ハリソン君の素晴らしいブログZ

新旧の刑事ドラマを中心に素晴らしい作品をご紹介する、実に素晴らしいブログです。

『チャーリーズ・エンジェル』2000

2021-02-21 17:50:30 | 外国映画









 
2000年に公開されたマックG監督によるアメリカ映画。1976年から'81年にかけて放映されたTVシリーズのリメイクであり、'03年に第2弾『チャーリーズ・エンジェル/フルスロットル』、そして'19年に新キャストによる第3弾『チャーリーズ・エンジェル』(リブートかと思いきや続編なんですね) が公開されてます。

チャーリー・タウンゼント探偵社で働く女探偵3人の活躍を描いたアクション・コメディーで、この2000年版ではキャメロン・ディアス、ドリュー・バリモア(兼製作)、ルーシー・リューが「エンジェル」と呼ばれるキュートな探偵たち(ナタリー、ディラン、アレックス)を演じ、サポート役の「ボスレー」にはビル・マーレイが扮してます。(電話や無線で指示を送る所長のチャーリーは、いっさい顔を見せないのがシリーズのお約束)

2010年代で私がハマったアクション映画は『96時間』と『キック・アス』だけど、'00年代はこの『チャーリーズ・エンジェル』が一番繰り返し観た作品かも知れません。

なぜそんなにハマったのか、今となっては自分でもよく分かりませんw ハマってた当時すら、この映画のどこが良くてどう好きなんだ?と問われても「よく分かりません」って答えるしか無かった事でしょうw

今あらためて観ると、ムダとしか思えないシーンがてんこ盛りだし、ギャグは大半スベってるしでw、決して優れた作品じゃないことは明らか。捜査活動にいちいち「恋」が絡んで来るとこなんかホントかったるい!w

けど、やっぱり楽しいんですよね。底抜けに明るくて可愛くてセクシーで、だったらそれで充分やん!って納得させちゃうパワーがある。

『マトリックス』からの流れを受けたピョンピョン&クルクル(物理的に不可能なアクション)も当時は新鮮だったし、それをアクション専門じゃない女優さんたちがやってるのが何より良かった。

特に最初のアクション・シークエンス(夜の路地裏における『ヤセ男』との対決)は今観ても、何回観てもワクワクします。ほんとバカバカしくてw、やたらめったらカッコいい!

一言で言えば「突き抜けてる」んですよね。世間からどう思われようが、私はこれが可愛いと思うから、カッコいいと思うからやるんだ!っていうブレない姿勢がとても心地好くて、元気を貰える。そういう映画って、沢山ありそうでなかなか無い。

マックG監督がMTVやCM畑のご出身で、カッコいい見せ方を熟知されてるのも大きいだろうし、プロデューサーも兼ねたドリュー・バリモアさんの時代を読む鋭いアンテナとか、飾らないお人柄もプラスに働いたんじゃないかと思います。

それともう1つ、ハリウッドアクションにしてはそれほど大作感が無いのも良かったかも知れません。なぜなら、スケールアップされた続編『チャーリーズ・エンジェル/フルスロットル』に私は全然ノレなかったから。1作目の絶妙なバランス感覚が、続編で力が入りすぎて崩れちゃうのはよくある話です。

かつて吉本新喜劇が全国ネットのゴールデンタイムに進出した時、オシャレかつ大掛かりな舞台装置でゴージャス感を出したばかりに、ベタなネタがことごとく空回りして全然笑えず、あっという間に打ち切られた悲劇を私は連想しちゃいましたw 新喜劇は梅田花月劇場サイズでないとダメなんです。

それとタイミングですよね。1作目のアクションは『マトリックス』ブーム冷めやらぬ時期だからこそ新鮮だったけど、続編の頃には飽きられてたかも知れない。最近公開された第3弾は観てないから何とも言えないけど、ほとんど話題にならなかったのは多分そういう事でしょう。

ついでに書きますと、かつて映画監督を目指してた私は、ちょうど『チャーリーズ~』1作目が公開された頃にプロデビューのチャンスを頂き、初の商業映画として和製『チャーリーズ~』みたいなガールズアクション・コメディーを監督したんだけど、全然ウケなくてお蔵入りになっちゃいましたw

自分で言うのも何だけど、それまで自主製作で創って来たアクション・コメディーはどれも好評で、だからこそチャンスを貰えたワケなのに、商業映画にスケールアップすると微妙に何かが違ってしまった。特にコメディーは、その微妙な違いで全てのバランスが狂っちゃう。失敗して初めて、私はそれを学びました。

そういうのって、創ってる当人でも出来上がってみないと分かんないものなんですよね。私の場合は単に才能が無かっただけかも知れないけど、どんな巨匠でも失敗する時は失敗しちゃう。創作ってホント難しいもんです。

この映画版『チャーリーズ・エンジェル』以後、'02年の『ボーン・アイデンティティー』登場を境に、アクション映画は大きく2つの作風に岐れて行ったような気がします。

1つは、その『ボーン~』シリーズが追究したリアリズムとスピード感を受け継ぐシリアスな作風、そしてもう1つは『アベンジャーズ』シリーズに代表されるアメコミヒーロー物の荒唐無稽な作風。『マトリックス』や『チャーリーズ~』のスピリットは後者に受け継がれてますよね。

『007』シリーズなんてかつては後者の代表格だったのに、ダニエル・クレイグのボンドになってから前者に舵を切ったもんで私は驚きました。それはそれでカッコいいんだけど、なんか違うような気もします。

そんな中、ぼくらのスタローン先生が『エクスペンダブルズ』シリーズ等で'80年代型の筋肉アクションを復活させたりなんかして、私ら世代にはそれが一番肌に合ってるかも知れませんw

いずれにせよ、いくつになっても、私はやっぱりアクション物が一番好きですね。そもそも「活動写真」なんだから、動いてナンボですよマジで!


 


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