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イギリス海軍、計画中の65000㌧新正規空母クイーンエリザベス級の二番艦を断念

2009-12-29 23:51:41 | 防衛・安全保障

◆日本の空母構想とともに考える

 イギリス海軍は、二隻を建造する正規空母クイーンエリザベス級のうち、一隻の調達を断念するとのことだ。国防予算圧縮と、空母単価20億ポンドに対して、艦載機であるF-35Bの単価が1億ポンドにまで高騰したことが、その背景にある。

Img_8616  海上自衛隊は、ひゅうが型に続く19500㌧型護衛艦(22DDH)の建造が22年度防衛予算に盛り込まれ順風満帆、ヘリコプター搭載護衛艦四隻の全通飛行甲板型護衛艦化への新しい一歩を進めたが、対して、全通飛行甲板巡洋艦インヴィンシブル級三隻を二隻のクイーンエリザベス級正規空母に置き換えようと計画中のイギリス海軍は、突如現れた大きな暗礁を前にその計画はとん挫しつつある。クイーンエリザベス級二隻のうち、一隻の調達を断念した旨、報じられた。10月25日のタイムズ紙に報じられ、世界の艦船に掲載されていたのだが、BBCでも報じられていたと聞き、少し遅くなったものと反省しつつも掲載。

Img_2050  クイーンエリザベス級は、一番艦クイーンエリザベス、二番艦プリンスオブウェールズが建造される計画で、満載排水量は65000㌧、全長284㍍、幅39㍍。ガスタービンエンジンやディーゼルエンジンを搭載しての統合電気推進方式を採用しており、二つの艦橋を有する独特の形状を有する航空母艦として設計、S1850M長距離捜索レーダーとサンプソン多機能レーダーを搭載する大型艦で、45型ミサイル駆逐艦デアリング級とともに機動部隊を編成することとなっている。搭載する艦載機はステルス機であり垂直離着陸も可能なF-35Bで、マーリン哨戒ヘリコプターなど40機を搭載する計画である。65000㌧といえば、ニミッツ級原子力空母ほどではないものの、英海軍史上空前の大型艦ということになる。

Img_7450  イギリスの空母建造計画は、日本にも航空母艦、それも正規空母を導入できるのではないか、という期待をもたらせた。何故ならイギリスの国防費は2007年の時点で551億ドル、GDPは2兆4300億㌦。日本は、防衛費411億㌦でGDPは4兆5600億㌦であるので、国力的には可能であり、しかもイギリスのような戦略核戦力整備に関する費用は防衛予算からはねん出せずに通常戦力の充実に振り向けられるため、イギリスが正規空母を保有できるのであれば、海上自衛隊も、という期待感を日本も持つことができた訳だ。

Img_8455_2  しかし、英海軍の空母建造計画を大きく悩ませたのは、艦載機として調達する国際共同開発のF-35が開発難航という状況に陥っており、現時点で見積もり価格は一機あたり9000万ポンド、更に開発は難航しているため、単価が1億ポンドに達するとみられている。これがクイーンエリザベス級の建造に大きな影響を与えることになる。クイーンエリザベス級は、現在こそF-35を搭載すると決定しているものの、1999年の段階では、艦載機候補にJSFとしてX-32かX-35(現在のF-35)が提案されているほか、ユーロファイタータイフーン艦載型、それに米海軍の空母艦載機F/A-18などの搭載が検討されていた。JSF計画が空中分解した場合の保険としてイギリスはBAE-REPLICA計画という独自のハリアー後継機技術研究もおこなっており、1999年まで計画が進められていたという。候補の機体の中でJSFがもっとも将来有望と考えられ、イギリスの将来空母の能力を大きく高めることができるとの判断から為されたのだが、JSF計画とともに開発されたF-35は、国際共同開発は難航するという手本を示しているほどの状況となっている。

