百合

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気味　　甘　微苦
帰経　　心　肺
効能　　補陰　清熱瀉火　養心安神　補中益気　潤肺止咳

　　　　イライラ,不眠ヒステリー,空咳


「金匱要略」には「百合病（びゃくごうびょう）」という病が記載されています。

百合狐惑陰陽毒病脈証治第三
論曰：百合病者，百脈一宗，悉致其病也。意欲食復不能食，常黙黙，欲臥不能臥，欲行不能行，欲飲食，或有美時，或有不用聞食臭時，如寒無寒，如熱無熱，口苦，小便赤，諸薬不能治，得薬則劇吐利，如有神霊者，身形如和，其脈微数。

・食べようと思っても食べられない
・いつも黙りこくっている
・眠りたいのに眠れない
・歩こうと思っても歩けない
・おおいに食欲があるかと思えば,食べ物の臭いをかぐのも嫌なときがある
・寒さを嫌うようだが寒気はない
・熱があるようだが熱は出ていない
・口の中がひどく苦い
・小便の色が赤い


大きく捉えると,熱病後の陰虚証と言えます。
熱により精神的におかしくなるのは陽明病も同じですが,陽明病の発狂のような症状ではないけれども,なんだかぼんやりしてつかみどころのない症状が現れるのがこの百合病です。病院に行けば自律神経失調症,不定愁訴,更年期障害,ということになりそうです。
そして名前の通り百合の入った処方

百合知母湯
百合地黄湯
百合滑石散
百合鶏子湯
百合洗

が記載されています。


食材として手に入れやすいので,陰虚による上記のような症状がある方は取り入れてみると良いでしょう。
茶碗蒸しに入れると「百合鶏子湯」に近いものになりそうです。