■厚木ちびヤン2007
本日から2007年5月13日に撮影した海上自衛隊厚木航空基地のちびヤンについて掲載したい。同日は、千僧駐屯地にて第3師団創設記念行事、静岡県にて静浜基地航空祭が行われていた。
神奈川県の厚木航空基地は、旧海軍の航空基地から米軍管理となり、米海軍航空基地として用いられた後、一部が海上自衛隊の航空基地として返還され、海上自衛隊の航空集団司令部が置かれ今日に至っている。航空集団は護衛艦と協同し洋上哨戒、対潜哨戒、海洋監視を行う重責を担っている。
厚木基地には第5空母航空団が前方展開している。海上自衛隊では、岩国などで行われる航空基地祭に代えてちびっこヤングフェスタを開催している。一般公開の区画は非常に制限されているが、一般公開区画からも多数の哨戒機が望見できる。かつて、日本の艦載機が並んでいた基地には米艦載機と日本の大型哨戒機が並んでいる。
首都圏ということで、それはそれは多くの来場者が、と思いきや、地上展示、飛行展示共に規模がそこまでも多くない為か、非常にノンビリしていた印象で、もしかしたら木更津航空祭よりも来場者が少なかったのではないか。しかし、地上展示機には米海軍の空母艦載機も並んでおり、興味深いものも幾つかあった。
哨戒ヘリコプターSH-60Kの試作機USH-60K,隣に並んでいるSH-60Jの改良型で2002年から量産が開始、2005年から部隊配備が開始されている。ローターの改良や機体内部の大型化、データリンクの高性能化と共に、小型武装ボートに対処するべく、対艦ミサイル、機銃の運用性能や防弾鋼板などが取り付けられている。
第61飛行隊のYS-11M,海上自衛隊唯一の輸送機部隊であり、現在、4機が運用されている。この他YS-11は練習機としても下総航空基地に配備されていたりする。戦後初の国産ターボプロップ旅客機がこのように海上自衛隊では現役であり、更に航空自衛隊でも運用されている。そこはかとなく0系新幹線に似た面持ちがホッとさせる。
連絡機LC-90,レイセオンエアクラフト社製の機体で、六名が搭乗できる。少人数の輸送や連絡飛行、物資空輸に加え、計器飛行練習機としても運用されている。更に、LC-90の同型機がTC-90練習機として徳島航空基地にて運用されている。LC-90は5機、TC-90は24機が運用されている。
岩国航空基地第71航空隊から厚木に展開している救難機US-1A,救難飛行艇としては世界最高性能の機体で、波高3㍍という荒天下でも離着水が可能である。現在7機が配備されているが、改良型のUS-1改が試験中で、遠からずUS-2として制式化されるものと思われる。YS-11よりも大型で、海上自衛隊の保有航空機としては最大で、戦後の国産機としても最大の規模を有する。
厚木基地一般公開区画の概観。ところで、このUS-1、現在開発中のXP-1やC-Xの開発と共に戦後国産機最大という座を次世代機に譲ることとなる。展示されているUS-1を下から見上げると、その機体規模は飛行艇ということを考えれば非常に大きい。その向こうに見えているのは先ほど写真を解説したYS-11輸送機。
地上展示機の向こうに並ぶのは海上自衛隊のP-3C哨戒機の一群。地上展示機は、US-1A救難機,YS-11M輸送機,LC-90連絡機,P-3C哨戒機,USH-60K,SH-60J哨戒ヘリと並んでいた。この他、厚木ちびっこヤングフェスタ特集として装備品編、米艦載機編、飛行展示編として連載掲載してゆきたい。
HARUNA
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の4/19日付で「US2を正式配備」とあります。