■こんごう型後継艦を見据え
ミサイル防衛専用艦は艦隊用イージス艦こんごう型の後継艦を見据えそのリソースに影響せぬよう配慮しなければなりません。

イージスアショアの陸上配備型として設計されたSPY-7を艦上搭載するのです、SPY-7はイージス艦用に開発されたSPY-6のように動揺に常時曝される構造となっているのか、台風接近に際してイージス艦まや型が2019年観艦式前日を襲った台風に相模湾で耐えたような強力な復元性を発揮できるのか、こう考えますと、SPY-7を積む船体は大きい方が良い。

ひゅうが型護衛艦の船体設計を応用し、艦艇設計費を大幅に抑えた上で、満載排水量19000tの大きさを活かし、アメリカのLPD-BMD構想のように充分な迎撃ミサイルを搭載、必要であればスタンダードSM-6を搭載し自衛に充てると共に巡航ミサイル防衛にも充てる、これがここまでの視点です。そしてこれだけ大きな護衛艦ならば、温存した艦名が相応しい。

ながと型護衛艦、満載排水量20000t。もともとイージスアショアは山口県と秋田県に設置される構想でしたので、旧海軍の長門型戦艦艦名で一番艦長門、二番艦陸奥、をそのまま踏襲できます。陸奥は第三砲塔の爆発という事故に見舞われ、戦後建造された原子力船むつ、これも放射能漏れという悲運に見舞われていますし、秋田県は陸奥よりも出羽ですが。

海上自衛隊では過去幾度か戦艦長門の艦名を検討していまして、考えてみますと縁起が良い。連合艦隊旗艦として長く親しまれ、マリアナ沖海戦やレイテ沖海戦に参加、対潜を生き延び戦後は原爆の標的艦となっています。ただ頑丈な設計は二発の原爆爆発に耐え抜き、米軍が自沈措置を検討中に浸水が始まり、爆破される前に海底へ沈んだという歴史を持つ。

長門の艦名は、護衛艦として検討されている過去の事例もあります、ただ、SPY-7を搭載するならば不思議と過去の歴史に重なるのです。原爆事件の標的艦、クロスロード作戦にて核兵器二発に耐え抜いたという戦後の標的艦に転じた後の奮闘、この歴史、核攻撃から日本を守り抜くイージスミサイル防衛システム搭載艦の艦名として相応しいのではないか。

あたご型護衛艦、言わずと知れた前型のイージス艦ですが、あたご型は建造当時、ながと型、とする案が出されていました。しかし海上自衛隊部内には時期尚早であるとして、重巡愛宕の艦名が継承されることとなったのですね、巨大戦艦であった長門型の名を継承するのに満載排水量10000tのイージス艦は小さすぎた、しかし、これならば不足は、ない。

いずも型護衛艦、満載排水量27000tの海上自衛隊最大の護衛艦ですが、一説にこの艦名は元々ながと、として内定していたものが対中関係への配慮を求める声があり、ながと、を避け出雲にした、こうした声を聴きます。もっとも長門は連合艦隊旗艦ですが、支那派遣艦隊旗艦として長らく上海に停泊していました装甲巡洋艦出雲の名は逆効果に思うけれど。

あかぎ。海上自衛隊の艦名は縁起担ぎでして、これはイギリス海軍の空母が戦艦クイーンエリザベスを受け継ぎ、アメリカのロスアンゼルス級攻撃型原潜が重巡洋艦の、オハイオ級戦略ミサイル原潜が戦艦の、イージス巡洋艦が空母や軽空母の名を継ぎ、オーストラリアではパースが二代目、イタリアのジュゼッペガリバルディなど何処の国も同じなのだが。

ひゅうが型護衛艦も当初は護衛艦あかぎ型となる声が有力であったとされています、しかし時期尚早として回避された、とも。ながと型護衛艦とするならば二番艦はイージス艦は山岳名を冠するミサイル護衛艦なのだからここで護衛艦あかぎ、ひゅうが艦名に譲った歴史をここで同じ船体を活用して襲名する、そんな選択肢もふと思い浮かぶのですけれども。

こんごう型、海上自衛隊は1993年に竣工した最初のイージス艦の後継艦設計に着手せねばなりませんが、SPY-7ではなく自然な流れとしてSPY-6が採用されることとなるでしょう、すると予算面の余裕は大きくはありません、ひゅうが型を流用した、ながと型、というものならば大きさも充分ですし、SPY-7の大きさにも無理のない設計となるように思います。

ながと型護衛艦、ミサイル護衛艦として考えるならばLPD-BMD構想ほどでもありませんし、ロシアのキーロフ級原子力ミサイル巡洋艦よりも小型ではありますが、防空艦としては破格の大きさとなるでしょう、ただ、重量と堆積に艦上設計を留意したSPY-6ではなく陸上配備型のSPY-7を搭載するのですから、無理を避けるにはかえって安価に済む様思う。

こんごう型後継艦、もう一つ留意するのは将来発展性に乏しいぎりぎりの大きさの護衛艦にSPY-7を搭載すると、海上自衛隊が現実問題として必要としている次の艦隊配備用イージス艦の建造費に響いてしまうのですね、新型艦が設計を大きく変更する場合は建造費に占める設計費の割合が大きい、これを避ける為にも、既存大型船体設計を転用すべきです。
北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ
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ミサイル防衛専用艦は艦隊用イージス艦こんごう型の後継艦を見据えそのリソースに影響せぬよう配慮しなければなりません。

