■防衛フォーラム
今回は日本関連の話題です。

航空自衛隊の次期戦闘機は"烈風"を検討している、共同通信が4月27日に配信した報道によれば、F-2戦闘機後継機として開発が進められているイギリスとイタリアとの国際共同開発戦闘機について、共同通信が複数の政府関係者への取材により戦闘機の愛称について旧海軍最後の艦上戦闘機である烈風の名前を継承する検討があるとのこと。

テンペスト、もともとこの戦闘機計画は日本のF-2戦闘機後継機とイギリスのユーロファイター戦闘機後継機が必要となる時期が重なるとして、野田政権時代に日英共同開発の方針が示され、これを政権交代後の安倍政権でも継承したもの。イギリスはタイフーンの後継機ということで嵐を示すテンペストという名称を開発計画に冠しています。

烈風、もともとF-2戦闘機の非公式の愛称はバイパーゼロといい、平成のゼロ戦という愛称をもっています。航空自衛隊はファントムやイーグルにライトニングⅡというアメリカの愛称をそのまま用いていますが、F-104栄光、F-86D月光など過去には日本独自の愛称をつけていて、特にF-86Dはレーダーを搭載し、旧海軍夜間戦闘機の名を踏襲しました。
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GCAP戦闘機、F-2戦闘機後継機計画について欧州同志国の大幅な参加の可能性が出ています。もともとF-2戦闘機とユーロファイター戦闘機の後継機を同時開発するべく日英共同開発が進められていましたが、ここに同じくユーロファイターを運用するイタリアが共同開発に参加、3カ国体制となっています。

ユーロファイターについて、欧州共同開発により実現した戦闘機ですが、欧州での共同開発はもう一つ、ドイツとフランスのFCAS戦闘機開発計画が存在しており、日英伊共同開発は、広大な日本の領空、GIUKラインの防空、北アフリカ地域までの作戦を実現するべく大型の機体となっていますが、独仏は艦載機となりうる小型の機体を期しています。

GCAPグローバル戦闘機計画の参加国増大の可能性は第二次トランプ政権の欧州安全保障への懐疑的な姿勢と、在欧米軍削減やウクライナ支援への後退と親ロシア政策があり、アメリカへの防衛装備依存の脱却を模索している実情があります。これは現実にGCAPはグローバル戦闘機となる可能性を示していると言えるでしょう。
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海上自衛隊の試験艦あすか艦上にレールガンが搭載されており話題となっています。防衛装備庁は昨年、世界で初めてレールガンの海上発射試験の映像を公開し話題となりました、先端技術ですが防衛装備庁は技術研究本部時代の昭和62年度からレールガン開発を継続しており、その具現化となっています。

レールガンは諸外国では野砲の後継として開発するために大型の砲弾を投射するべく電源技術開発などに難渋していますが、もともと日本のレールガン開発は高射機関砲の後継として開発されており、小さなアルミペレットを極めて早い初速で連続投射する技術が開発されており、開発を中断しなかったことで実現にこぎ着けました。

防空火器としてのレールガンは、近年、無人機の飽和攻撃という新しい脅威を前に従来型の防空システムが弾薬不足に陥る懸念が指摘されており、先日フランス海軍がアキテーヌ級の艦砲により無人機を至近距離で落とすなど実際に艦砲の時代が復権しつつあります、レールガンは横須賀軍港巡りなどでも見えるといい、注目の的です。
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防衛装備庁のレールガン開発について、防衛装備庁は現在5メガジュール電源コンテナを4基搭載してレールガン用電源として活用しています、実用的な射程のレールガンには30メガジュールから40メガジュールが必要となるため、現在その小型化技術を推進していますが、10年後を目処に十分の一程度まで小型化を進めている。

レールガンは、いまのところ小型化に成功しており、試験艦あすか艦上に搭載されているモジュールは艦砲部分で40mm機関砲や57mm艦砲程度のシールドに収められている点が特筆できます。電源部分の小型化の過大については、2015年と2025年の蓄電技術の進歩を考えますと、技術的にはある程度現実性がありますが。

日本のレールガン開発は、先ず軽量な高射機関砲用の連射型を開発した上で、将来的には陸上発射型を開発する方針が示されていて、地対艦用に、榴弾ではなく水上戦闘艦の心臓部を正確に破壊する自走榴弾砲型、レールガン部分と電源車量を連結させることで野戦運用する構想が昨年の防衛装備シンポジウムにおいて提案されていました。
北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ まや
(本ブログに掲載された本文及び写真は北大路機関の著作物であり、無断転載は厳に禁じる)
(本ブログ引用時は記事は出典明示・写真は北大路機関ロゴタイプ維持を求め、その他は無断転載と見做す)
(第二北大路機関: http://harunakurama.blog10.fc2.com/記事補完-投稿応答-時事備忘録をあわせてお読みください)
今回は日本関連の話題です。

