平地治美の漢方ブログ 

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第22回漢方治療研究会

2012年10月01日 | 学会 勉強会 お知らせ
第22回漢方治療研究会に参加してきました。

東洋医学会が「学」寄りだとすると「術」寄りのこの会、私はとても好きで毎年参加しています。

今年も演題を発表する機会を与えていただきました。


1人で臨床をやっていると、使う処方が狭くなってきてしまったりするものですが、

いろいろな先生方の発表を見ていると、ああ、こんな処方もあったっけ、

使ったことないけど今度こういう患者さんが来たら使ってみよう、

などと刺激を受けたりするものです。

月経随伴性気胸の症例、葛根湯で脱毛治った症例をはじめ、他にも興味深い症例が多かったです。


会頭講演の「大塚恭男先生から学んだこと」、とても面白かった!

大塚恭男先生は研究のイメージが強かったのですが、臨床家としても素晴らしかったのですね。

「スメタナのモルダウ」をバックミュージックにして紹介された「大塚語録」は

大笑いのものもありましたが、大塚先生の優しさと感性の豊かさがしみじみと伝わってくるものが多く、

「いつか、こんな臨床家になりたいな」と素直に思いました。


清熱補気湯、清心蓮子飲といった意外な処方を多用されていたことも初めて知りました。



ちょっと早めに退散して、寺澤捷年先生、山崎光夫先生とともに新橋の新橋亭で油井さん追悼夕食会。

お二人のやりとり、そのまま対談記事になりそうな内容でした。


寺澤先生が臨床の極意を掴んだように、山崎先生も物を書くのに大切なものを森鴎外の作品から掴んだ。

一所懸命に求めていたら、ある時ふと、掴んだ感覚を得たそうです。

異分野でありながら、深い部分で共感して何度も握手を交わすお二人(紛れて私も握手)。



臨床家は患者さんが治ること、作家は読者が読んでくれることを至上の喜びとしますが、

共通するのは関わった人を喜ばせること。

場合によってはその人の人生を変えてしまうこともあるわけです。


山崎先生は寺澤先生を評して

「体は細身ですが、心や理想は太く、たくましく、また楽しく優しい方。

 権威でありながら偉ぶらない優れた先生。」

さすが作家、的を得ていらっしゃいます。



追悼にしてはずいぶん明るく盛り上がった食事会。

この縁を作ってくれた油井さんも、きっと喜んでくれたはずです。


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