◆高級幹部人事令
高級幹部人事令が発令され、赤星海幕長や角南中方総監らが退職されました。本日は海上自衛隊の人事について紹介します。
政府は7月16日の閣議で、海上幕僚長など自衛隊高級幹部の交代人事を了承した。赤星慶治海幕長、松岡貞義横須賀、武田寿一呉両総監、陸自の酒井健北方、角南俊彦中方両総監、三本明世富士学校長、師岡英行補統本部長、空自の上田完二幹部学校長、技本の寺田和典陸上開発官が退職。 後任の海上幕僚長に杉本正彦自艦隊司令官、横須賀総監に高嶋博視統幕副長、呉総監に泉三省大湊総監、自艦隊司令官に倉本憲一空団司令官、統幕副長に河野克彦護艦隊司令官、護艦隊司令官に松下泰士自艦隊幕僚長、空団司令官に畑中裕生海幹校長、大湊総監に武居智久海幕防衛部長。
陸自の北方総監に千葉徳次郎防大幹事、中方総監に荒川竜一郎陸幕副長、陸幕副長に渡部悦和2師団長、防大幹事に宮下寿広4師団長、富士学校長兼富士駐地司令に山本洋7師団長、空自の北空司令官に斉藤治和統幕運用部長、空幹校長兼目黒基地司令に弥田清北空司令官。 陸上開発官に市田信行5旅団長らを充てる。このほか旅団長ら将補職、1佐職が動く。また、将に10人、将補に18人が昇任する。26日付。
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新しく着任した杉本正彦海幕長は防大18期、自衛艦隊司令官からの昇進で、はるゆき艦長、第6護衛隊司令等を経て第3護衛隊群司令として第二次インド洋派遣任務に旗艦はるな、から指揮を執り、練習艦隊司令官、潜水艦隊司令官、呉地方総監を歴任、昨年に自衛艦隊司令官を拝命し今回の人事となりました。前の赤星慶治海幕長は佐世保地方総監から、その前の吉川榮治海幕長は横須賀地方総監からの昇進で、第一線部隊である自衛艦隊司令官からの直接の昇進は海兵76期の長田博海幕長以来25年ぶりです。
高嶋博視横須賀地方総監は、防大19期、第6護衛隊司令、護衛艦隊司令部幕僚長を経て第1護衛隊群司令としてインド洋派遣第四次派遣隊の指揮を執り、護衛艦隊司令官、統合幕僚副長を経て横須賀地方総監に着任。泉三省呉地方総監は、防大22期、第1護衛隊群司令、海幕総務部長、大湊地方総監を経て今回の人事となりました。インド洋派遣任務という海上自衛隊の任務範囲の拡大と新しい任務を迎えた転換期というべき時期に護衛隊群司令を拝命していた指揮官が多く、頼もしいですね。
新しく自衛艦隊司令官に着任したのは教育航空集団司令官と航空集団司令官を歴任した倉本憲一海将で、航空集団司令官の次に拝命するのは横須賀地方総監や佐世保地方総監が多いのですが幹候3期の古閑健一郎司令官以来こちらも25年ぶりに航空集団司令官から自衛艦隊司令官を拝命、ひゅうが就役と、いせ公試開始という海上自衛隊の航空部隊重視の姿勢を受けての人事となっているようにみえてきます。
HARUNA
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潜水艦ですが、産経新聞以外の報道を見ていませんので、ちょっとなんとも・・・。後追い、どこが出していましたっけ・・・。16隻枠の決定時は、確か、うずしお型の建造が本格化していた時期で、少なくともこのくらいは、という数字だったように記憶します。あさしお型が頑張っていて、まだ、はやしお型が現役の時代の話ですからね・・・。
F-35ですが、あの機体、空中での機動性が相当問題あるようで、しかも超音速飛行の試験が控えめで、大丈夫なのかという気がしないでもありません。もしかして、空戦能力はステルス性を加えてもF-2と同程度に収まるのでは、とも。まあ、対地攻撃能力は高いようなので、将来、航空自衛隊がどこかの内陸部へ侵攻攻撃する計画でもあれば最適なのでしょうが・・・。
ステルス機を探知するレーダー、その雛形になりそうなものをタレスが開発しました。パッシヴレーダー、電波を出さないレーダーなのですが、テレビ放送やラジオ放送、携帯電話の電波等網目のように交わされる電波情報を集約して、航空機が通過した際の電波の遮断を感知して位置を発見するレーダー、100kmほどの距離でヘリコプターや無人機を感知できるとのことで、防衛省技術研究本部も研究しているのですが、“電波を反射しにくい、吸収する”ステルス機の感知に使えそうなのですよね・・・。ステルスの優位性は、将来的にどうなるか分かりません以上、F-35は,ちょっと、と。
F-2の話ですがですが、追加生産ならば、F-Xとして次期戦闘機には挙げられず、単なる生産継続、という意味のような気もします。
キーロフ級ですが、空母に対抗するために、空母艦載機に代えて長距離対艦ミサイルで対抗しよう、という艦でして、しかも長距離対艦ミサイルの弾頭に通常弾頭以外に350ktの戦術核を搭載できるからこその示威力、・・・、ちょっと海上自衛隊には難しいやも。
二万トンのDDGを建造しても、対空ミサイルは多数搭載できても探知距離やミサイルの射程は変わりませんので、数を建造した方がいいようにも思います。
使えたらなあと思った次第です。しかしながら、脅威が、これだけ沢山あると、どう考えても現在の防衛力を相当程度、強化する必要性があると思います。さて、ステルス対策ですが各国で色々と研究が進んでいるのですね。ステルス機が無くとも、ステルス対策できるのが、一番良いとは思います。日本も色々、頑張っているようなので、何とか実用化してもらいたいものです。
本日もご教示ありがとうございました。
F-35ですが、これは侵攻攻撃機としての要素が強いですし、レーダー技術が進歩すれば要撃管制の支援を受けるF-15Jに対しても、優位は保てないのでは、と思う一方で、米空軍がF-22の不足をF-15Cゴールデンイーグル改修で補おうとしている事を踏まえて、F-15Jを掃討能力向上させる余地がある、と踏んでいるのか、もしくはF-35について過大な評価を与えているかどちらかでは、と思います。
航空自衛隊の上の方の人の意見では、ステルス機が絶対必要で、F-117でもいいくらい、と聞かされました。優柔不断では無くF-22の置き換わる航空機を求めている、というのが実情なのでしょう。
南西諸島ですが、海上自衛隊、沖縄の勝連基地に掃海艇が常駐していて、護衛艦も接岸できるのですけれども、補給整備能力を持つ護衛艦の母港としての機能は長崎県の佐世保基地になってしまい、ううむ、海上自衛隊に期待、というのも、基地機能の強化が無ければ・・・。
ミサイル防衛ですが、16隻、というのは、??、前の防衛大綱が約50隻、現大綱が47隻で枠は確保されているのですから、底までミサイル防衛の関係予算に護衛艦定数を削られていないとは思うのですが、どうでしょうか。
島嶼部防衛の奪還作戦ですが、第一に潜水艦による海上封鎖と戦闘機による航空優勢確保が必要となりますので、空中給油輸送機と潜水艦の増勢が何よりも重要だろう、と。潜水艦については検討されているのですが、KC-767については不足、という印象です。