■防衛フォーラム
今回は陸軍関連の話題です。
アメリカ陸軍はM-1299自走榴弾砲計画の中止を発表しました。1950年代に開発されたM-109自走榴弾砲は改良を続け配備されてきましたが、流石に39口径155mm榴弾砲では性能の限界にあるとして、58口径の極めて長い方針を有する拡張射程型榴弾砲を搭載する自走榴弾砲を開発してきましたが、2025会計年度に開発費が認められなかった。
ERCA拡張射程型榴弾砲としてM-1299自走榴弾砲は既に20両が製造され、18両から成る試験大隊が編成されているものの、陸軍システム開発では開発目標を達成できず、ここに開発予算の追加が認められなかったことが開発中止の背景にあります。具体的には数発の射撃後、砲身に過度な摩耗が認められたため、改善法を研究していました。
■防衛フォーラム
装備品の国産化をめざす流れはもはや世界的潮流というところでして逆に先進国の方が昨今国産装備への徹底的なこだわりが消えている感じ。
イラク軍はイラク生産型ノリンコVN-22装輪装甲車の調達を開始します。これは防衛装備品の国内製造基盤構築を目指すイラク政府がDICIイラク国防産業委員会を通じてライセンス生産を開始したもの。VN-22は2021年に中国のノリンコが珠海航空ショーにおいて初公開したもので砲塔を搭載可能である六輪式の装輪装甲車です。
VN-22は装輪装甲車ながら正面装甲は25mm機関砲弾への耐弾性能を持ち、側面部分も14.5mm機銃弾に耐えるなど重装甲を誇り、ノリンコによれば人民解放軍が運用する08式装輪装甲戦闘車よりも高い防御性能を持つとしています。イラクはライセンス生産を選択しましたが、既にコートジボワール軍などで運用実績のある装備品です。
■防衛フォーラム
機動砲というのはアメリカ軍にとりマルチドメイン戦略における緊急展開手段として重視されていますので日本としても関心を持つべきですね。
アメリカ陸軍はM-10ブッカー装甲火力支援車の受領を開始しました。M-10ブッカーは実質的な軽戦車で、スペインとオーストリアが共同開発したASCOD装甲戦闘車の車体を大幅に防御力強化を行ったうえで105mm戦車砲を搭載した砲塔を載せたもの、ただ陸軍は軽戦車というくぶんはないものであり装甲機動砲として制式化したとしています。
4月18日、アバディーン兵器試験場において納入式典を行い、3両の配備を開始しました。元々車両そのものは2月18日にアニストン陸軍補給処に納入されていますが、納入車両に陸軍が独自の検査を行ったもの。今回納入された車両は今後数か月間にわたり第82空挺師団において評価試験を受け、2025年より歩兵旅団戦闘団配備が開始されるという。
MPF装甲機動砲として開発されたM-10ブッカー、もともと原型のASCOD装甲戦闘車は軽戦車型を提案しており、これは南アフリカのデネル社製105mm砲塔搭載型が1996年に試作されていますが、M-10は新開発のM-35型砲を搭載した全くの新設計です。M-10は師団に機動砲大隊として配備され中隊単位で歩兵旅団戦闘団を支援するとのこと。
■防衛フォーラム
リンクスも安いのですよね。
ブラジル陸軍はイヴェコLMV-BR軽装甲機動車を大量調達します。イタリアのイヴェコLMV-BR軽装甲機動車はイタリア陸軍ではリンクス軽装甲機動車として採用されており、四輪駆動式の車体を採用、軽量多目的装甲車として活用されているもの。そしてブラジル軍は48両を先行採用しており、その評価の高さから大量配備に踏み切りました。