イージスアショアの陸上配備型として設計されたSPY-7を艦上搭載するのです、SPY-7はイージス艦用に開発されたSPY-6のように動揺に常時曝される構造となっているのか、台風接近に際してイージス艦まや型が2019年観艦式前日を襲った台風に相模湾で耐えたような強力な復元性を発揮できるのか、こう考えますと、SPY-7を積む船体は大きい方が良い。

ひゅうが型護衛艦の船体設計を応用し、艦艇設計費を大幅に抑えた上で、満載排水量19000tの大きさを活かし、アメリカのLPD-BMD構想のように充分な迎撃ミサイルを搭載、必要であればスタンダードSM-6を搭載し自衛に充てると共に巡航ミサイル防衛にも充てる、これがここまでの視点です。そしてこれだけ大きな護衛艦ならば、温存した艦名が相応しい。

ながと型護衛艦、満載排水量20000t。もともとイージスアショアは山口県と秋田県に設置される構想でしたので、旧海軍の長門型戦艦艦名で一番艦長門、二番艦陸奥、をそのまま踏襲できます。陸奥は第三砲塔の爆発という事故に見舞われ、戦後建造された原子力船むつ、これも放射能漏れという悲運に見舞われていますし、秋田県は陸奥よりも出羽ですが。

海上自衛隊では過去幾度か戦艦長門の艦名を検討していまして、考えてみますと縁起が良い。連合艦隊旗艦として長く親しまれ、マリアナ沖海戦やレイテ沖海戦に参加、対潜を生き延び戦後は原爆の標的艦となっています。ただ頑丈な設計は二発の原爆爆発に耐え抜き、米軍が自沈措置を検討中に浸水が始まり、爆破される前に海底へ沈んだという歴史を持つ。

長門の艦名は、護衛艦として検討されている過去の事例もあります、ただ、SPY-7を搭載するならば不思議と過去の歴史に重なるのです。原爆事件の標的艦、クロスロード作戦にて核兵器二発に耐え抜いたという戦後の標的艦に転じた後の奮闘、この歴史、核攻撃から日本を守り抜くイージスミサイル防衛システム搭載艦の艦名として相応しいのではないか。

あたご型護衛艦、言わずと知れた前型のイージス艦ですが、あたご型は建造当時、ながと型、とする案が出されていました。しかし海上自衛隊部内には時期尚早であるとして、重巡愛宕の艦名が継承されることとなったのですね、巨大戦艦であった長門型の名を継承するのに満載排水量10000tのイージス艦は小さすぎた、しかし、これならば不足は、ない。

いずも型護衛艦、満載排水量27000tの海上自衛隊最大の護衛艦ですが、一説にこの艦名は元々ながと、として内定していたものが対中関係への配慮を求める声があり、ながと、を避け出雲にした、こうした声を聴きます。もっとも長門は連合艦隊旗艦ですが、支那派遣艦隊旗艦として長らく上海に停泊していました装甲巡洋艦出雲の名は逆効果に思うけれど。

あかぎ。海上自衛隊の艦名は縁起担ぎでして、これはイギリス海軍の空母が戦艦クイーンエリザベスを受け継ぎ、アメリカのロスアンゼルス級攻撃型原潜が重巡洋艦の、オハイオ級戦略ミサイル原潜が戦艦の、イージス巡洋艦が空母や軽空母の名を継ぎ、オーストラリアではパースが二代目、イタリアのジュゼッペガリバルディなど何処の国も同じなのだが。

ひゅうが型護衛艦も当初は護衛艦あかぎ型となる声が有力であったとされています、しかし時期尚早として回避された、とも。ながと型護衛艦とするならば二番艦はイージス艦は山岳名を冠するミサイル護衛艦なのだからここで護衛艦あかぎ、ひゅうが艦名に譲った歴史をここで同じ船体を活用して襲名する、そんな選択肢もふと思い浮かぶのですけれども。

こんごう型、海上自衛隊は1993年に竣工した最初のイージス艦の後継艦設計に着手せねばなりませんが、SPY-7ではなく自然な流れとしてSPY-6が採用されることとなるでしょう、すると予算面の余裕は大きくはありません、ひゅうが型を流用した、ながと型、というものならば大きさも充分ですし、SPY-7の大きさにも無理のない設計となるように思います。

ながと型護衛艦、ミサイル護衛艦として考えるならばLPD-BMD構想ほどでもありませんし、ロシアのキーロフ級原子力ミサイル巡洋艦よりも小型ではありますが、防空艦としては破格の大きさとなるでしょう、ただ、重量と堆積に艦上設計を留意したSPY-6ではなく陸上配備型のSPY-7を搭載するのですから、無理を避けるにはかえって安価に済む様思う。

こんごう型後継艦、もう一つ留意するのは将来発展性に乏しいぎりぎりの大きさの護衛艦にSPY-7を搭載すると、海上自衛隊が現実問題として必要としている次の艦隊配備用イージス艦の建造費に響いてしまうのですね、新型艦が設計を大きく変更する場合は建造費に占める設計費の割合が大きい、これを避ける為にも、既存大型船体設計を転用すべきです。
北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ
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