軍侵攻後にIRIS-T防空システムのドイツからの供与を受けた際、運用方式や設計思想が異なり、実運用開始から実際の戦術的成果を上げるまで、ウクライナ単独では時間がかかり過ぎた背景があります、IRIS-T防空システムは短距離用、防空システムは一般論として射程が長い程複雑化します。

NASAMS中距離防空システム、アメリカはAMRAAM空対空ミサイルの地上発射型としてノルウェーのコングスベルク社が開発した防空システムのウクライナ供与を発表しています、これは射程が25km以上あり、改良型AMRAAMの射程を考えた場合は100kmに達する装備となりますが、100km以遠の目標を防空監視し目標を選定する技術的要求は高い。

ミリー統合参謀本部議長は複合的なシステムについて会議の席上で、短距離の低高度防空システムと中距離の中高度防空システム及びロシア航空機と弾道ミサイルの脅威を無力化する長距離高高度防空システムを導入するとし、また、ウクライナ軍従来の防空システムの再構築と維持を行う事も重ねて重要であるとしました。ウクライナはS-300を運用する。

S-300地対空ミサイルの弾薬枯渇が切迫しているのではないか、ストルテンベルグ事務総長とオースティン国防長官が異例といえる表現を用いた背景には、ウクライナ上空でロシア軍は現在、Tu-160などの爆撃機による絨毯爆撃などを行わない背景に、ウクライナ軍の広域防空システムが威力を発揮している状況が有るためです、しかし弾薬には限界がある。

S-300地対空ミサイルは旧ソ連製でありロシアとの開戦後はウクライナに弾薬補充の余地がありません、現在はNATO加盟国となった東欧諸国の旧ワルシャワ条約機構加盟国からの弾薬融通により、枯渇には至っていませんが、ここまでの戦争長期化をウクライナ側が見越していたかは厳しいところで、その時が来た際にNATO標準へ置き換える必要がある。

核攻撃の懸念、もう一つ、ストルテンベルグ事務総長とオースティン国防長官が進んだ発言を行う背景には、ロシア軍が短距離弾道ミサイルや巡航ミサイル等を用いて戦術核兵器を都市攻撃に用いる可能性が、現実味を帯びて来た為です。ロシア軍の目標標定能力は低く、ウクライナ軍は慎重に分散と集中を行う為、第一線の核攻撃以上に都市が危険という。

核攻撃を繰り返し示唆するロシア政府に対して、しかし複合的な防空システムを構築するならば、仮に通常弾頭以外の弾頭を搭載したミサイル攻撃に対しても都市部を防衛する事が可能となり、核攻撃を行った場合でも迎撃され核攻撃を行おうとした事実のみが残る、こうした体制を構築するだけでも、ロシア軍に核攻撃を躊躇させる抑止力となり得ます。

ロシアのプーチン大統領は、NATOの動きに対し14日、滞在先のカザフスタンにおいて、ウクライナへのミサイル攻撃は当面行わない、と発言しました。ただ、無差別攻撃を行った指揮官の更迭などは行っておらず、単純にNATOの決意に対して恐怖を抱いたというところでしょう。一方で、市街地へ無差別攻撃を行った事実だけは、覆しようがありません。
北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ
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ウクライナへのロシア軍ミサイルによる無差別爆撃は厳しい冬季を超える為の重要なインフラを含め民間被害が続出しました。

NATOはウクライナ防空システム再建へより深い関与を行う可能性がある、これは10月12日に開かれたNATOウクライナ国防定例会合においてアメリカのオースティン国防長官が発言したものです、この席上には隣にウクライナのレズニコフ国防相が、その隣にはアメリカのミリー統合参謀本部議長が臨席し、アメリカ関与度合いの転換を示唆しました。

ロシア軍による無差別爆撃はバイデン大統領が考えるロシア政府が越えるべきではない一線を越えた可能性がある、ロシア軍による無差別爆撃は軍事目標にほぼ当らず弾道ミサイルや巡航ミサイルの備蓄に在って精密誘導兵器の備蓄が枯渇したために、精度の低い装備により住宅地域や公園と学校などの施設を無差別攻撃し、人道問題となりつつあります。

