北大路機関

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【京都幕間旅情】水火天満宮,西国配流前道真公自画像と天神御髭道真公御髭祀られる天神さん

2020-02-13 20:10:41 | 写真
■水難火難避け,水火の天神さん
 受験シーズン最盛期の今日この頃に受験生と思わしき若人を良く見かけ応援する今日この頃です、北大路堀川を下り堀川紫明をもう少しだけ下った所に不思議な天神さんが。

 水火天満宮、京都には数多くの寺社仏閣が平安と安寧を祈り続けています。京都府京都市上京区堀川通上御霊前上ル、つまり堀川通りを堀川今出川から更に北大路へと向かい、紫明通の近くに至る当たりに、数多くの寺社仏閣の内の一つ、水火天満宮はあります。

 京都の中心部、京都御所から少し隔てた天満宮、しかし京都に暮らせば12系統バスや9系統バスにて天神公園前バス停にて、成程此処にも天神様が、と黙礼するところではあります。水火天満宮、名の通り、此処天神様は水難火難避けを祈念し千年ほど前に創建された。

 実は少し前に知人の家に災難がありまして、更に他の知人宅には水難が、共に怪我人の無かった事は不幸中の幸いであったのですが、当方には井戸に不調という、まあ、火と水の関係で厄落とし、という気分があったものでして、堀川通の水火天満宮へ詣でたしだい。

 京都の桜の名所のひとつに数えられていると聞く水火天満宮、しかし祈るのはやはり火除け、昨今はIT化やスマート家電に多機能スピーカーや電気自動車に電気風呂と流石は21世紀的なものが氾濫していますが、漏電の危険が高まる一方であるのは何とかしてほしい。

 水難火難避けの神といわれる水火天満宮は、延長元年923年に造営された長い歴史を有する天満宮です。御土居として北野天満宮に遺構が残る豊臣秀吉の一大事業が行われる以前は、京都市内は洛中にも度々鴨川の氾濫に悩まされ、また大火も多く、その鎮定を願った。

 醍醐天皇は水難火難除けの守護神を内裏の近くに創建を期する勅願を行い、延暦寺の尊意僧正に勅命が下り、水火天満宮は創建される事となります。水難火難除けの守護神ということで請われたのはかの菅原道真公の神霊、以後は村社として崇敬を集め今に至ります。

 堀川通沿いの境内はそれほど大きな規模ではありません。聞くところでは、それは当然というもので、1952年に堀川通りの拡張行為が行われ、当時は上天神町に鎮座していました天満宮を、現在の位置へ遷座した事で、その境内についても遷座の際にやや縮まった、と。

 金龍水という苔むした岩々の狭間から静かに滴る清水に迎えられる境内は、眼病に効くといわれる井戸水を湛えたものといい、成程学問の神様菅原道真公の神霊祀る天満宮、日々資料整理と文書作成や執筆に酷使した視神経を労わりたく、ご利益を願いたいところ。

 社宝としまして、天神御髭という菅原道真公の御髭が祀られているという、西国への配流の頃でしょうか法性坊尊意へ菅原道真公が自筆にて自画像を描いた際の髭が祀られていまして、天神御自作尊像として紅梅の木を彫った木像も水難火難避け願い安置されています。

 孝学堂跡という石碑が本殿への入り口に静かに鎮座していまして、これは江戸時代に天満宮宮司孝道が学問塾を境内に開いた遺構を湛えたといい、この事から堀川通り拡張の際に全ての境内が道路に塗り固められた訳ではないと悟り、なにか安堵感を感じましたしだい。

 本殿は1952年建立、堀川通り拡張の際の遷座故という新しい歴史を有しています。境内には末社六玉稲荷が招魂されていまして、これはもう散策するほどには広くは無い境内ですが、ふと思い立った際に天神公園前から参拝者を迎えてくれる、身近さが嬉しいものです。

 堀川通りも北大路越えれば道幅が狭く、店々の暖かさと活況を感じる近さとなるのですが、上御霊前は、参拝に併せてもう少し門前の賑わいが欲しい、成程道の拡張で物流は便利になったかもしれないが、と上掲家電と同じ便利さの尺度というものを考えてしまいました。

北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ
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