航空自衛隊の次期戦闘機は"烈風"を検討している、共同通信が4月27日に配信した報道によれば、F-2戦闘機後継機として開発が進められているイギリスとイタリアとの国際共同開発戦闘機について、共同通信が複数の政府関係者への取材により戦闘機の愛称について旧海軍最後の艦上戦闘機である烈風の名前を継承する検討があるとのこと。

テンペスト、もともとこの戦闘機計画は日本のF-2戦闘機後継機とイギリスのユーロファイター戦闘機後継機が必要となる時期が重なるとして、野田政権時代に日英共同開発の方針が示され、これを政権交代後の安倍政権でも継承したもの。イギリスはタイフーンの後継機ということで嵐を示すテンペストという名称を開発計画に冠しています。

烈風、もともとF-2戦闘機の非公式の愛称はバイパーゼロといい、平成のゼロ戦という愛称をもっています。航空自衛隊はファントムやイーグルにライトニングⅡというアメリカの愛称をそのまま用いていますが、F-104栄光、F-86D月光など過去には日本独自の愛称をつけていて、特にF-86Dはレーダーを搭載し、旧海軍夜間戦闘機の名を踏襲しました。
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GCAP戦闘機、F-2戦闘機後継機計画について欧州同志国の大幅な参加の可能性が出ています。もともとF-2戦闘機とユーロファイター戦闘機の後継機を同時開発するべく日英共同開発が進められていましたが、ここに同じくユーロファイターを運用するイタリアが共同開発に参加、3カ国体制となっています。

ユーロファイターについて、欧州共同開発により実現した戦闘機ですが、欧州での共同開発はもう一つ、ドイツとフランスのFCAS戦闘機開発計画が存在しており、日英伊共同開発は、広大な日本の領空、GIUKラインの防空、北アフリカ地域までの作戦を実現するべく大型の機体となっていますが、独仏は艦載機となりうる小型の機体を期しています。

GCAPグローバル戦闘機計画の参加国増大の可能性は第二次トランプ政権の欧州安全保障への懐疑的な姿勢と、在欧米軍削減やウクライナ支援への後退と親ロシア政策があり、アメリカへの防衛装備依存の脱却を模索している実情があります。これは現実にGCAPはグローバル戦闘機となる可能性を示していると言えるでしょう。
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海上自衛隊の試験艦あすか艦上にレールガンが搭載されており話題となっています。防衛装備庁は昨年、世界で初めてレールガンの海上発射試験の映像を公開し話題となりました、先端技術ですが防衛装備庁は技術研究本部時代の昭和62年度からレールガン開発を継続しており、その具現化となっています。

レールガンは諸外国では野砲の後継として開発するために大型の砲弾を投射するべく電源技術開発などに難渋していますが、もともと日本のレールガン開発は高射機関砲の後継として開発されており、小さなアルミペレットを極めて早い初速で連続投射する技術が開発されており、開発を中断しなかったことで実現にこぎ着けました。

防空火器としてのレールガンは、近年、無人機の飽和攻撃という新しい脅威を前に従来型の防空システムが弾薬不足に陥る懸念が指摘されており、先日フランス海軍がアキテーヌ級の艦砲により無人機を至近距離で落とすなど実際に艦砲の時代が復権しつつあります、レールガンは横須賀軍港巡りなどでも見えるといい、注目の的です。
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防衛装備庁のレールガン開発について、防衛装備庁は現在5メガジュール電源コンテナを4基搭載してレールガン用電源として活用しています、実用的な射程のレールガンには30メガジュールから40メガジュールが必要となるため、現在その小型化技術を推進していますが、10年後を目処に十分の一程度まで小型化を進めている。

レールガンは、いまのところ小型化に成功しており、試験艦あすか艦上に搭載されているモジュールは艦砲部分で40mm機関砲や57mm艦砲程度のシールドに収められている点が特筆できます。電源部分の小型化の過大については、2015年と2025年の蓄電技術の進歩を考えますと、技術的にはある程度現実性がありますが。

日本のレールガン開発は、先ず軽量な高射機関砲用の連射型を開発した上で、将来的には陸上発射型を開発する方針が示されていて、地対艦用に、榴弾ではなく水上戦闘艦の心臓部を正確に破壊する自走榴弾砲型、レールガン部分と電源車量を連結させることで野戦運用する構想が昨年の防衛装備シンポジウムにおいて提案されていました。
北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ まや
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