■新哨戒艦のプレゼンス
南西諸島警戒監視と北海道青森県沖に大挙出現のロシア艦、そしてここ数か月は韓国海軍が日本の排他的経済水域での不審な行動を続ける中、哨戒艦の任務はなにか。
将来型三胴船が哨戒艦の正体ではないか、地方隊へ配備され現在のミサイル艇はやぶさ型の補完乃至後継艦として充てられるのではないか、こうした視点を示しました。ミサイル艇が初めて戦果を挙げたのは1967年のイスラエルのエイラート事件、それ以降ミサイル艇への対策が起きく進み、従来のミサイル艇一本の運用は能力に限界が生じている為です。
SSM-1の長射程を活かせない、としましたが、将来型三胴船がヘリコプターを運用し直接後継の任務に充てる、という想定もあり得ますし、有事の際に必要であれば、はやぶさ型ミサイル艇のSSM-1射程を最大限に発揮できるよう、哨戒艦の哨戒ヘリコプターとミサイル艇が連携し、索敵情報を付与する、という折衷案的な運用もあり得るかもしれません。
エイラート事件は1967年7月11日、シナイ半島沖を警戒中のイスラエル海軍駆逐艦エイラートがエジプト海軍運用のソ連製コマール型ミサイル艇2隻よりミサイル攻撃を受け、回避できず撃沈されたもので、駆逐艦が魚雷艇規模のミサイル艇に一方的に撃沈され、世界に衝撃を与えたもの。ミサイル艇の威力が注目されると共に、対策も着手されています。
ミサイル艇は防空用の装備が限られ、艦砲と、精々が携帯地対空ミサイル程度のみ。射程8kmのヘルファイアミサイルでもミサイル艇よりも小さな戦車を正確に射撃する性能を有していますので、ミサイル艇は逃げられません。SH-60Kの他、自衛隊が導入予定のMQ-8にもヘルファイアミサイルの運用能力があります。この為、ミサイル艇は大型化している。
ミサイル艇運用の先進国フィンランドやスウェーデンではこの限界を活かした運用を行う。フィヨルドの深い海岸線の奥にミサイル艇を展開させ、沿岸部に展開させた地対空ミサイル部隊と協同させ、プレゼンスの発揮、航空攻撃を受けた際には素早く友軍沿岸ミサイル部隊防空網へ逃げ込む運用を採るのですね。冷戦時代は沿岸砲兵と一体運用していました。
はやぶさ型ミサイル艇、シースパローミサイルとCIWS近接防空火器を搭載し、哨戒ヘリコプターでも搭載したならば、ヘリコプター程度の航空攻撃を撃退できますし、SSM-1艦対艦ミサイルの長い射程も充分活かせたでしょう。しかし確実にいえるのは、満載排水量240tの船体には絶対搭載できません、それではミサイル艇ではなく護衛艦となってしまう。
はつゆき型護衛艦ほどではなくとも、満載排水量2900tあぶくま型にもこれほどは搭載できていません。しかし、新技術の将来三胴船ならば、実現の可能性はあるのです。しかし、将来三胴船以外にも、例えば従来型船型を用いた哨戒艦のような装備が想定されている可能性はあります。実際問題、将来三胴船については技術開発の程度が判然としませんから。
フロレアル級フリゲイト、フランス海軍が運用するフリゲイトで、フランス太平洋艦隊にも配備されている小型フリゲイト、親善訪問などで日本にもよく寄港する水上戦闘艦なのですが、哨戒艦は防衛装備庁が進める将来三胴船というような先進的なものではなく、護衛艦隊配備の護衛艦よりも装備を限定させた水上戦闘艦となる可能性もあるでしょう。
フロレアル級、フランス太平洋艦隊へも配備の小型フリゲイトでデスティエンヌ-ドルヴ級通報艦の拡大改良型です。フロレアル級は満載排水量で2900t、あぶくま型と同規模で任務は哨戒と過大目標に対しては情報収集、そして最大任務はその存在を通じてのプレゼンスの発揮です。哨戒艦の船型についてはここまで様々な可能性を示しましたが、確かな事はその任務で、プレゼンスの発揮により増大する周辺海域での海軍力増大への対応という点です。
北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ
(本ブログに掲載された本文及び写真は北大路機関の著作物であり、無断転載は厳に禁じる)
(本ブログ引用時は記事は出典明示・写真は北大路機関ロゴタイプ維持を求め、その他は無断転載と見做す)
(第二北大路機関: http://harunakurama.blog10.fc2.com/記事補完-投稿応答-時事備忘録をあわせてお読みください)
