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北大路機関

京都防衛フォーラム:榛名研究室/鞍馬事務室(OCNブログ:2005.07.29~/gooブログ:2014.11.24~)

早期警戒機と早期警戒管制機,巨大なE-3早期警戒管制機に挑戦する長射程ミサイル時代のグローバルアイ早期警戒機

2023-04-17 07:00:53 | 先端軍事テクノロジー
■分散運用時代到来か
 P-1哨戒機の空中警戒機転用という視点を視た際に上昇限度も米軍との運用共通性も、と問題が浮かんだところですが案外将来は中程度の性能の機体を分散運用するのが主流となるのかもしれない。

 早期警戒機と早期警戒管制機、時代は転換点を迎えつつあるのかも知れません。具体的には早期警戒管制機は開発された1980年代から2010年代まで40年間はまさにその装備の有無が航空優勢を左右する劇的な装備でしたが、2020年代に入ると空対空ミサイルの長射程化とステルス機が挑戦を本格化させ、絶対的な優位は担保出来ない懸念が。

 2030年代には第五世代戦闘機の本格的な増加を受けいよいよ優位性が脅かされる懸念があるのです。グローバル600早期警戒機、この象徴的な動きのようにみえるのはNATO北大西洋条約機構が共同運用するE-3早期警戒管制機について、後継機の候補にかなり小型のスウェーデン製グローバル600を候補とした点が挙げられます、もちろん性能は。

 早期警戒管制機と早期警戒機の違いは要撃管制員が搭乗しているかどうかであり、E-3早期警戒管制機とE-767早期警戒管制機は要撃管制員が15名搭乗しています、極論ですが15個飛行中隊を同時に管制することが可能ですが、これがE-7Aであればぐっと少なくなる、グローバル600は要撃管制員を乗せてはいるのですが、3名と大幅に少なくなります。

 E-3早期警戒管制機を少数運用し、相手に高付加価値目標として標的とされるよりは多数のグローバル600を運用し分散させるほうが脆弱性を抑えられる、こうした認識なのでしょうか。これは航空自衛隊のE-2D早期警戒機の運用や、韓国空軍がE-7早期警戒機の増強へグローバル600を新たに検討している点と共通点があるのかも知れません。

 分散運用は、早期警戒機が比較的安価である故の選択肢、例えば早期警戒機が一機、相手の集中攻撃に見舞われた場合には素早く戦場から退避しつつ、しかし別の空域で待機していた早期警戒期が素早く進出して警戒管制を補完し、その上で要撃管制員はデータリンクにより各戦闘機と地上司令部が補う、という方式が考えられるのかも知れません。

 超音速機、不安である要素はグローバル600はボーイング707を原型としたE-3ほど高い高度に上昇できませんのでレーダー能力を従前に発揮できませんし、コミューター旅客機を改造した機体故に速度も限られ、万一の歳に退避を迅速に行えるのか、という点です。すると将来、超音速旅客機時代が再来したならば、活用が検討されるのかもしれない。

北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ
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