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北大路機関

京都防衛フォーラム:榛名研究室/鞍馬事務室(OCNブログ:2005.07.29~/gooブログ:2014.11.24~)

北大路機関『自衛隊最新装備2021』新型哨戒ヘリコプターとリチウムイオン電池潜水艦

2021-12-30 20:21:25 | 北大路機関特別企画
■自衛隊最新装備2021
 北大路機関が撮影しました自衛隊最新装備2021はコロナ禍下ではこうしたものとなっています。

 SH-60L哨戒ヘリコプター、三菱重工小牧南工場にて試験飛行を行っている様子です。海上自衛隊は1991年に採用のSH-60J哨戒ヘリコプターに続いてSH-60K哨戒ヘリコプターを導入していますが、さらなる改良型としてSH-6-Lを開発しました。XSH-60Lとしてその初号機が初飛行しましたのは今年5月21日、紛れもない現在試験中の最新鋭航空機です。

 S-70シリーズとしょうされるUH-60多用途ヘリコプター、SH-60Lは従来のSH-60Kと比較しエンジンが同型、整備補給面では70%の互換性があるという事で、特に現在の護衛艦にはそのまま搭載できるほどの共通性を有しているという。此処に加えて、ギア系統がアラビア海などの高温地域での運用を重視するとともに機体強度も再設計で強化された。

 三菱重工はSH-60JからSH-60Kへ改良の際に機内容積を拡張し対潜能力を強化していますが、この際にJ型よりもK型は運動性能で限界が指摘されており、L型はここを再設計し振動を抑制、また機体形状の変更は最高速度の向上にも繋がっているとのこと。当初名称はSH-60K能力向上型となっていまして、2018中期防では6機取得が計画されています。

 EC-1電子訓練支援機J/ALQ-5改搭載型。実はかなり長い期間EC-1をみることがありませんでした、首都圏の航空機撮影は航空祭のみという状況が延々続いていますので、偶然岐阜基地へ定期整備へ入りますEC-1、遠景にはC-1輸送機とみえたのですが、しかし機種が遠景にも円形とわかり、驚きあわてて撮影機材を準備したという、幸運と偶然の重なり。

 J/ALQ-5改は特徴的な機首部分を筆頭に機体周囲にわたり妨害電波用アンテナアレイを装着しており、ここから実戦状況を再現する電子戦環境を構成します。ただ、この種の能力がどの程度かは不明です。一方、自衛隊はEP-3電子情報収集機やYS-11EB電子測定機など、実は電子戦情報収集の部隊規模では世界有数で、再現の為の情報は蓄積があります。

 EC-1はC-1輸送機21号機を改造し、1986年から運用を継続しているものです。そしてC-1輸送機はF-4E戦闘機よりも前の機体、残るところあと僅か数機という状況ですので、これもRC-2電子データ収集機の派生型などに遠くない将来置き換えられる可能性もあります、最新装備を搭載していますが、搭載している機体は長くはみられないかもしれない。

 とうりゅう。川崎重工神戸工場にて引き渡し直前の様子で艦番号512の明示から艦名がわかります。そうりゅう型潜水艦の12番艦で、Weblog北大路機関運用開始が一番艦そうりゅう就役前でしたので12番艦、数がそろったものだと驚かされるとともに新型たいげい型潜水艦の建造も進んでおり、涙滴型は退役、時代の変化というものを感じるところですね。

 そうりゅう型はAIP潜水艦として有名でしたが、11番艦おうりゅう以降、そうりゅう型の特色であったスターリング機関、いわゆるAIP非大気依存方式の推進装置はリチウムイオン電池に切り替えられており、これで空気のない水中での発電は不可能となりましたが、リチウムイオン電池の蓄電能力は従来の鉛電池を遙かに凌ぎ、結果的に性能向上しました。

 川崎重工神戸工場に隣接して三菱重工神戸造船所では最新たいげい型潜水艦たいげい、そして同じ川崎重工神戸工場では、たいげい型潜水艦二番艦はくげい建造が進められていまして、はくげい進水式は今年10月14日に挙行されています。さらに三番艦は2022年進水式目指し三菱重工神戸造船所で建造中、コロナ禍下でも防衛力整備は続きます構図が在る。

 ひゅうがロービジ化。ロービジュアルの略称ですが、COVID-19感染拡大前には護衛艦の艦番号は遠目にも鮮明にわかりやすい塗装が為されていて、護衛艦除籍行事などでは艦番号が自衛艦旗返納後に消されてゆくのが寂寥と荘厳が両立する不思議な情感を誘うものでした。しかし、近年は護衛艦や掃海艇などで艦番号を見えにくい色に変更しているのです。

 護衛艦の艦番号はAIS船舶位置情報を作動させていない状況では一見して艦艇の行動が明確にわかる情報となっています、これは例えば周辺国の航空偵察などに護衛艦の稼働状況、行動範囲や運用情報を拡散しているようなもの、Weblog掲載でさえ一定期間空けるなど配慮しているのですが、自衛隊側でも位置情報秘匿の観点から、塗装変更が行われたかたち。

 ヘリコプター搭載護衛艦の堂々たる艦容からはロービジ化の影響は小さなものですが、しかし長期航海を経て錆が目立つ護衛艦などがロービジ塗装となっていますと、一見して除籍艦のようにみえてしまう。実際退役艦まつゆき、をロービジ塗装と勘違いしたほどで、必要性は理解できるものの、ここまで情勢は緊迫しているのか、と寂しく思うのですね。

北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ
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