イヴェコLMV-BR軽装甲機動車、戦闘重量は8.1tで八段式自動変速機により普通のSUVのような操縦感覚といい、小銃や機銃弾に対する防御力を有しますがC-130J輸送機には2両を搭載できるという戦略機動性の高さを有しています。イタリアのイヴェコ社製装甲車はブラジル軍にいくつかの種類が採用され、一部はライセンス生産されています。
■防衛フォーラム
90式戦車の量産予算を考えると邦貨換算10億円以上かけて近代化改修するチャレンジャーがスコシフシギに思えるのだ。
イギリス陸軍向けチャレンジャー3主力戦車がまもなくロールアウト式を迎えます、チャレンジャー2主力戦車を大幅に近代化改修し開発が進んでいるチャレンジャー3主力戦車は、改修を担当しているラインメタルBAEランドシステムズ社によれば4月18日、8両のチャレンジャー3戦車が生産ラインを離れ工場内の試験場へ移動しているとのこと。
チャレンジャー3主力戦車はイギリス陸軍にとり、エイジャックス装甲偵察車やボクサー装輪装甲車と並び、今後改編により誕生する陸軍装甲旅団戦闘団の主力車両となる計画で、チーフテン主力戦車以来採用されてきた120mmライフル砲に代わり、NATO標準の120mm滑腔砲を搭載、アクティヴ防護装置なども搭載する最新設計となります。
チャレンジャー2主力戦車の改良という位置づけのチャレンジャー3戦車ですが、この背景には分離弾薬方式という特殊な砲弾を採用したチャレンジャー2は主砲団の製造が既に終了しており、一方別の戦車開発計画もなくイギリスでは戦車を維持するか廃止かという決断を迫られ、戦車は依然として必要であるとし、近代化改修に踏み切りました。
■防衛フォーラム
戦車回収車にドローン母艦の役割を担わせてはと最近思うのですよね。
フランス軍はDCLRルクレルク戦車回収車改良型の受領を開始しました。戦車回収車は戦闘により損傷した主力戦車を迅速に回収し広報の整備施設に搬入することで素早い戦力回復を支えるのに不可欠の装備ですが、フランス軍では戦車回収車そのものの戦闘能力が不足している点を陸上戦闘において重要な脆弱性と認識していたとのこと。
DCLRルクレルク戦車回収車改良型は新たに12.7mm重機関銃RWS遠隔操作式銃塔を搭載、戦車が撃破される戦場では戦車回収車も同様に標的となり且つ、戦車回収車は戦車よりも稀少であることから高付加価値目標となることを想定し、戦車回収への妨害攻撃を撃退する目的で戦闘能力を付与したとのこと。改修はKNDS社が担当しています。
フランスではルクレルク主力戦車のルクレルクXLRへの近代化改修が進められており、AZUR市街戦防護走行やFNはーすたる社製7.62mm遠隔操作機銃の搭載など2029年までに200両のルクレルクがルクレルクXLRへ改修される計画で、今回のDCLRルクレルク戦車回収車改良型はこれに併せて戦車回収車も近代化改修を行ったかたちです。
■防衛フォーラム
運べるものなんだなあと。
アメリカ海兵隊はCH-53でのF-35C空輸試験を実施しました。この試験はレイクハースト海軍航空戦センターが中心となり実施されたもので、4月24日、パタクセントリバー海兵航空基地からマクガイアディックルレイクハースト基地までの距離を飛行、CH-53Kキングスタリオン重輸送ヘリコプターの輸送能力を検証したかたち。
F-35Cは空母艦載機であり、今回の空輸試験はVMX-1第1海洋試験評価飛行隊が進める緊急復旧システムの試験が目的とのこと。アメリカ海兵隊は250億ドルを投じてCH-53Kを200機調達する方針で2018年より海兵隊に引き渡しが開始されています、最大離陸重量は39.9tと非常に大きく、F-35C空輸はその能力の一端を示しました。
■防衛フォーラム
99式を売り込みたいものですが改良が続いて韓国軍配備のものさえ陳腐化させているK-9をみていると。
