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北大路機関

京都防衛フォーラム:榛名研究室/鞍馬事務室(OCNブログ:2005.07.29~/gooブログ:2014.11.24~)

12.8:真珠湾攻撃太平洋戦争開戦記念日、平和への祈念と永続への覚悟を共有

2015-12-08 22:32:08 | 北大路機関特別企画
■平和への祈念と永続への覚悟
本日は12月8日、開戦記念日です。1941年のこの日我が国がアメリカの真珠湾軍港を空母6隻で奇襲、太平洋戦争がはじまりました。四年間の激戦を経て敗戦、その後平和憲法が制定され今に至る平和が続きますが、その我が国へテロの脅威が迫っています。

勝利か滅亡か 脅威はここまで来た、日本は平和憲法制定以来最大の難局を迎えており、国民は存亡の危機に立たされている、対テロ戦争の勝敗は洋上で決せられるものであり、敵が日本本土沿岸に侵攻して来てからでは手遅れである、刺又では間に合わぬ、正規部隊だ、特殊作戦部隊だ、対テロ戦争の勝敗は防衛力の増強にかかっており、敵のテロ攻勢に対して刺又で対抗することはできない。

と、まあ挑発的な文章で始めましたが、これは毎日新聞1944年2月23日朝刊の“勝利か滅亡か 戦局はここまで来た”という有名な論説記事を捩ったもので“竹槍では間に合わぬ 飛行機だ、海洋航空機だ”“大東亜戦争の勝敗は海洋航空兵力の増強にかかっており、敵の航空兵力に対して竹槍で対抗することはできない”、という大本営発表を批判的に掲載した記事を元としました。

毎日新聞の記事は、戦局の悪化を相次ぐ玉砕が報じられ肌で感じているところへ大本営発表が連戦連勝を報じ国民不信が高まっていた中で大きな支持を集め陸海軍部からも称賛された記事ですが、時の東条首相が激怒し、毎日新聞廃刊を求めた“竹槍事件”へ発展します。敢えてこの記事を捩って掲載しました背景には、日本の対テロ訓練へ依然として刺又が用いられる牧歌的なものへの批判的な意味を込めています。竹槍事件については様々な文献がありますが、東宝が1970年に公開した映画「激動の昭和史 軍閥」などはその俯瞰風景を掴むには最適の作品でお勧めしたいところ。
オバマ大統領は、カリフォルニア州での乱射事件を漸くISILのテロ事件であることを認め、先月のパリ同時多発テロ以降、イギリスでの刃物連続襲撃事件もテロ事件として扱われ、テロの脅威が顕在化している中で、特にホームグロウンテロ、テロリストが海外から侵入するのではなく自国生まれのテロが事件を起こす、という懸念がパリとカリフォルニアで現実的となりまして、日本国内では銃器や爆薬の入手は困難ですが、自動車や刃物を用いた、秋葉原通り魔連続殺傷事件型のテロという懸念は常にあり、すでに海外では邦人襲撃事件や人質殺害事件が繰り返し発生し、ISILが我が国をテロの標的として名指ししているなかにあって、現状のテロ対策が充分であるのか、という疑問を禁じ得ません。

国際テロ情報収集ユニットが本日設置され、テロ情報収集へ各国との連携が図られるかたちとなりましたが、情報交換のための組織であり、情報収集機構は既存の情報機関、防衛省情報本部や外務省情報局に公安調査庁等の情報を内閣情報調査室が集約した現在の構造を強化したものに過ぎず、情報収集をヒューミントやコミントとエリント等の部分で強化し、脅威を察知した際には迅速に排除できる体制の構築が必要でしょう。

私見としては憲法が認めた国民の権利は最大限保護されるべきという視点があり、また日本国憲法の精神を今後も永続的に進めてゆくべきという立場ではありますが、憲法原理主義となり必要な施策が執られない事による国民へ不幸な結果が及ぶことは憲法の空文化を意味し、絶対に防がねばなりません。管区機動隊と同規模の管区警衛隊、主要警察署ごとの銃器対策班設置、治安出動出動基準緩和、利用者1万名以上主要駅への特別機動隊配置準備、警察特殊部隊へのカービン配備、防爆警備車増強、通信傍受基準緩和、施策などは幾つか考えられますが、テロを未然に防止するための権利制限は、テロ後の過剰な権利制限よりも国民負担が軽く、テロが起きる以前に平和への祈念と永続への覚悟を共有する機運が必要だと考えます。

北大路機関:はるな くらま
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