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航空防衛作戦部隊論(第四八回):航空防衛力、戦略拠点成田国際空港と臨時資材統制隊案

2017-05-04 22:21:14 | 防衛・安全保障
■長期航空戦想定の拠点航空施設
 航空防衛力、戦略航空拠点成田国際空港の構想を提示しましたが、今回はこの運用に当たる臨時資材統制隊案という視点から考えてみましょう。

 国際空港を戦略補給物資の集積拠点とする、この場合に必要な措置についてですが、第一に物流管理を、臨時分屯基地として配置し輸送調整を行う必要があります。また、滑走路があるというだけでも航空攻撃の目標となりますので、戦略空輸拠点としない場合も含め、国際空港の防空体制、地対空ミサイルや戦域防空網における重点防空化施策が必要だ。

 成田基地、という表現、関西空港ですと大阪湾に在りますので大阪基地と表現するべきでしょうか、この臨時要員配置についての施策ですが、元々自衛隊には最小限度の人員しか確保できておらず、様々な新施策、島嶼部防衛や海賊対処にミサイル防衛とサイバー攻撃対処へ既存の人員をスクラップ&ビルドにて暫定的な抽出を行う状況が恒常化しています。

 航空自衛隊補給本部として航空自衛隊は十条基地へ司令部を置き、需品ごとに隷下へ第一部から第四部までを配置、第一部が需品と車両や化学器材と施設器材及び衛生資材等担当、第二部が航空機及び航空エンジンと航空機の支援器材等担当、第三部に通信電子器材と気象器材及び写真器材等を担当、第四部に火器と弾薬と標的及び曳航器材等担当している。

 十条基地の補給統制本部には加えて、総務部と計画部及び情報処理部の部局が設置され、岐阜基地航空自衛隊第2補給処、入間基地航空自衛隊第3補給処、入間基地航空自衛隊第4補給処、以上三補給処を全国へ配置、更に十条支処、東北町支処、高蔵寺支処、木更津支処、立川支処、以上が補給任務に当っています。戦略補給物資集積拠点はこの補完となる。

 補給処任務の延長線という認識で航空自衛隊補給処はじめ補給関連の要員から要員を抽出し、少なくとも臨時分屯基地の司令業務を現地調整所の形で実施できる形を構築し、その上で補給統制本部との情報伝送体制を秘匿回線など通信秘密保全体制に配慮し、現地業務での調整任務や指揮任務をコンパクト化、臨時分屯基地業務を簡略化するべきでしょう。

 臨時資材統制隊を臨時分屯基地へ展開させ、業務へ充てる事となりますが、通常の補給処では補給処長に空将補を補職し総務課、企画課、資材計画部、整備部、保管部、調達部、業務部、と部局を配置します。ただ、整備部は臨時補給拠点となりますので不要となり、調達部等は輸送調整に必要ありません、故に可能な限り業務部へ集約する事が望ましい。

 成田臨時資材統制隊、大阪臨時資材統制隊、伊勢臨時資材統制隊、板付臨時資材統制隊、沖縄臨時資材統制隊、新千歳臨時資材統制隊、こうした部隊を臨時編成する体制を構築し、有事の際に長期化が見込まれる状況、成田国際空港、関西国際空港、中部国際空港、羽田空港、福岡空港、千歳空港、といった各空港へ展開させ、輸送調整業務へ対応させます。

 即応予備自衛官の任用をこの補給支援において重点化する、国際空港での業務を円滑に履行するには即応予備自衛官として、平時から物流事業者として大量の物資の流通に長けた要員を確保する必要があります、自衛隊には民間企業ほどの輸送力はありません。勿論、荷役業務等現業は武力攻撃事態法指定公共企業の協力を仰ぐことは云うまでもありません。

北大路機関:はるな くらま
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