ハリソン君の素晴らしいブログZ

新旧の刑事ドラマを中心に素晴らしい作品をご紹介する、実に素晴らしいブログです。

『特命刑事』最終回

2018-11-18 11:18:29 | 刑事ドラマ'80年代










 
☆第10話『ファイナル・チャレンジ』(終)

(1980.9.30.OA/脚本=峯尾基三/監督=野田幸男)

とある化学研究所が石橋蓮司たちに占拠され、氷室キャップ(渡瀬恒彦)率いるマッドポリスに制圧指令が下されます。

異例の早さの制圧指令に戸惑いながらも、着実に蓮司たちをあの世へ送っていくマッドポリス。ところが研究室における銃撃戦で、割れた瓶の液体を浴びた原田(中西良太)が謎のウイルスに冒されちゃう。

瞬く間に瀕死状態に陥った原田を救うべく、急いでウイルスの正体を探るマッドポリスは、その研究所が細菌兵器を開発していた事実を突き止めます。

しかもマッドポリスが動き出したと同時に研究所は全焼、病院にいた原田も拉致されてしまう。その迅速さと機動力には、巨大組織の存在が見え隠れします。

そう、黒幕は国家権力をバックにした戦闘集団、すなわち自衛隊!

敵は恐らく、原田を細菌兵器の実験台にし、死んだら即焼却して証拠隠滅を図るに違いない。残された時間はあと僅か!

もちろん、警察上層部から捜査中止命令が下りますが、マッドポリスは無視して富士山麓にある敵アジトへと乗り込み、迎え撃つ自衛隊との「大激闘」に挑むのでした。

普段どおりのノリで終わった『大追跡』等とは対照的に、スペシャル感満載の実に「熱い」最終回。メンバーの1人が重症な上、敵が「自衛隊」という実在組織ですからねw

アクションドラマに自衛隊を連想させる組織(防衛隊などと呼称)が登場するのは珍しくないけど、劇中でハッキリ「自衛隊」って呼んじゃうのはレアかと思います。しかも政府のバックアップで細菌兵器を開発しちゃってるw

これは、映画『二百三高地』にも参加してた番組プロデューサーが、その撮影に非協力的だった自衛隊に「この野郎!」と思ったから「実名で出してやった」んだそうですw

また『大激闘/マッドポリス'80』のタイトルでスタートした本作が、視聴者からのクレームと視聴率不振により上層部から無理矢理テコ入れされ、勝手に『特命刑事』に改題されたという経緯もあり、権力に対する恨みと不信感も多分に作用したんじゃないかと思われます。最終回だからこそ出来た渾身の最後っ屁ですよねw

クライマックス・バトルに登場する大量のジープ・銃器・コスチュームは、素人のミリタリー・マニアたちが持ち寄った物で、嬉しそうに銃を撃ちまくる自衛隊員たちも彼らがノーギャラで演じたそうです。

良い意味で自主製作映画のノリで、並々ならぬ熱気が画面から伝わって来ます。現在のTVドラマじゃまず味わえない高揚感ですよね。

ちなみに、上画像にアップで映ってる自衛隊員は、ミリタリーマニアの素人さんじゃなくて、24歳頃の役所広司さん。

デビューして1年経つか経たないかの時期だけど、同年の大河ドラマ『獅子の時代』で村上泰治役を演じられてますから「無名」とも言えず、何かの縁があって特別参加されたのかも知れません。人に歴史ありです。

たった6人で百人近い部隊に真正面から突っ込んで行く緻密な作戦といいw、それで集中砲火を浴びてもマッドポリスにはカスリもしない都合の良さとか、瀕死の原田を救出したはいいけど血清も無いのにどうやって治療するの?とか、ツッコミ所は相変わらず満載なんだけど、意にも介さず勢いで見せ切っちゃう、昭和アクションドラマの心意気。

その姿勢が正しいか否かは別にして、実に格好良かったと私は思います。
 


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