Img_0194  F-35,航空自衛隊では、F-22の導入が難しくなったことから、未だ開発中の機体であるにもかかわらず候補に挙がっている航空機だが、高い高いといわれたF-2支援戦闘機の二倍近い1億ポンドに達するだろうという状況、加えて開発費負担を含めれば単価はより高くなるので、艦載機の価格高騰を見積もることができなかったことが、艦載機を運用する航空母艦の建造計画に大きな影響を与えることとなってしまったわけだ。しかし、もうひとつ、垂直離着陸型のF-35Bを搭載するという一方で、何故65000㌧という建造費が増大する大型艦を建造する計画としたのか、ということになる。

Img_9912  JSF計画と同時期に新空母計画を進めているイギリス海軍も、空母艦載機は2000年代まで未知数のまま計画されており、F-35の搭載が決定したのちも、固定翼艦載機F-35Cか、垂直離着陸が可能なF-35Bか、議論はあったとのことだ。どちらでもよさそうなものだが、F-35Cを運用するのであれば、蒸気カタパルトのような発艦補助装置が必要となり、もちろんカタパルトを搭載すれば、ラファールでもF/A-18でも運用できるのだが、コストや整備作業が大型化する難点がある。他方、F-35Bであれば、カタパルトは不要となるのだが、垂直離着陸機でなければ運用が難しくなる。

Img_9285  しかし、JSF計画が、ここまで難航するということはイギリスも想像できなかったのだろう、欧州共同開発というかたちをとっているユーロファイターが比較的成功裏に開発が進んだのだが、JSF計画は、アメリカが関与したステルス戦闘機ということもあり、そこに各国が必要な仕様を盛り込んだため重量が過大化し、構造重量は大きく、開発プロジェクトは技術者の出入りが多くなる国際共同開発のマイナス面が露呈したかたちとなった。イギリスは、アメリカに次ぐJSF計画の出資国であり、いまさら計画から退くことが出来ない状況、せめて空軍の制空戦闘機にはユーロファイタータイフーンが生産されているため万事休すの状況ではないものの、海軍の空母艦載機には、老朽化が始まっているハリアーの後継機となる垂直離着陸機、つまりF-35Bが不可欠となっている状況だ。カタパルトさえ装備していれば、F/A-18あたりでも採用していれば、無難に完成していたのに、と考える人も、イギリスに少なからずいるのだろうか。

Img_0011  それにしても、繰り返すが、E-2Cのような早期警戒機を搭載する訳でもなく、65000㌧という大型空母にまとめたことでクイーンエリザベス級は建造費が高くなり、3隻のインヴィンシブル級軽空母、そして場合によっては大型のコマンドー空母オーシャンも含め4隻の後継を2隻で対応するという綱渡りを強いることになってしまったわけだ。もう少し小型の空母を4隻、という建造方針としておけば、現在のようにF-35の計画が遅延し調達費が高騰して、建造費を半数に抑える必要が生じたとしても、2隻は建造することができたはずだ。

Img_7548  ここで一つ考えなくてはならないのは、基準排水量16000㌧のインヴィンシブル級軽空母三隻の後継として、65000㌧型の正規空母を建造することとした英海軍だが、垂直離着陸が可能なF-35Bを運用すると決定した時点で、果たして65000㌧の大型空母の建造に拘る必然性はあったのか、ということを真剣に再検討するべきであったということだ。海上自衛隊の13900㌧の、ひゅうが型や19500㌧型護衛艦と比べれば建造費は三倍前後となるクイーンエリザベス級空母、しかしF-35Bを海上自衛隊の護衛艦が搭載したと仮定すれば、2隻の護衛艦と1隻のクイーンエリザベス級とで比較すれば運用の柔軟性は、日本の方式の方が利点が多いのではないだろうか。