NATOのストルテンベルグ事務総長もロシア軍の無差別攻撃については恐るべき人道被害と称しており、ロシア軍が過去にシリアなどに対する絨毯爆撃を行った際よりも厳しい表現となっています。経済制裁により精密誘導兵器の増産目処が立たないロシア軍は今後も人道問題やジュネーヴ条約を無視した無差別爆撃の懸念が続くため、急務の措置という。

オースティン国防長官は、複合的な防空システムのウクライナにおける構築の必要性を示しており、これは長射程の地対空ミサイルによる弾道ミサイル等への防空能力とともに中射程の戦術防空ミサイルによる巡航ミサイルや自爆用無人機による防空能力、そして撃ち漏らしたミサイル等から人口密集地を防空する短距離防空システムと管制システムを含む。

レズニコフ国防相がNATOの協力が必要と要請したのは、ロシア軍侵攻後にIRIS-T防空システムのドイツからの供与を受けた際、運用方式や設計思想が異なり、実運用開始から実際の戦術的成果を上げるまで、ウクライナ単独では時間がかかり過ぎた背景があります、IRIS-T防空システムは短距離用、防空システムは一般論として射程が長い程複雑化します。

NASAMS中距離防空システム、アメリカはAMRAAM空対空ミサイルの地上発射型としてノルウェーのコングスベルク社が開発した防空システムのウクライナ供与を発表しています、これは射程が25km以上あり、改良型AMRAAMの射程を考えた場合は100kmに達する装備となりますが、100km以遠の目標を防空監視し目標を選定する技術的要求は高い。

ミリー統合参謀本部議長は複合的なシステムについて会議の席上で、短距離の低高度防空システムと中距離の中高度防空システム及びロシア航空機と弾道ミサイルの脅威を無力化する長距離高高度防空システムを導入するとし、また、ウクライナ軍従来の防空システムの再構築と維持を行う事も重ねて重要であるとしました。ウクライナはS-300を運用する。

S-300地対空ミサイルの弾薬枯渇が切迫しているのではないか、ストルテンベルグ事務総長とオースティン国防長官が異例といえる表現を用いた背景には、ウクライナ上空でロシア軍は現在、Tu-160などの爆撃機による絨毯爆撃などを行わない背景に、ウクライナ軍の広域防空システムが威力を発揮している状況が有るためです、しかし弾薬には限界がある。

S-300地対空ミサイルは旧ソ連製でありロシアとの開戦後はウクライナに弾薬補充の余地がありません、現在はNATO加盟国となった東欧諸国の旧ワルシャワ条約機構加盟国からの弾薬融通により、枯渇には至っていませんが、ここまでの戦争長期化をウクライナ側が見越していたかは厳しいところで、その時が来た際にNATO標準へ置き換える必要がある。

核攻撃の懸念、もう一つ、ストルテンベルグ事務総長とオースティン国防長官が進んだ発言を行う背景には、ロシア軍が短距離弾道ミサイルや巡航ミサイル等を用いて戦術核兵器を都市攻撃に用いる可能性が、現実味を帯びて来た為です。ロシア軍の目標標定能力は低く、ウクライナ軍は慎重に分散と集中を行う為、第一線の核攻撃以上に都市が危険という。

核攻撃を繰り返し示唆するロシア政府に対して、しかし複合的な防空システムを構築するならば、仮に通常弾頭以外の弾頭を搭載したミサイル攻撃に対しても都市部を防衛する事が可能となり、核攻撃を行った場合でも迎撃され核攻撃を行おうとした事実のみが残る、こうした体制を構築するだけでも、ロシア軍に核攻撃を躊躇させる抑止力となり得ます。

ロシアのプーチン大統領は、NATOの動きに対し14日、滞在先のカザフスタンにおいて、ウクライナへのミサイル攻撃は当面行わない、と発言しました。ただ、無差別攻撃を行った指揮官の更迭などは行っておらず、単純にNATOの決意に対して恐怖を抱いたというところでしょう。一方で、市街地へ無差別攻撃を行った事実だけは、覆しようがありません。
北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ
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