ヴェトナム軍は韓国製K-9自走榴弾砲の調達交渉を開始します。これは4月23日の第11回韓国ヴェトナム国防戦略対話においてホアンスアンシエン国防次官が韓国側へK-9自走榴弾砲の売却を要請した事で正式な調達交渉が開始されることとなりました。国防戦略対話は2012年から開始されています。K-9は現在世界で最も量産されている火砲だ。
K-9自走榴弾砲の導入について、ヴェトナム軍には2S3自走榴弾砲や2S1自走榴弾砲、またASU-85突撃砲まで現役となっており、旧ソ連製の旧式火砲更新は重要な課題となっているもよう。一部報道ではヴェトナム軍は108門のK-9自走榴弾砲を希望しているとの憶測報道も、射程が長く機動性も非常に高いK-9の販路はさらに拡大が見込まれる。
■防衛フォーラム
フィリピンにこの種の装備配備が進むと地対艦型のハープーンだけという台湾が防衛空白地帯とならないかが心配です。
フィリピン軍が導入するブラモス超音速ミサイルの納入が開始されました。ブラモスミサイルはインドがソ連時代に開発されたP-800超音速対艦ミサイルを基に開発した対艦ミサイルで、P-800ミサイルは大型弾頭を用いて航空母艦などの高付加価値目標を標的としているものであり、水上戦闘艦や地対艦型など幅広い用途に用いられています。
ブラモス超音速対艦ミサイルの導入はフィリピンにとり緊張度合いを増す南シナ海情勢に対応するもので、射程は輸出型でも350㎞以上あることからフィリピン軍は本土の三カ所程度に配備するだけで周辺海域への対応が可能となります。今回のブラモス引き渡しにはインド空軍がC-17輸送機を用いて直接フィリピンへ納入する方式をとりました。
■防衛フォーラム
砲弾の増産に向かう。
アメリカ陸軍は英韓防衛企業の協力を受け弾薬生産加速を模索しています。これはロシアウクライナ戦争を契機とした世界的な弾薬不足と共にウクライナ軍事支援による米軍予備弾薬の枯渇を背景に急遽行われたもので、喫緊の施策として選ばれたのは第二次世界大戦中に設営されたラドフォード陸軍弾薬工廠を再稼働させるというもの。
ラドフォード陸軍弾薬工廠の再活性化にはイギリスのBAEシステムズ社と韓国ハンファディフェンス社の現地法人であるハンファディフェンスUSA社が当たるとの事で、韓国軍は北朝鮮軍が有する世界最大規模の砲兵部隊に対応すべく巨大な砲兵戦力を有しており、ハンファディフェンスの韓国国内工場拡張の手法をアメリカで再現するもよう。
■防衛フォーラム
海上輸送への次の一歩です。
陸上自衛隊が導入する輸送船が起工式を迎えました。4月23日、広島県尾道市の内海造船瀬戸田工場において陸上自衛隊海上輸送部隊の船舶の起工式が行われ、今回建造開始となった船舶は、令和6年度末に新編される海上輸送群に配備される2隻の輸送船です、従来陸上自衛隊の輸送は海上自衛隊の作戦輸送の一環として行われていました。
陸上自衛隊輸送船は、作戦輸送としての上陸作戦など水陸両用作戦に正面からあたるのではなく、独自の業務輸送能力を有することが目的であるとし、平時若しくはグレーゾーン事態において島嶼部等への部隊機動展開等において重要な役割を担わせるのが狙いで、これまでは民間輸送船などに依存していた輸送任務の見直しの一環です。
北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ まや
(本ブログに掲載された本文及び写真は北大路機関の著作物であり、無断転載は厳に禁じる)
(本ブログ引用時は記事は出典明示・写真は北大路機関ロゴタイプ維持を求め、その他は無断転載と見做す)
(第二北大路機関: http://harunakurama.blog10.fc2.com/記事補完-投稿応答-時事備忘録をあわせてお読みください)