Img_8931  もうひとつ、艦載機ありきの空母計画というものは、如何にリスクが大きいか、ということを端的に示しているようにも思えてくる。ただし、65000㌧のクイーンエリザベス級は、将来発展性という意味では19500㌧型護衛艦にF-35Bを搭載する場合よりも利点を有する。クイーンエリザベス級は、2050年代まで、長ければ2060年代まで現役に留まることが考えられるのだが、2060年代までには当然、F-35の後継機が開発される時期でもあり、将来、垂直離着陸機ではなく、従来型の艦載機しか、開発が行われなかった場合でも、65000㌧の船体は、カタパルトの追加装備なども、技術的に行うことができるだろう。

Img_2529  さて、空母二隻は何としても建造したい、というのがイギリス海軍。海上自衛隊の海外派遣でも話題となるローテーションの問題や、空母にかなりの予算を注力できるという関係が背景にある。イギリス本土は、NATOとの集団安全保障により、直接着上陸を受けてロンドンが陥落する、という状況は考えられず、しかも、フォークランド紛争の際のように、イギリスが対外軍事行動を展開する際に北大西洋条約五条に基づく集団的自衛権の行使という位置づけのもとで軍事行動を行えばNATOからの後方支援を受けることも出来るため、後方支援や本土防衛のかなりの部分をNATOに依存することができる。このため、航空母艦建造の優先度を、上位とすることが可能なわけだ。

Img_2016  他方で、航空母艦で無ければ遂行できない遠隔地での任務を考えれば、空母の建造にかなりの注力が可能となるわけである。しかし、空母はフネ、フネは、定期的にドックに入り重整備を行う必要がある。重整備には数カ月を要するもので、保有空母が一隻であれば、空母が重整備に入っている期間、運用できる空母が全くない状況が数ヶ月間続くこととなる。もっとも、フォークランド紛争では、イギリス最後の正規空母アークロイアルが1980年に解体されたのちに1982年勃発しており、一隻がドックに入っていても、抑止力は行使できるようだが、抑止力よりは予防外交として急きょ必要になる場合もある、なんとなれ一概にはいえないのだが。

Img_3934  対して、日本がクイーンエリザベス級のような正規空母を建造しようとした場合、まず、日米安全保障条約はあるのだが、日本本土防衛は基本的に自衛隊が担当する本来任務となっており、後方支援なども同盟国に依存することは出来ないという日本の国情を配慮しなくてはならない。加えて、ロシア・中国という日本周辺国との国際関係は、クイーンエリザベス級を建造するイギリスの隣国、フランスやスペイン、ノルウェーとの間の関係ほど良好ではなく、本土防衛というものについて、日本は充分対応できる程度の防衛力を整備しなくてはならず、航空母艦を本土防衛以上に優先することは出来るわけではない。

Img_9968  さて、F-35の高騰により正規空母二隻体制の実現はイギリス国内でも難しいとして認識されるにいたった。そこで最初に英海軍が検討したのは、二隻の空母を建造し、一隻を正規空母として運用、もう一隻には固定翼機を搭載しないコマンドー空母とする案である。F-35Bは垂直離着陸が可能なので、正規空母がドックに入渠していても、コマンド空母にF-35Bを搭載すれば正規空母として運用することができるということだ。こうすることで、イギリスが導入する138機のF-35B調達計画を50機にまで削減できる、という論法だ。蛇足だが小生友人の提案、F-35全部諦めて138億ポンドを浮かせて一隻20億ポンドのクイーンエリザベス級を6隻建造して、18億ポンドでハリアー改修と足りない部分はジュギュアでも搭載する、という選択肢をイギリス海軍が検討しているという事実は、ない。

Img_7155  二隻のクイーンエリザベス級を建造したとしても、その両方をイギリス海軍が運用するのではなく、海外に売却する、という選択肢も検討されているという。この中で興味を示しているとされているのはインド海軍で、国産空母に加えてイギリスから正規空母を導入するという構想は、国産空母艦載機であるMiG-29に加え、次期艦載機としてF/A-18とラファールを検討しているという情報と結び付けて考えることができる。フランス海軍の次期正規空母PA-2とクイーンエリザベス級は、設計で共通性があり、ラファールの運用も現実的に考えられるものだ。