南西諸島警戒監視と北海道青森県沖に大挙出現のロシア艦、そしてここ数か月は韓国海軍が日本の排他的経済水域での不審な行動を続ける中、哨戒艦の任務はなにか。
将来型三胴船が哨戒艦の正体ではないか、地方隊へ配備され現在のミサイル艇はやぶさ型の補完乃至後継艦として充てられるのではないか、こうした視点を示しました。ミサイル艇が初めて戦果を挙げたのは1967年のイスラエルのエイラート事件、それ以降ミサイル艇への対策が起きく進み、従来のミサイル艇一本の運用は能力に限界が生じている為です。
SSM-1の長射程を活かせない、としましたが、将来型三胴船がヘリコプターを運用し直接後継の任務に充てる、という想定もあり得ますし、有事の際に必要であれば、はやぶさ型ミサイル艇のSSM-1射程を最大限に発揮できるよう、哨戒艦の哨戒ヘリコプターとミサイル艇が連携し、索敵情報を付与する、という折衷案的な運用もあり得るかもしれません。
エイラート事件は1967年7月11日、シナイ半島沖を警戒中のイスラエル海軍駆逐艦エイラートがエジプト海軍運用のソ連製コマール型ミサイル艇2隻よりミサイル攻撃を受け、回避できず撃沈されたもので、駆逐艦が魚雷艇規模のミサイル艇に一方的に撃沈され、世界に衝撃を与えたもの。ミサイル艇の威力が注目されると共に、対策も着手されています。
ミサイル艇は防空用の装備が限られ、艦砲と、精々が携帯地対空ミサイル程度のみ。射程8kmのヘルファイアミサイルでもミサイル艇よりも小さな戦車を正確に射撃する性能を有していますので、ミサイル艇は逃げられません。SH-60Kの他、自衛隊が導入予定のMQ-8にもヘルファイアミサイルの運用能力があります。この為、ミサイル艇は大型化している。
ミサイル艇運用の先進国フィンランドやスウェーデンではこの限界を活かした運用を行う。フィヨルドの深い海岸線の奥にミサイル艇を展開させ、沿岸部に展開させた地対空ミサイル部隊と協同させ、プレゼンスの発揮、航空攻撃を受けた際には素早く友軍沿岸ミサイル部隊防空網へ逃げ込む運用を採るのですね。冷戦時代は沿岸砲兵と一体運用していました。
はやぶさ型ミサイル艇、シースパローミサイルとCIWS近接防空火器を搭載し、哨戒ヘリコプターでも搭載したならば、ヘリコプター程度の航空攻撃を撃退できますし、SSM-1艦対艦ミサイルの長い射程も充分活かせたでしょう。しかし確実にいえるのは、満載排水量240tの船体には絶対搭載できません、それではミサイル艇ではなく護衛艦となってしまう。
はつゆき型護衛艦ほどではなくとも、満載排水量2900tあぶくま型にもこれほどは搭載できていません。しかし、新技術の将来三胴船ならば、実現の可能性はあるのです。しかし、将来三胴船以外にも、例えば従来型船型を用いた哨戒艦のような装備が想定されている可能性はあります。実際問題、将来三胴船については技術開発の程度が判然としませんから。
フロレアル級フリゲイト、フランス海軍が運用するフリゲイトで、フランス太平洋艦隊にも配備されている小型フリゲイト、親善訪問などで日本にもよく寄港する水上戦闘艦なのですが、哨戒艦は防衛装備庁が進める将来三胴船というような先進的なものではなく、護衛艦隊配備の護衛艦よりも装備を限定させた水上戦闘艦となる可能性もあるでしょう。
フロレアル級、フランス太平洋艦隊へも配備の小型フリゲイトでデスティエンヌ-ドルヴ級通報艦の拡大改良型です。フロレアル級は満載排水量で2900t、あぶくま型と同規模で任務は哨戒と過大目標に対しては情報収集、そして最大任務はその存在を通じてのプレゼンスの発揮です。哨戒艦の船型についてはここまで様々な可能性を示しましたが、確かな事はその任務で、プレゼンスの発揮により増大する周辺海域での海軍力増大への対応という点です。
北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ
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哨戒艦がモノハルでしたら、三胴船は輸送形もあるので、陸自の輸送船での採用に期待します。
戦力にならないとしても、ミサイル艇がいれば無視できず、艦艇を割く必要性も生まれます。島から島を渡りあるけば、防衛ラインを作れます。
なので、水雷挺が駆逐艦に進化したように、コルベットを作って欲しいです。
でも水中翼船的なフィンもつくから、
高速移動だとクジラにぶつかりそうですね。