今回は陸軍関連の話題です。
アメリカ陸軍はM-1299自走榴弾砲計画の中止を発表しました。1950年代に開発されたM-109自走榴弾砲は改良を続け配備されてきましたが、流石に39口径155mm榴弾砲では性能の限界にあるとして、58口径の極めて長い方針を有する拡張射程型榴弾砲を搭載する自走榴弾砲を開発してきましたが、2025会計年度に開発費が認められなかった。
ERCA拡張射程型榴弾砲としてM-1299自走榴弾砲は既に20両が製造され、18両から成る試験大隊が編成されているものの、陸軍システム開発では開発目標を達成できず、ここに開発予算の追加が認められなかったことが開発中止の背景にあります。具体的には数発の射撃後、砲身に過度な摩耗が認められたため、改善法を研究していました。
■防衛フォーラム
装備品の国産化をめざす流れはもはや世界的潮流というところでして逆に先進国の方が昨今国産装備への徹底的なこだわりが消えている感じ。
イラク軍はイラク生産型ノリンコVN-22装輪装甲車の調達を開始します。これは防衛装備品の国内製造基盤構築を目指すイラク政府がDICIイラク国防産業委員会を通じてライセンス生産を開始したもの。VN-22は2021年に中国のノリンコが珠海航空ショーにおいて初公開したもので砲塔を搭載可能である六輪式の装輪装甲車です。
VN-22は装輪装甲車ながら正面装甲は25mm機関砲弾への耐弾性能を持ち、側面部分も14.5mm機銃弾に耐えるなど重装甲を誇り、ノリンコによれば人民解放軍が運用する08式装輪装甲戦闘車よりも高い防御性能を持つとしています。イラクはライセンス生産を選択しましたが、既にコートジボワール軍などで運用実績のある装備品です。
■防衛フォーラム
機動砲というのはアメリカ軍にとりマルチドメイン戦略における緊急展開手段として重視されていますので日本としても関心を持つべきですね。
アメリカ陸軍はM-10ブッカー装甲火力支援車の受領を開始しました。M-10ブッカーは実質的な軽戦車で、スペインとオーストリアが共同開発したASCOD装甲戦闘車の車体を大幅に防御力強化を行ったうえで105mm戦車砲を搭載した砲塔を載せたもの、ただ陸軍は軽戦車というくぶんはないものであり装甲機動砲として制式化したとしています。
4月18日、アバディーン兵器試験場において納入式典を行い、3両の配備を開始しました。元々車両そのものは2月18日にアニストン陸軍補給処に納入されていますが、納入車両に陸軍が独自の検査を行ったもの。今回納入された車両は今後数か月間にわたり第82空挺師団において評価試験を受け、2025年より歩兵旅団戦闘団配備が開始されるという。
MPF装甲機動砲として開発されたM-10ブッカー、もともと原型のASCOD装甲戦闘車は軽戦車型を提案しており、これは南アフリカのデネル社製105mm砲塔搭載型が1996年に試作されていますが、M-10は新開発のM-35型砲を搭載した全くの新設計です。M-10は師団に機動砲大隊として配備され中隊単位で歩兵旅団戦闘団を支援するとのこと。
■防衛フォーラム
リンクスも安いのですよね。
ブラジル陸軍はイヴェコLMV-BR軽装甲機動車を大量調達します。イタリアのイヴェコLMV-BR軽装甲機動車はイタリア陸軍ではリンクス軽装甲機動車として採用されており、四輪駆動式の車体を採用、軽量多目的装甲車として活用されているもの。そしてブラジル軍は48両を先行採用しており、その評価の高さから大量配備に踏み切りました。
イヴェコLMV-BR軽装甲機動車、戦闘重量は8.1tで八段式自動変速機により普通のSUVのような操縦感覚といい、小銃や機銃弾に対する防御力を有しますがC-130J輸送機には2両を搭載できるという戦略機動性の高さを有しています。イタリアのイヴェコ社製装甲車はブラジル軍にいくつかの種類が採用され、一部はライセンス生産されています。