Img_6906  20億ポンドという建造費は、しかし、海上自衛隊とすれば、こんごう型イージス艦の2.5倍。乗員の確保という問題もあるのだが、海上自衛隊でも、多少の予算的措置を踏まえれば、なんとか現実的に導入することもできる可能性はある。かつて、ドレットノートショックにより保有する戦艦が一気に旧式化した日本海軍が、最新鋭の技術を導入するべく、国産艦から再度イギリスに巡洋戦艦金剛を発注し、これをもとに榛名、霧島、比叡を建造したように、航空自衛隊がラファールを導入、海上自衛隊の空母艦上で運用する、という想像も楽しいのだが、やはり冷静に考えると現在の予算体系や人員規模では難しいのかもしれない。

Img_9093  二隻のクイーンエリザベス級は、設計コストなどを含め50億ポンドの建造計画となっており、既に計画コストの半分以上は支払われている状態。40年以上の現役運用を想定していることからイギリス海軍の21世紀を左右させる一大建造計画ではあるのだが、相当の無理を越えての計画となりそうである。海上自衛隊としては、イギリスに倣い大型空母の建造に向かうというよりも、現状の素晴らしい全通飛行甲板型ヘリコプター搭載護衛艦を多数整備する方向で検討したほうが、現実的なのかもしれない。もっとも、艦載機はF-35よりも、ハリアーをライセンス生産で再生産した方が無難ではありそうなのだが、どうだろうか。

HARUNA

(本ブログに掲載された本文及び写真は北大路機関の著作物であり、無断転載は厳に禁じる)

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23 コメント

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時間が取れるのでまたまたコメント。 (軽トラックの稲妻)
2009-12-30 10:04:11
時間が取れるのでまたまたコメント。

管理人様のおっしゃるとおり、イギリス空母と搭載機の整合性には疑問が残ります。

本来道具というのは「要求」にあわせて作るもの。
この要求(仕様書など)がしっかり検討されていないと良い結果とはなりません。
真相は不明ですが、艦と搭載機との関係の調整に不備があったように感じてしまいます。
艦運用者と航空隊運用者の間ではどのようなやり取りがなされたのか?
まさか旧ドイツのように、「空を飛ぶものは全て空軍所轄」という縄張りがあったとは思えませんが。


時代は「戦闘システムとしての戦力発揮」を求めているというのに・・・。

ちなみに日本の官公庁相手だと「要求どおりに作れ」という姿勢で、折角提案しても徒労に終わることが殆ど。
他国の軍でもそうなのですかね?
(某国の電力庁はやはり仕様書重視であった。)

※最近は官公庁側でも変化の兆しがあり、民間技術の転用なども認められるようになった。


道具と人間の関係について考えさせられてしまいます。

それでは。
返信する
F35国際共同開発に参加検討 日米両政府、空自... (蒼い)
2009-12-30 18:06:58
F35国際共同開発に参加検討 日米両政府、空自向け限定
ttp://www.47news.jp/CN/200912/CN2009122901000411.html

とばしなのかなんなのか。
どれほど金ふんだくられるんでしょうかね、
ただの輸入、ダウングレードされまくり、
買う価値あるんでしょうか・・・
B型を購入する事が前提なら価値もありそうですが(笑)
返信する
軽トラックの稲妻 様 どうもです (はるな)
2009-12-30 19:15:47
軽トラックの稲妻 様 どうもです

イギリス海軍、F-35Cならば最もステルス性が高く、艦載機として理想的だったのですが、インヴィンシブル級でも運用できそうなF-35Bを採用するとは・・・。世界最大の軽空母を狙ったのか、と思ったりしました。

