ハリソン君の素晴らしいブログZ

新旧の刑事ドラマを中心に素晴らしい作品をご紹介する、実に素晴らしいブログです。

『西部警察』#21

2018-11-10 08:08:06 | 刑事ドラマ'80年代









 
☆第21話『汚ない奴』(1980.3.2.OA/脚本=永原秀一/監督=長谷部安春)

渋谷で暴力団vsギャングの抗争事件が発生! 暴力団とギャングの違いがよく判りませんがw、そこに駆けつけた西部署の暴力刑事たちも加わり、街中でカーチェイスしながらマグナムやマシンガンをぶっ放すチョー暴力的な銃撃戦が展開されます。

抗争の発端は、ギャングが都内で違法カジノを開いて、暴力団の縄張りを荒らしたから。

大門軍団は本庁四課(マルボー)との合同捜査で違法カジノ摘発へと動き出すんだけど、ことごとく敵に先手を打たれちゃう。どうやら警察の内部情報が敵に漏れてるらしい。

そして大門団長(渡 哲也)がマルボーを指揮する矢野刑事(西沢利明)に疑惑の眼を向けた矢先に、矢野の部下である若手刑事が殺され、彼の部屋から賄賂と見られる現金が発見されます。

これも自分の部下がギャングと癒着していたように見せる為の、矢野の犯行&裏工作であると確信する大門。けど、証拠がありません。

折しも、別ルートで違法カジノを洗っていた木暮課長(石原裕次郎)が、豪華客船で開かれるカジノの情報をキャッチ。そこで矢野の尻尾をつかむべく、木暮は大門の妹=明子(古手川祐子)を同伴してカジノに潜入するのでした。

結局、あっさり潜入がバレて大門軍団が突入し、いつも通りに大味な銃撃戦が展開され、いつも通りに団長が必殺ショットガンで矢野を倒して一件落着。

だったら潜入なんてまどろっこしい事しないで、最初から突入すればええやん!って思うんだけどw、闇カジノの現場にちゃんと矢野がいるかどうか、潜入しないと確認しようが無いって事なんでしょう。

タイトルの『汚ない奴』とは矢野刑事のことで、彼の悪行三昧に対する怒りを団長が爆発させるシリアスな話かと思いきや、後半は木暮課長と明子のスパイ活劇になっちゃって、まるで2つのプロットを無理矢理くっつけたようなエピソード。

その強引さとテキトーさが『西部警察』の魅力と言えば魅力で、話の辻褄やテーマに囚われず、とにかく見た目に面白いことをやればいいんだ!っていう製作姿勢。

今回で言えば、そろそろ古手川祐子さんにも捜査現場で活躍するエピソードを作ってあげよう→その相手役は、しょっちゅう絡んでる渡さんより裕次郎さんの方が面白いだろう→だったら二人をドレスアップさせてみたい→じゃあパーティーだ→豪華客船だ→カジノだ→乳首だ→足の裏だ、ってな感じで企画が進み、だけど丸々1話をそれで通すには無理がある→じゃあボツにしてた悪徳刑事の話をくっつけよう、みたいな流れでシナリオが組まれたんじゃないでしょうか。

普段あまり捜査の現場に出ない木暮課長と、漫画家である明子がドレスアップして潜入捜査をする。確かに見た目には新鮮で楽しくて、それ以上でも以下でもありませんw

惜しむらくは、まぁ漫画家という設定なので当たり前かも知れないけど、明子が木暮課長の横でハラハラ、オロオロするばかりで何も活躍しなかったこと。アクションドラマの最前線で女性が大活躍するのは、これよりもうちょっと時代が進んでからになります。

古手川祐子さんは当時20歳。渡さんと兄妹って設定はかえすがえすも無理がありますw 東宝とカネボウ化粧品が共催したコンテストで三浦友和さんの相手役に選ばれ『星と嵐』で映画デビュー。CMにも出演し、映画『幕末未来人』でも注目されて、すでにアイドル的な人気を得た上での『西部警察』レギュラー出演でした。

その後のご活躍ぶりは言わずもがなで、数々の映画やドラマでヒロインを演じ、映画『春の鐘』ではヌードも披露されてます。

『西部警察』以外の刑事物レギュラー出演は、1985年に緒形拳主演の『迷宮課刑事おみやさん』第1シリーズでヒロイン=七尾刑事役を演じられた位で、後はもっぱら単発物へのご出演が多かったみたいです。
 

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4 コメント

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Unknown (Unknown)
2018-11-11 02:20:01
「(船上パーティーに参加するためには)婦人同伴じゃなきゃダメなんだ。団長、アコちゃん貸してくれんかな」

西部署に婦人警官はいねえのかよ!?

当時そう思いました。
>Unknownさん (ハリソン君)
2018-11-11 09:40:09
ごもっともです。まあ、それが『西部警察』ですよねw
Unknown (Bill McCreary)
2024-04-13 02:12:39
西沢利明氏が、『西部警察』に出演しているとは知りませんでした。ちょうど先日『ファミリー劇場』でこの作品を観ることができまして、「うんなことあるわけないじゃん」といったら大映ドラマと『西部警察』は見られませんが、これご指摘のように古手川祐子を前面に出す視聴者サービスエピソードなんでしょうね。


だったら潜入なんてまどろっこしい事しないで、最初から突入すればええやん!って思うんだけどw、闇カジノの現場にちゃんと矢野がいるかどうか、潜入しないと確認しようが無いって事なんでしょう。

でもあんな風に警察を逃げ出した西沢氏が、そんなに都合よくカジノ船にいるっていうご都合主義なストーリーも、「うなあほな」といいたくなるのを我慢ですね(苦笑)。

ところで裕次郎と古手川のツーショット(下から3枚目)も、現在ではオフの写真でもきついかもですね。1回目で、裕次郎がお茶くみの布目ゆう子さんの腕をつかむシーンがありましたが、あれも現在ではコンプライアンスでアウトのはずで、やはりそういうことに規制が厳しくなっていますよね。

あと・・・布目さん途中から明らかに出演が減っていますね。学校の関係とかいろいろあったのでしょうが、その後彼女が芸能界を去ったことを考えると、ややつらかったのかもですね。フロントクレジットでは、出演しない回でも名前は出ていますが。幸田薫さんは必ず出ているのにねえ。
Unknown (ハリソン君)
2024-04-13 10:11:42
主役回までもらえた『太陽にほえろ!』のマスコットガールたちに対して、ほとんど背景でしかなかった『西部警察』の彼女らはクレジットの役名も「事務員」ですから、出演し続けても何のメリットも無いと、彼女サイドも番組サイドもお互い納得しての降板なんでしょうね。

『大都会パート3』では金沢碧さんみたいなメジャー女優でさえ、レギュラーの筈があっという間に姿を消しましたから、石原プロのアクション路線に女優の居場所は無いんでしょう。そんな中できっちり存在感を残された古手川祐子さんはやっぱり凄い!

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