■防衛フォーラム
90式戦車の量産予算を考えると邦貨換算10億円以上かけて近代化改修するチャレンジャーがスコシフシギに思えるのだ。
イギリス陸軍向けチャレンジャー3主力戦車がまもなくロールアウト式を迎えます、チャレンジャー2主力戦車を大幅に近代化改修し開発が進んでいるチャレンジャー3主力戦車は、改修を担当しているラインメタルBAEランドシステムズ社によれば4月18日、8両のチャレンジャー3戦車が生産ラインを離れ工場内の試験場へ移動しているとのこと。
チャレンジャー3主力戦車はイギリス陸軍にとり、エイジャックス装甲偵察車やボクサー装輪装甲車と並び、今後改編により誕生する陸軍装甲旅団戦闘団の主力車両となる計画で、チーフテン主力戦車以来採用されてきた120mmライフル砲に代わり、NATO標準の120mm滑腔砲を搭載、アクティヴ防護装置なども搭載する最新設計となります。
チャレンジャー2主力戦車の改良という位置づけのチャレンジャー3戦車ですが、この背景には分離弾薬方式という特殊な砲弾を採用したチャレンジャー2は主砲団の製造が既に終了しており、一方別の戦車開発計画もなくイギリスでは戦車を維持するか廃止かという決断を迫られ、戦車は依然として必要であるとし、近代化改修に踏み切りました。
■防衛フォーラム
戦車回収車にドローン母艦の役割を担わせてはと最近思うのですよね。
フランス軍はDCLRルクレルク戦車回収車改良型の受領を開始しました。戦車回収車は戦闘により損傷した主力戦車を迅速に回収し広報の整備施設に搬入することで素早い戦力回復を支えるのに不可欠の装備ですが、フランス軍では戦車回収車そのものの戦闘能力が不足している点を陸上戦闘において重要な脆弱性と認識していたとのこと。
DCLRルクレルク戦車回収車改良型は新たに12.7mm重機関銃RWS遠隔操作式銃塔を搭載、戦車が撃破される戦場では戦車回収車も同様に標的となり且つ、戦車回収車は戦車よりも稀少であることから高付加価値目標となることを想定し、戦車回収への妨害攻撃を撃退する目的で戦闘能力を付与したとのこと。改修はKNDS社が担当しています。
フランスではルクレルク主力戦車のルクレルクXLRへの近代化改修が進められており、AZUR市街戦防護走行やFNはーすたる社製7.62mm遠隔操作機銃の搭載など2029年までに200両のルクレルクがルクレルクXLRへ改修される計画で、今回のDCLRルクレルク戦車回収車改良型はこれに併せて戦車回収車も近代化改修を行ったかたちです。
■防衛フォーラム
運べるものなんだなあと。
アメリカ海兵隊はCH-53でのF-35C空輸試験を実施しました。この試験はレイクハースト海軍航空戦センターが中心となり実施されたもので、4月24日、パタクセントリバー海兵航空基地からマクガイアディックルレイクハースト基地までの距離を飛行、CH-53Kキングスタリオン重輸送ヘリコプターの輸送能力を検証したかたち。
F-35Cは空母艦載機であり、今回の空輸試験はVMX-1第1海洋試験評価飛行隊が進める緊急復旧システムの試験が目的とのこと。アメリカ海兵隊は250億ドルを投じてCH-53Kを200機調達する方針で2018年より海兵隊に引き渡しが開始されています、最大離陸重量は39.9tと非常に大きく、F-35C空輸はその能力の一端を示しました。
■防衛フォーラム
99式を売り込みたいものですが改良が続いて韓国軍配備のものさえ陳腐化させているK-9をみていると。