思い切ってラファールかF/A-18でも搭載するという選択肢も、残されて、・・・、現時点ではいないのが難点ですね。

イギリス、岡部ださく氏の人気シリーズ“世界の駄っ作機”では、変な兵器の総本山として知られる国ですが、もしかして、クイーンエリザベス級空母も、その中に収められてしまうのか、2040年代には、CTOL型でC型の改良型であるF-35F(仮)を搭載、F-35Fは、ライトニングⅢ、初代ライトニングと同じく多分縦双発のエンジン配置を採用、エンジンはやっぱり多分英国製。ああ、65000㌧あって良かった!、ということになっているのでしょうか!?!?
返信する
蒼い 様 (はるな)
2009-12-30 19:35:40
蒼い 様

ううむ、・・・、F-35Bが高すぎてイギリスは空母一隻が、おじゃんになりました、という記事を書いた隙にこれですか・・。

しかし、その昔、優先的に調達するには日本仕様のF-35Jでも開発して、ライセンス生産してもらうことで優先顧客や開発参加国よりも先に調達するしかないや、と冗談で書いたのに、その手でいくのでしょうか。

アメリカとしては、日本に参加してもらって、岡田外務大臣がアフガン支援で、鳩山総理がCO2削減(つか、温室効果ガスはほかにいくらでもあるのに、なんで民主党はCO2にばっかり拘るのですかね、まさか、別の考えでも!?)、掲げた4500億とか8000億とか、ぽーんと出すよ!的なATMドクトリンで、JSF計画にたくさん資金を出してほしいのでしょうが・・・。

イギリスがF-35Bの調達を縮小すれば、その分量産効果に影響が出て単価が上昇し、それでもってほかの参加国が高騰した機体を変えずに調達計画の縮小を決意、そこで量産数がもっと減って・・・以下略、ということにも。

◆引用↓
F35国際共同開発に参加検討 日米両政府、空自向け限定
 【ワシントン共同】日米両政府が、米英を中心とする次世代戦闘機F35の国際共同開発への日本の参加を検討していることが29日、分かった。航空自衛隊向けの製品に関与を限定し、武器輸出三原則に抵触するのを回避する方針。空自の次期主力戦闘機(FX)早期導入に道を開くのが狙いだ。

 日米両国の政府筋が明らかにした。米側は参加を認める方向で調整しており、日本側は実務レベルで検討中。ただ、他国向け武器輸出を禁じる三原則が形骸化する可能性もあり議論を呼ぶのは必至で、日本政府の最終判断がどうなるかは見通しが立ちにくい。

 F35は米英、イタリア、オランダなどが共同開発。日本は三原則に抵触するとして参加していない。運用開始は2010年代半ばの予定。通常は開発参加国の調達が優先されるため、日本が開発に加わらない場合、早期に調達できるか不安視され、日本向け部品生産などの形で開発に参加する案が浮上した。参加が可能との判断が下れば、正式な機種選定前でも詳しい性能や価格の情報提供が想定されるという。

 次期主力戦闘機は、老朽化が進むF4戦闘機の後継で、米国のF15FX、欧州共同開発のユーロファイターなど6機種が選定対象。

2009/12/29 18:23 【共同通信
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現時点での仮想敵国は中国、ロシア、北朝鮮と言っ... (F-5)
2009-12-30 21:03:27
現時点での仮想敵国は中国、ロシア、北朝鮮と言ったところだと思います。
日本本土からの距離を考えたとき空母って必要なものでしょうか?
日本海、東シナ海、オホーツク海といずれも大陸までの距離はたかが知れており、わざわざ戦闘機・攻撃機を海上に展開する理由がよくわかりません。
制空権確保や地上攻撃が目的であれば、空中給油機やAWACSやデータリンクの導入の方が効果があるのではないでしょうか?

対潜用の回転翼機なら
返信する
F-5 様 こんばんは (はるな)
2009-12-30 22:42:29
F-5 様 こんばんは

航空母艦ですが、日本本土周辺で用いる、という視点から離れてみるべきでしょう。日本国土だけの専守防衛に限った視点で観るならば、確かに航空母艦の必然性というものは無いのかもしれません。

しかし、F-5様が列挙された国には航空母艦の保有や、これからの保有を検討している海軍もあります。そういった国が、インド洋やマラッカ周辺、南シナ海において空母艦載機を用いて、日本のシーレーンを締め上げた場合を考えるとどうでしょうか。

護衛艦隊に固定翼機を運用できる護衛艦があれば、これにより対処することができますし、なによりも、陸上基地の圏外で生じた事案に対して、国連安保理に提訴する以外での選択肢を持つことができる、というのが大きな強みといえるかもしれません。

更に、ひゅうが型のようなヘリコプター搭載護衛艦は、ヘリコプターの洋上拠点として、陸上基地ほどではありませんが、遠隔地において、整備支援を行うことができます。例えば、インド洋海上阻止行動や海賊対処任務に際して、長期的に哨戒ヘリコプターを運用することができれば、その捜索範囲は飛躍的に向上しますし、国際平和維持活動や緊急人道支援任務に際してもヘリコプターの運用基盤を洋上に持つことは、運用の柔軟性を大きく広げることが出来ます。
返信する
こんばんは。 (ウルトラマン)
2009-12-30 23:28:45
こんばんは。

大概のことは書かれておりますので改めてかきませんが、イギリス空母が2隻から1隻になるということは、2隻での価格より1隻での価格のほうが高くなりますのでさらに状況は悪くなりますね。
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ひさしぶりに失礼いたします。 (J-CON)
2009-12-31 00:48:48
ひさしぶりに失礼いたします。

>はるな様

う~ん。シーレーン上でわざわざ敵対勢力が空母群で問題を起こしたとしても、わざわざ空母で対抗しなくても良いのではないでしょうか?

潜水艦で対処したほうが良いのでは?

それにシーレーンは何も日本だけが利用している訳ではないですから。インド洋辺りなら、インド軍辺りが黙っているとは思えませんし(インド軍が自国空母でインド洋でそんなことする可能性は0ではないですが、そんなインドの懐内なら少々の空母じゃ話になりません)。
マラッカ周辺ではASEAN諸国がいい顔するはずもなく、これら近代化著しい諸国の軍備が全て敵に回るかもしれません。

南シナ海なら、海空自衛隊の戦力がフィリピン辺りを経由して投入することが決して非現実的ではない以上。私はシーレーン防衛は空母保有の理由として現実的ではないのかと思います。


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ウルトラマン 様 (はるな)
2009-12-31 00:58:38
ウルトラマン 様

いまキャンセルすると、余計面倒なことになるので、二隻建造して、一隻をコマンドー空母としてヘリ空母オーシャンの代替にするという方法(一昔フランスが原子力ヘリ空母として、同じようなことを考えた)、もしくは、一隻を外国に売却する、という方式、その二つが検討されているようです。
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J-CON 様 お久しぶりです (はるな)
2009-12-31 01:02:48
J-CON 様 お久しぶりです

中国海軍が空母を整備する以上、海上自衛隊も22DDHの運用方法に新しい視点は含めて考えるべきとは思います。

何故なら、シーレーンに武力攻撃を伴わない圧力をかけることにも空母には出来るわけですからね、通商破壊ではなく、演習や遊弋するだけでも大きな圧力です。

その圧力に対して、手持ちの選択肢が潜水艦だけでは、わざと相手の艦首前に浮上してその存在を暴露させ示威行為、という潜水艦の利点を全て無視した運用を採るか、いきなり攻撃して・・・、しか選択肢がなくなるのですが、22DDHのような水上戦闘艦や軽空母であれば、もう少し理性的な対応が可能となります。
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