ヴェトナム軍は韓国製K-9自走榴弾砲の調達交渉を開始します。これは4月23日の第11回韓国ヴェトナム国防戦略対話においてホアンスアンシエン国防次官が韓国側へK-9自走榴弾砲の売却を要請した事で正式な調達交渉が開始されることとなりました。国防戦略対話は2012年から開始されています。K-9は現在世界で最も量産されている火砲だ。
K-9自走榴弾砲の導入について、ヴェトナム軍には2S3自走榴弾砲や2S1自走榴弾砲、またASU-85突撃砲まで現役となっており、旧ソ連製の旧式火砲更新は重要な課題となっているもよう。一部報道ではヴェトナム軍は108門のK-9自走榴弾砲を希望しているとの憶測報道も、射程が長く機動性も非常に高いK-9の販路はさらに拡大が見込まれる。
■防衛フォーラム
フィリピンにこの種の装備配備が進むと地対艦型のハープーンだけという台湾が防衛空白地帯とならないかが心配です。
フィリピン軍が導入するブラモス超音速ミサイルの納入が開始されました。ブラモスミサイルはインドがソ連時代に開発されたP-800超音速対艦ミサイルを基に開発した対艦ミサイルで、P-800ミサイルは大型弾頭を用いて航空母艦などの高付加価値目標を標的としているものであり、水上戦闘艦や地対艦型など幅広い用途に用いられています。
ブラモス超音速対艦ミサイルの導入はフィリピンにとり緊張度合いを増す南シナ海情勢に対応するもので、射程は輸出型でも350㎞以上あることからフィリピン軍は本土の三カ所程度に配備するだけで周辺海域への対応が可能となります。今回のブラモス引き渡しにはインド空軍がC-17輸送機を用いて直接フィリピンへ納入する方式をとりました。
■防衛フォーラム
砲弾の増産に向かう。
アメリカ陸軍は英韓防衛企業の協力を受け弾薬生産加速を模索しています。これはロシアウクライナ戦争を契機とした世界的な弾薬不足と共にウクライナ軍事支援による米軍予備弾薬の枯渇を背景に急遽行われたもので、喫緊の施策として選ばれたのは第二次世界大戦中に設営されたラドフォード陸軍弾薬工廠を再稼働させるというもの。
ラドフォード陸軍弾薬工廠の再活性化にはイギリスのBAEシステムズ社と韓国ハンファディフェンス社の現地法人であるハンファディフェンスUSA社が当たるとの事で、韓国軍は北朝鮮軍が有する世界最大規模の砲兵部隊に対応すべく巨大な砲兵戦力を有しており、ハンファディフェンスの韓国国内工場拡張の手法をアメリカで再現するもよう。
■防衛フォーラム
海上輸送への次の一歩です。
陸上自衛隊が導入する輸送船が起工式を迎えました。4月23日、広島県尾道市の内海造船瀬戸田工場において陸上自衛隊海上輸送部隊の船舶の起工式が行われ、今回建造開始となった船舶は、令和6年度末に新編される海上輸送群に配備される2隻の輸送船です、従来陸上自衛隊の輸送は海上自衛隊の作戦輸送の一環として行われていました。
陸上自衛隊輸送船は、作戦輸送としての上陸作戦など水陸両用作戦に正面からあたるのではなく、独自の業務輸送能力を有することが目的であるとし、平時若しくはグレーゾーン事態において島嶼部等への部隊機動展開等において重要な役割を担わせるのが狙いで、これまでは民間輸送船などに依存していた輸送任務の見直しの一環です。
北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ まや
(本ブログに掲載された本文及び写真は北大路機関の著作物であり、無断転載は厳に禁じる)
(本ブログ引用時は記事は出典明示・写真は北大路機関ロゴタイプ維持を求め、その他は無断転載と見做す)
(第二北大路機関: http://harunakurama.blog10.fc2.com/記事補完-投稿応答-時事備忘録をあわせてお読みください)